【俳優・茅島みずき】13歳の時に受けたオーディションで、世界が変わった
2年連続でゼクシィCMガールを務める茅島みずきさん。キュートなウエディングドレス姿で満面の笑顔が魅力的な茅島さんは現在20歳。話題作に立て続けに主演しており、実写版『【推しの子】』では黒川あかね役を務めています。
芸能界が舞台の作品を茅島さんはどんな風に捉えているのでしょうか。また、ご自身が芸能界に入るきっかけとなった所属事務所のオーディションについても振り返っていただきました。
「私があかねちゃん役でもいいのかな?」
―― 実写版『【推しの子】』が配信中、また映画版も12月20日(金)に全国公開されます。この作品で茅島さんは天才女優・黒川あかね役を演じていますが、ご自身にとってどんな作品となりましたか?
今まで演じてきた役はどちらかというとクールだったり、気が強かったりと勝気な女の子の役が多かったのですが、今回の役はこれまでと正反対で内気な女の子です。この作品を通して役の幅が広がったなと思っています。
――もともと原作のファンだったとのことですが今回、あかね役が決まった時はどんな気持ちでしたか?
まずは一人のファンとして『【推しの子】』の実写化のお話を聞いた時はうれしかったです。次に私の役があかねちゃんだと聞いて想像していなかったので驚きました。これまでクールな役が続いていたので、「私があかねちゃん役でもいいのかな?」と戸惑いましたが、作品に携われるワクワク感のほうが勝っていました。
――あかね役を演じるにあたってどんなことを準備しましたか?
私は作品に入る前にノートを用意して、そこに役についていろいろと書き込みます。今回もまずは原作をしっかり読み込んで分析しました。次に台本を読んで原作と感情面で違うと感じたところは監督と何度も話し合いを重ねました。
作品と黒川あかねへの共感ポイントは…?
――作品に入る前に事前準備をしっかりなさっているんですね。今回の役は「女優」ではなく「天才女優」とのことですが、どんな風に役をとらえていますか?
台本をもらった時は「天才女優」という役をどうやって演じたらいいのかという戸惑いはありました。でも、役のあかねちゃんも自分が「天才」とは意識していないと思います。有馬かなちゃんに憧れて業界に入ったもののオーディションに負けて悔しい思いをしてきた努力家なので、「天才」という言葉を難しく捉えることなく演じるようにしました。
――演じてみて気が付いた、ご自身とあかねとの共通点や共感できる部分はどんなところですか?
作品の舞台が芸能界ということで、視点のリアルさに共感が持てました。あかねちゃんに関しては、大人の中で顔色をうかがいながら懸命に頑張っているところや、真面目すぎるゆえに空回りしてしまうまっすぐさに共感を覚えました。私も人の顔色をうかがってしまう部分があるので、あかねちゃんの気持ちがわかります。また、努力に対する向き合い方や物事の捉え方にも共通点を感じています。
13歳。ゴルフのパターを2本持参して挑んだオーディション
――茅島さんは事務所が実施したオーディションでグランプリを受賞したことをきっかけに芸能界デビューが決まったと聞きました。オーディションの思い出があれば教えてください。
私は事務所主催の「全県全員面接オーディション」の九州・沖縄編でグランプリを獲得したことがきっかけで芸能界に入りました。書類がなくてもオーディションが受けられたので、30秒の自己PRだけで勝負しました。予選では得意のゴルフのスイングを披露し通過したのですが、次の本選では皆さんダンスや歌を披露していて「どうしよう」と焦った記憶があります。それでも私にはゴルフしかなかったので、実際にコースを回っている風のお芝居をして、またスイングを披露しました。
――オーディション会場にゴルフクラブを持ち込んで受けたわけですね。コースを回っている風のお芝居とは?
クラブを2本持ち込んで臨みました。お芝居は自分が試合に出ていると設定して、コースを回る前の挨拶からボールがカップに入るところまでを自分なりに演じました。私以外にゴルフクラブを持参して参加している人はいませんでしたね(笑)。
――ダンスや歌を披露される人が多い中、ゴルフのスイングを披露されて目立ったのではないでしょうか?
その時は「あぁ、私もダンスや歌を習っておけばよかった」と後悔しましたが、結果的にゴルフのスイングが良かったよとあとから聞いて、ゴルフをやっていてよかったなと思いました。
オーディションは自身の持ち味を生かしてぜひチャレンジしてみてほしい
――今回、茅島さんが所属する事務所で、久しぶりの全国オーディションを開催するそうですが、そこでも王道のダンスや歌をやっていない方でも勝負できそうでしょうか?
まさにそうですね。特技がある方は難しく考えないでご自身の持ち味を生かしてぜひチャレンジしてみてほしいです。私もゴルフをやっていたからこそ、今、俳優として活動できているのでチャンスは誰にでもあると思います。
――ご自身がオーディションを受けた時に選ばれるためにどんなことを意識しましたか?
中学1年生の時に受けたので意識なんてしていませんでした。とにかくゴルフのスイングを一生懸命披露するというミッションに必死でした。でもゴルフをやっていたからこそ今がある、世界が変わったなと感じています。
――今回のオーディションにあたって、先輩としてのアドバイスがあればお願いします。
これもあとから聞いた話ですが、緊張しすぎて当時の私は顔が怖かったみたいです。小さいころからクールに見られがちなうえに笑っていなかったので、逆に目立っていたのかもしれません。今思えばもっと笑顔で楽しみたかったなと思います。とはいえ当日は余裕を持つことは難しいと思います。でも、笑顔は意識できると思うので、とにかく明るく楽しんでほしいなと思います。
オーディションで選ばれなかった時にすることとは?
――話題作への出演が続き、毎日忙しいかと思いますがスタイル維持やスキンケアのために気を付けていることを教えてください。
まずはお水をよく飲むように意識しています。一日にだいたい2リットルくらいは頑張って飲みます。あとは保湿ですね。お風呂上りは洋服を着る前に化粧水をつけるようにしています。肌トラブルがあればすぐに皮膚科に行きます。そのほうが治りが早いので皮膚科の先生に相談するようにしています。
――食生活はどうですか?
撮影に入ると体重管理をしなければいけないので、食事の全体量は気をつけています。朝と夜は少なめに、その分お昼でしっかり摂ったり、サプリを摂取したりと自分の中で工夫しています。そして撮影が終わったら故郷の長崎の食べ物や好きなものをご褒美として楽しんでいます。
――20歳とは思えない大人っぽさも魅力の茅島さんですが、ご自身として自分の強みやチャームポイントはどんなところだと考えていますか?
強みは好きなことに対して努力できるところです。そして負けず嫌いなのでオーディションで選ばれなかった時は「悔しい」で終わらせるのではなく、何が足りなかったのか、どうしたらもっとお芝居がよくなるかを研究して次の目標に向かって努力するようにしています。
――お芝居に対する向き合い方がかっこいいです。
自分の好きなことにはとことん向き合うタイプなので、役に入る前はそのキャラクターについて研究します。でも泣くシーンや感情を爆発させるシーンは深く考えず、現場の雰囲気やその時の自分の感情を頼りに演じています。これからも役作りに真摯に取り組み、いろんな役に挑戦していきたいです。
Profile
茅島 みずき
2004年生まれ。長崎県出身。「アミューズ 全県全員面接オーディション 2017 ~九州・沖縄編~」グランプリ受賞。主な出演作は、ドラマ「ここは今から倫理です。」「連続テレビ小説 おかえりモネ」(2021)、「卒業式に、神谷詩子がいない」「教祖のムスメ」(2022)、「明日、私は誰かのカノジョ Season2」(2023)、舞台「Romeo and Juliet –ロミオとジュリエット–」(2021)、映画『女子高生に殺されたい』(2022)、『交換ウソ日記』(2023)など。また、「ゼクシィ」14代目CMガールほか、多数のCM・広告に出演中。
■AMUSE AUDITION 2025「It’s ME~心躍る人生~」
募集期間:2024年12月3日~2025年3月2日(日)まで
<アーティスト応募に関して>
・性別、国籍、ジャンル不問(応募時点で6~30歳) ※未成年は親の承諾が必要
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<マネージャー・スタッフ応募に関して>
アーティストと一緒にエンターテインメントを世の中に届けたい、熱い想いを持っている方
撮影/芝山健太
取材・文/安田ナナ
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