SERIAL STORY

2024.12.16

<佐藤めぐみのcoffee note vol.8>
浅煎りコーヒーとパティシエが作る絶品焼き菓子のお店

東京はおしゃれでかわいい、そして美味しいカフェの激戦区。そこで、コーヒー好きとして有名な女優の佐藤めぐみさんと、東京のカフェを巡る連載をお届けします。

第8回は【オーストラリアのメルボルンでカフェ技術を学んだパティシエのお店】。ほっと一息つきたくなるような、あなたのお気に入りのカフェが見つかりますように——。

@𝚝𝚘𝚎 𝚌𝚘𝚏𝚏𝚎𝚎

世田谷の「等々力駅」から徒歩7分、閑静な住宅街の中にある「toe coffee(トーコーヒー)」。店内の扉を開けると手作りお菓子の甘い香りがふわっと包んでくれます。店主の望月よしみさんがパティシエということもあり、とにかくお菓子の種類が豊富。ついついガラスケースの中身に視線が向いてしまいます。白を基調とした店にはイスが8脚あり、優しい光が降り注ぐ中で至福の時間を過ごせるお店です。

お店のコンセプトは「日常を思い出に」

佐藤めぐみ(以下、佐藤):駅の反対側には等々力渓谷もあり、お店の周りも素敵な環境ですね。どうしてこの場所を選んだのでしょうか?

望月よしみ(以下、望月):5年前まで、私はオーストラリアのメルボルンで働いていました。その時に街中と郊外のカフェ、どちらでも働いた経験があるのですが、街中のお店は本当に忙しくて会話もできない状態でした。でも、郊外のお店は毎日来てくれるお客さんや一日に何度も訪れてくれるご近所のお客さんとの、日々のちょっとした会話を大事にしながらコーヒーを提供していました。その時から日本に戻ってお店を開くなら、おしゃれなお店が並ぶ街中よりも、住宅街の中でお店を開きたいと考えていたんです。お店準備のために物件を探している時、この場所を見つけてここに決めました。

佐藤:等々力渓谷からも、少しお散歩をしながら来られるのでいいですね。

望月:晴れた日は気持ちがいいのでお散歩のついでに寄ってくれるお客さんもいます。

佐藤:パティシエからコーヒーについて知ろう、学ぼうと思ったきかっけを聞かせてください。

望月:日本にいた頃は職場で深煎りのコーヒーばかり飲んでいました。それがメルボルンに行って浅煎りのコーヒーを飲んだ時に「なんてフルーティでおいしいんだろう。まるで紅茶みたい」と衝撃を受けました。そこからこのコーヒーと一緒にお菓子を提供できたら最高だな…と思うようになり、勉強をはじめました。

佐藤:私もメルボルンのカフェに行ったことがありますが、コーヒーと人が近い印象があります。あの雰囲気がこちらで体験できるので本当に嬉しいです。
店内の雑貨や家具も素敵ですね。ここにも望月さんのこだわりが感じられます。

望月:店内は自分でデザインをしました。家具や雑貨は雰囲気に合うようにシンプルなものでそろえています。主役はコーヒーなので、お菓子も空間もあくまでもコーヒーの引き立て役ということを意識しています。

佐藤:お店のこだわりやコンセプトはありますか?

望月:お店は来年の4月で3年目に入ります。コロナ禍だったので開店時はまだ毎日が非日常でしたが、少しずつ元の生活に戻っていく感じでした。大変な時期を乗り越えたからこそなにげない日を大切に感じていたので、コンセプトは「日常を思い出に」です。コーヒーとお菓子でなにげない一日も彩り豊かな日になるといいなと思っています。

佐藤:「日常を思い出に」、素敵な言葉ですね。ここに来るとなにげない一日も特別な日になるような気がします。次にお店の主役であるコーヒー豆について教えてください。

望月:浅煎りの豆を使用しています。産地の特徴を活かして店内で焙煎しています。コーヒーは苦い飲み物というイメージがある方には、フルーティな豆もあるということを知ってもらいたいですね。そして、焼き菓子と一緒に食べると、とっても美味しいということももっと多くの方に知ってもらいたいです。

佐藤:望月さんはもともとお菓子を作るお仕事をされていたから店内のお菓子も毎日手作りと聞きました。

望月:はい、早朝からもくもくと作業して、毎日10種類くらい作っています。

佐藤:初めてお店に来た時は焼き菓子のラインナップの多さに驚きました。なかなかここまで種類豊富に毎日作ることは難しいと思います。米粉やグルテンフリーを使った体に優しいお菓子もあるので安心していただくことができますね。
しかもお店は朝から営業しているとか。それも嬉しいポイントです。

望月:お店のOPENが7時半なので、ピークは8時から9時の間です。通勤前やお子さんを幼稚園などに送った帰りに、コーヒーと一緒にその日の焼き菓子を買ってくださるお客さんが多いです。

佐藤:そんなに早くから開けているのは理由があるのですか?

望月:メルボルンのカフェもだいたい6時くらいにOPENして3時くらいまでのところが多かったので、同じスタイルでやっています。

佐藤:コーヒーにも詳しくて美味しいお菓子も作れる望月さんは私にとってスーパーウーマンです。お店の空間作りも接客もどれも完璧で憧れ。作るお菓子に人柄が出ていますよね。いつ来ても優しいお菓子がそろっているのでこれからも通いたいお店です。

望月:ありがとうございます。私も共通の友人を介して佐藤さんを紹介してもらいましたが、初めて会った時から優しいオーラと気さくな雰囲気が素敵だなって思っていました。

佐藤:嬉しいです(笑)。これからもお店に通うので、また美味しいコーヒーとお菓子を楽しみにしています。最後になりますが、今後の望月さんの夢を聞かせてください。

望月:少しずつローカルになじんできたかな? と感じています。もう少し大きな焙煎機を入れて、もっと多くのお客さんにtoe coffeeのコーヒーを知ってもらいたいです。そしていつかメルボルンでお店が構えることができたら嬉しいなと思っています。

後味スッキリ浅煎りコーヒーと
ご褒美に食べたくなる心地いいスイーツ

toe coffeeでは決まってブラックコーヒーをいただきます。そしてスイーツはその日の気分で決めたり、望月さんやお店の方にオススメを聞いてチョイスしています。フルーツが入ったスイーツはシャインマスカットや苺など季節によって変わるので、いつもどれを選ぶか迷ってしまいます。

今日は定番のブラックコーヒーと「ピオーネとチョコのアーモンドケーキ」をチョイス。コーヒーは浅煎りの豆を使った後味がスッキリ、スイーツはグルテンフリーとは思えない美味しさで、思わず「美味しい~!」と声が出てしまいました。優しい甘さのある生地にピオーネのフレッシュ感が最高にマッチしていて、毎日食べたいくらいでした。

友人から等々力に素敵なカフェがあると紹介してもらって来店したのがきっかけで望月さんと交流が始まりました。お話ししていくうちに共通点が多いことがわかって意気投合。訪れる度にお店の方たちの笑顔や甘い香りに癒やされています。SNSから離れたい時や、ちょっと考え事をしたい時に訪れる大切なお店として、これからも大事にしていきたいです。

最後に素敵な夢を語ってくれた望月さん。今は土日も営業しているので働きすぎでは? と心配になりますが、遠い将来なんて言わず近い将来、メルボルンにお店を出す夢が叶いますように。

toe coffee(トーコーヒー)
東京都世田谷区中町2-9-5
https://www.instagram.com/toecoffee_208

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取材・文/安田ナナ
撮影/渡会春加

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