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面接で稀に「苦手な人はどんな人ですか?」「どんなタイプの人が苦手ですか?」と質問されることがあります。正直、「どんな意図で聞いているの?」と意図がわからず、答え方に悩んでしまいますよね。
ネガティブな要素を含むこの質問には、どう答えていいのかいまいちよくわからないのではないでしょうか。
苦手なタイプを正直に言ってしまっては、マイナスに受けとられてしまうかもと危惧する人もいるはずです。そこでこの記事では、苦手なタイプをたずねる面接官の意図や回答のコツを、わかりやすい例文をもとに徹底的に解説します。ぜひ自分の回答を作る参考にしてください。
【質問の意図】なぜ面接官は「苦手なタイプ」を質問するのか?
そもそも、なぜ面接官は「苦手なタイプ」について質問するのでしょうか。仕事とダイレクトにかかわらない質問であるため、質問の意図がわからない人もいますよね。
しかし、選考でされるすべての質問には必ずきちんとした意図があります。「苦手なタイプは?」という質問も、知りたいことがあってたずねているのです。
まずは、面接官が「苦手なタイプ」について質問する意図を知ることから始めましょう。採用側の考えに触れることで、どんな回答を準備すべきかが見えてくるはずです。
①苦手な人にも上手に対処できる人間かを確認したい
仕事をする上では、苦手な人と仕事をすることもあります。学生では通用したこともあったかもしれませんが、会社においては「苦手だからこの人とは一緒にやりたくありません」は通用しません。
なぜなら、苦手という理由だけで職場や同僚を変えることは、基本的にできないからです。人事異動はだいたい2、3年おき、長いときは5年おきといった場合もあります。数年に渡って同じ人と仕事をしなければいけないので、苦手な人ともうまくやることが必然的に求められています。
だから、人事は「苦手な人はどんな人なのか」を聞き、就活生がどんな人を苦手と感じ、その人にどう対処するのか?を確認することで、就活生が「苦手な人とも一緒に仕事をやっていける人間か」どうかを確かめようとしています。
②学生の人柄を知りたい
「どんな人が苦手か」には、学生の人柄・性格が現れます。たとえば、「ルーズな人が嫌い」なら、「几帳面なタイプなのかな」と考えられますよね。
「苦手なタイプ」からは、学生の人柄・性格が見えてきます。しかも、「自己PR」「自己紹介」のような定番の質問ではないので、学生の素の反応が引き出せます。だから、企業は「苦手な人」を聞いて、その回答の裏側にある「学生の人柄・性格」を知りたいと考えています。
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苦手なタイプを質問された時の回答例
苦手なタイプも、きちんとあなたを自社に迎えるかどうかを判断するための質問であることがわかったのではないでしょうか。
次に悩むのは、苦手なタイプについて質問された時にどう答えればいいか。特に「苦手」というネガティブな要素を含む内容のため、どのように答えればいいのかわからない人も多いはずです。
ここからは「苦手なタイプ」の回答例を、例文を参考にして順を追ってみていきましょう。ここを読めばどのような回答w作ればいいかがわかるはずですよ。
私はいい加減な人が苦手です。約束したことをやらなかったり、時間の期限を守らない人を少し苦手に感じています。
学生団体のリーダーをしていた時、作業を振ると「はい、すぐに終わらせます」と色良い返事をするのに、期限前になっても全く作業が終わっていない…というタイプの学生に苦労をしました。
ただ、腹を立てていても仕方がないと思い、最近では「最悪の場合、どのくらい作業にかかりそう?」と聞き、正確な作業見積もりを把握するよう勤めています。
仕事において、苦手な人と接するのは当たり前なので、そういう人と上手く折り合いをつけられるようにしたいと考えています。
①まずは結論から始める
私はいい加減な人が苦手です。約束したことをやらなかったり、時間の期限を守らない人を少し苦手に感じています。
まず、結論から述べましょう。「どのようなタイプが苦手なのか」を冒頭で明確に言うことで、ここから始まる話を聞き手が理解しやすくなります。
ポイントは、端的に伝えることです。始めから長尺で言ってしまうと、つい否定的で余計なことを言ってしまいがちです。シンプルに「〜な人は苦手です」と伝え、その後の理由やエピソードにつなげていきましょう。
②納得できる理由を述べる
約束や期限を守らないことで、制作物などのスケジュールに影響が出てしまった経験があるからです。
企業は単に「あなたの苦手なタイプ」を知りたいわけではありません。苦手なタイプを知ることで、あなたの性格・人柄を把握しようとしています。
だから、単に「苦手な人はxxな人です」と答えるだけでなく、「なぜ苦手なのか?」理由もあわせて説明するようにしましょう。
過去の経験からそう感じるようになったのか、自分の性格とは正反対だから苦手なのか…面接官が納得できる「苦手な理由」を説明できるようにしてください。
③そう感じたエピソードを紹介する
学生団体のリーダーをしていた時、作業を振ると「はい、すぐに終わらせます」と色良い返事をするのに、期限前になっても全く作業が終わっていない…というタイプの学生に苦労をしました。
苦手という理由を補強するために、そう感じたエピソードを紹介しましょう。実際に経験した話を取り入れることで、なんとなく苦手というわけではないことがわかります。
企業は苦手なタイプそのものを知りたいわけではありません。理由なく苦手だというだけでは、企業の意図をくみ取れていない回答になってしまいます。
エピソードによって苦手であることの説得力も上がるうえ、オリジナリティが出る回答となります。
エピソードを作るときのポイントは、聞き手が想像しやすいように、具体的に過去の出来事を掘り下げていくことが大切です。まずは苦手なタイプとのかかわりを思い出し、どういう場面で「苦手だ」と感じたのかを思い出していきましょう。
結論の伝え方と同様、簡潔に伝えることを意識して回答を作りましょう。
④自分なりの対処法を説明する
ただ、腹を立てていても仕方がないと思い、最近では「最悪の場合、どのくらい作業にかかりそう?」と聞き、正確な作業見積もりを把握するよう勤めています。
仕事において「あの人は苦手だから、一緒に仕事をしたくありません」は、当然許されません。どんな人とでもチームを成立させ、成果をあげなければなりません。
そのため、単に「こういう人が苦手です」と答えるだけでなく「そういうタイプにはこんな風に対応するようにしている」と、あなたなりの対応法を語りましょう。
苦手な人への対応法を語れば、面接官は「この就活生は、苦手な人とも折り合いをつけて仕事を進められそうだ」とプラスに評価します。
例文のように、あなたなりの「苦手な人への対応法」を答えられるようにしておきましょう。
⑤仕事への活かし方で締める
仕事において、苦手な人と接するのは当たり前なので、そういう人と上手く折り合いをつけられるようにしたいと考えています。
最後は、仕事での活かし方を伝えて締めましょう。採用側は「あなたは苦手な人ともうまくやっていけるのか」といった点を知りたいと考えています。
だからこそ、「苦手です」で終わらせるのではなく苦手なタイプだとしても向き合っていけることを示す必要があるのです。ここでは仕事に置き換えた言い方や未来が想像できるような伝え方で締めくくりましょう。
たとえば、ミーティングや資料作成など実際に起こりうる業務を挙げてみると、企業としても入社後の姿をイメージしやすいです。
「仮にうちに苦手なタイプがいてもやっていけそうだな」と面接官に思ってもらえるように回答を作成していきましょう。
「苦手なタイプ」を伝える前にやっておくべき事前準備!
苦手なタイプについて伝える前に、やっておくべき事前準備があります。それは、価値観の明確化と過去を思い出すことです。
この準備をやらなければ、苦手なタイプの回答作成どころか本来の苦手なタイプがわからないということもあり得ます。また、回答でもあなたらしい回答が作りやすくなり、より相手が納得しやすい回答へとレベルアップできるでしょう。
準備をせず、本番の面接で「苦手な人」について咄嗟に聞かれると、ついネガティブなことを言ってしまうことも考えられます。事前にしっかり用意して、面接に挑みましょう。
苦手の価値観をはっきりさせておく
苦手なタイプを見つけなければ、そもそもこの質問の回答すらできません。そのためには自己分析が重要です。
自己分析をすることで苦手なタイプが見つかりやすくなります。さらに苦手な理由まで明確になるので、説得力をアップさせたりするのにも効果的。回答に必要な事項が一度に見つかります。
まず「苦手なタイプ」を見つけるためには、過去の出来事で自分が「モヤッ」とした出来事を探しましょう。たとえば、「直接的にはっきりと言われてムカついた」「相談せずに勝手な行動をした友達に腹が立った」など、「モヤッ」とした具体的なエピソードを掘り下げていきます。
「なぜ腹を立てたのか?」といった問いは、自分の価値観を知る大切なポイント。どのような場面や言動で怒りを感じたのかを思い出し、整理していきましょう。
苦手タイプと遭遇した状況や対処の仕方を思い返す
苦手なタイプそのものと、どんな時にそう感じたかだけでなく、苦手なタイプに遭遇した時にどのように対処したのかも思い返しておきましょう。
過去の出来事を掘り下げて話すことで、オリジナリティが出る回答が作れて、より説得力が増します。
企業は苦手なタイプそのものを知りたいわけではありません。
「〜な人が苦手です」だけで終わってしまうと、「苦手なままでこの人は何も対処しないのか」と判断されてしまうリスクがあります。
会社という組織で働くにあたって、苦手をそのままに長く働くことは難しいのではないでしょうか。また苦手を克服するために努力できる人は、入社後に困難なことがあったとしてもめげずに立ち向かえるだろうととも想像できます。
だからこそあなたなりの苦手な人への対処方法を伝えることが重要なのです。回答を作る前に、対処の方法を思い返しておきましょう。
苦手なタイプを質問された時の答え方
ここまでは苦手なタイプを質問された時の回答の仕方について紹介してきました。ここからは実際の例文をみていきましょう。回答作りのヒントが隠されているかもしれません。
ぜひ参考にしてみてください。
知らないと言わない
私が苦手なタイプは「わかっているから大丈夫です」と言って、知らないことを言わない人です。
最初から「わかりません」と正直に言ってくれれば、こちらとしても別の人を探したり、教えたりの対処のしようがあるのですが、「大丈夫」と言われて任せてみたら、実は全くわかっていなかったために、とんでもない状況になっていたり、全く手つかずだった場合、期限に間に合わないと周囲にも迷惑がかかります。
学生時代に何度かそういうタイプの人とトラブルがありましたが、自分にもそういった人に対する対処で悪い点があったと反省しました。
以降は、人に任せっぱなしにしないで一緒に準備をしたり、進捗状況をこまめに聞いたりするようにして、直前に慌てて対処する必要がないよう、期限に余裕を持って行動するように心がけています。
相手だけが悪いのだけではなく、自分が違う行動をとることによって、トラブルを避けられたということがしっかり伝わってきます。
仕事上で同じような状況になっても「納期に遅れることなくきちんと対処できそうだ」、と好印象を持たれやすいです。
自分の話ばかりをする
私は、自分ばかり話す人が苦手です。自分の話ばかりして、相手が話をふってくれなかったり、やっと私が話し始めても、すぐに自分の話をかぶせてくる人がいると、何も言えなくなってしまいます。
私自身があまり自分から積極的に話せるほうではないので、話を振られてから、初めて自分の意見を言えるタイプなのも問題なのかもしれません。
社会人になるにあたって、いつまでも受け身に相手が話を振ってくれるのを待つのではなく、自分からもできるだけ会話ができるようにしたり、上手に間を見計らって、自分の意見を言えるようになれば、苦手意識もなくなるのではないかと考えています。
苦手なタイプを分析し、社会人になることを期に、その問題がなくなるよう自分の行動を変えるとアピールできています。
問題が起きても、他人のせいにせず、責任をもって任務を遂行できそうという好印象を持ってもらえるでしょう。
指摘に対して言い訳ばかり
私は、指摘に対して言い訳ばかりする人が苦手です。注意したことを受け止めない態度を見てしまうと、人が何も言えなくなり、空気が悪くなるからです。
私が所属するサークルでは、ルールがあります。私は部長なので、メンバーがいつも心地よく参加してもらえるように心がけています。
あるとき私は、規範に反する行動をとる後輩に「それはルール違反だよ」と注意すると、言い訳をされ、何も言えなくなりました。
ただ規律違反は悪いことであり、そこには自信があったため、そこであきらめるのではなく、後輩が規律を破ったときは何度もきちんと注意をするようにしました。加えて言い訳をする理由もしっかり聞くように変えたところ、その後輩は指摘に対して自分の意見があることにも気がつきました。
後輩の言い分も理解したうえで、改めて規律を守ってほしいことを伝えると、その後輩は以後規律違反をすることが無くなりました。
仕事においても、明らかにルール違反のことは改善を信じてまっすぐ伝えていきます。また彼らの意見や考えにも耳を傾けるようにして、お互いが不満をもたないようなチームづくりをしていきたいと考えております。
「何も言えない」からきちんと主張は伝えることにしたのも素晴らしいですが、相手の考えも汲み「話を聞く」という対応もプラスでしていることが高評価です。
リーダーとして活躍してくれそうな人だと判断でき、期待持たれる可能性があります。
愚痴や不満が多い
私は、愚痴や不満が多い人が苦手です。文句が多い人は、悪いところばかり見ていると思うからです。
私の友人は、都合の悪いことが起きると、すぐに愚痴や不満を言います。最初はただ聞いていただけですが、それだと現状は変わらないと思い、私はポジティブな点に目を向けるよう提案や助言をおこないました。すると以前よりも友人の愚痴や不満が減るようになり、会話をしていても楽しいと思うことが増えていきました。
今後仕事をする際に、愚痴や不満ばかり言う人がいても、肯定的な視点で解決策がないか一緒に探し、寄り添って話をしていきたいと思います。
愚痴が多い人を批判をせず、良い人間関係へと発展させた点が評価できます。
同調的な態度から、肯定的な提案や助言をする態度へ変化させたところも好印象です。
締めくくりの言葉からも、「仕事でも活かしてくれそうだな」と面接官に期待してもらえるでしょう。
自慢が多い
私は、自慢が多い人が苦手です。自分の話ばかりで、退屈に感じてしまうからです。
アルバイト先で自慢が多い先輩がいました。私は自慢に飽き飽きし、あまりその人の話を聞きたい気持ちになれませんでした。
ですがある時、「他者の話からも学べることがある」と本で知り、その日から「先輩の話からも学びがあるかもしれない」と思い、態度を改めて話をよく聞くようにしました。すると、その先輩への苦手意識は徐々になくなり、より良い関係になっていった経験があります。
私は「人の話の中にも学びがある」ということを学生時代に知りました。今後仕事においてもその姿勢を忘れず、仮に苦手なタイプの人がいたとしても、その人の良いところや学べるところを探してみる努力を欠かしません。
苦手なタイプの話であるにもかかわらず、全体的にポジティブな印象で話がまとまっています。
過去の経験から学びにつながり、今後も活かしていきたい気持ちが表れている点も評価できるでしょう。締めの部分からも、仕事でも良い人間関係を築いてくれそうな感じが伝わります。
遅刻癖がある
私は、遅刻癖がある人が苦手です。なぜなら、遅刻が多いことは人に迷惑をかけてしまう失礼な行為だと思うからです。
私には遅刻癖がある友人がいます。時間になっても現れず、いつも遅れてきます。実際に、友人と旅行に行ったときに遅刻したせいで、各所に連絡しさまざまな予定を変更したりキャンセルしてもらう羽目になりました。
それからは、私は予定よりも早く待ち合わせ時間を設定するようにしています。実際そうするようになってからは、その時間よりはやはり遅れて到着はしてしまうものの、予定がずれて各所に迷惑をかけることはなくなりました。
仕事においても、遅刻は大きな信頼の喪失につながるはずです。自分も含め、予定よりも早めに集まることを心がけて仕事に向き合っていきます。
遅刻する人への解決策を自分で見つけた点が評価できます。
また、提案できる姿勢を示すことで、困ったときに頼りになる人材かもしれないと思ってもらえるでしょう。エピソードから、責任感も伝わってきます。
人の意見を否定しがち
私は、人の意見を否定しがちなタイプは苦手です。チームがポジティブな雰囲気でも、ネガティブな空気に変わってしまうからです
私はサークル活動でサッカーをしています。その中に人の意見を否定しがちなメンバーがいました。「次は〇〇に挑戦してみよう!」と一丸となって頑張ろうとしていたとき、その人が「いや、〇〇は無理だよ」と否定的な意見をしたことでチームの活気がなくなりました
私は、否定しがちのその学生に、なぜそう思うのかをよく聞き、「〜という良さがあると思わない?」と提案していきました。その結果、その人の考え方も変わり、チームとして新しい挑戦ができました。
仕事で否定しがちな人がいれば、その人の考えをしっかり聞き、メリットに気づいてもらえるよう提案し、チーム全体がポジティブな雰囲気でいられるよう心がけていきたいです
否定しがちの人に、物事の良い面に目を向けるように提案した点が評価できます。
チーム全体だけでなく、個人にも配慮できる人材だとわかるところも好印象です。仕事でも、やる気のある前向きな職場作りに貢献してくれそうだと面接官に思ってもらえるでしょう。
苦手と言っても大丈夫! アピールにつなげるコツ
「苦手」はそもそもネガティブな言葉であり、「苦手」と言ってしまうと「じゃあだめだ」などとマイナス評価につながるのではと心配になる人もいるでしょう。しかし、自分の「苦手なタイプ」の回答や傾向がアピールとしてプラスの評価につながる場合もあります。
ここからは、そんな苦手なタイプをそもそもネガティブにとらえさせず、アピールにつなげるためのコツについて具体的に紹介していきます。
社風や環境にマッチしていることを伝える
たとえば「いい加減な人が苦手」なのであれば、すなわち「この人は几帳面な人なんだな」と捉えられますよね。志望する企業や職種が「几帳面な人」を求めている場合、「苦手なタイプ」の傾向から、その学生が会社に合っていることがわかります。
「苦手なタイプ」からはあなたの人柄が見えてきます。そうして見えた人柄が企業にマッチしている場合は、苦手というネガティブな要素が逆にアピール材料となるのです。
自己PRの内容と関連させる
「いい加減な人が嫌い」な人であれば、その人は「几帳面」な人なのだろうと予測ができますよね。ということは、その人は自分の強みとして「几帳面である」ことを押し出していれば、その人の人柄として一貫性があり納得感がもてます。
もし、聞き手が違和感と矛盾を感じると、選考内で話した内容に一貫性がなくなり、「本当のことを言っているのかな?」と疑問に思われてしまうリスクがあります。「自己PR」と「苦手な人」に誤差が出ないようにしましょう。
また、逆に自己PRから逆算して苦手なタイプを見つけておくと、回答を考えるのも簡単になります。たとえば「几帳面」なところが自分を長所だと気づけば、その逆の「いい加減な人が嫌い」が苦手な人だとわかります。苦手と強みの関係性を認識したうえで、関連した内容で回答を考えましょう。
短所をカバーする回答を準備しておく
苦手なタイプには、あなたの「苦手なこと」や「短所」が現れてしまう可能性があります。「苦手」には、迷惑をかけられたからだけでなく自分ができないがために「苦手だ」と思うこともあるからです。
そのため、自分の「苦手なタイプ」から想定できる短所に対して事前にカバーできるような回答を準備しておきましょう。
何でも仕切ってくる人が苦手です
と言うと、「自分から決められないタイプなのかな…」「リーダーシップがないタイプなのかな…」「引っ込み思案なのか」という印象を持たれる可能性があります。こういった短所に見られそうな部分をカバーできるように言い換えてみましょう。
たとえば、「何でも仕切ってくる人」は「指示が高圧的な人」と言い変えてみます。自分が決められないのではなく、あくまでも相手の言い方によるものだということが伝わりますよね。
聞き手に自分がネガティブに受け止められてしまいそうな伝え方はなるべく避けるようにしましょう。
またこの場合、面接官から「あまりはっきり物事を決めるのは苦手ですか」という質問がされることも考えられます。こういった質問に備えた回答を考えておくのも手です。
苦手なタイプを質問されたときの注意点
苦手なタイプを質問されたとき、いくつか注意する点があります。
「苦手なタイプ」は十分アピールにつなげられる質問ですが、答え方によっては聞き手に悪い印象を持たれる恐れがあります。ここで失敗してしまいアピールにならないのは避けたいですよね。
ここからは回答時の注意点を解説していきます。面接本番でマイナス評価になりそうなところをなくし、好印象な回答を作っていきましょう。
苦手な人はいません!はうそ臭い
就活生の中には「苦手な人はいません。どんな人にもその人なりの良さがあると思っています」と答える人もいます。しかし、それはうそ臭く、あまり良い回答ではありません。
どんな人でも苦手なタイプは必ずいるはず。面接官は、あなたがその苦手なタイプへどう対処するかを知りたいのです。「苦手な人はいません」は意図を無視した回答になるので避けましょう。自己分析をしたうえで自分の苦手なタイプを考えてみてください。
私は苦手なタイプの人はいません。どんなタイプの人ともうまくやっていける自信があります。
相手を非難する言い方や関係性を絶つ対応は避ける
苦手な人の話をする際は、どうしても悪口のようになってしまいがちですが、できる限り相手を非難するような言い方や、距離を置く、かかわらないといった関係性そのものを絶つ対応を述べるのは避けましょう。
面接官が知りたいのは、あくまでも苦手な人とどのように付き合っていくのかということであり、どんな人が嫌いなのかを知りたいわけではありません。
自分の苦手な人を徹底的に避けるような対応を述べるのは、「自分の嫌なことからは逃げる人」などと悪い印象を持たれてしまうことも考えられます。
そのため、マイナスの印象を持たれるような回答は避け、苦手な人とでも協力関係を築けるという前向きなアピールにつなげるように話しましょう。
そうすることで、悪口のようになりがちな苦手な人の話であっても、好印象につながるような話にできます。
自分と合わないだけであり「悪い人」ではない
苦手な人のタイプを考える上で大切なのは、苦手な人は自分と合わないだけであり、必ずしも悪い人ではないと理解することです。
苦手な人は悪い人、嫌なヤツなどと決めつけてしまうと、人間関係が極端に希薄化し、自分の可能性を狭めてしまうことも考えられます。
そのため、苦手だからといって避けるのではなく、なぜ合わないのかを客観的に考え、上手な付き合い方を面接では述べられるようにしましょう。
後ろ向きな対処法を語る
後ろ向きな回答は、ポジティブな言い回しに変更していきましょう。
たとえば、「決断力がないタイプが苦手」と話したときに、その対処法として「決断力が遅くてイライラしたから早くしろと言った」と語ってしまうのはあまりよくありません。自分勝手で根本的解決を試みていないからです。
このような、根本的解決になっておらず後ろ向きでネガティブな言い方になってしまうと、「苦手」というネガティブな内容がただ印象悪く相手に受けとられることになってしまいます。
「決断に時間が掛かっていて、AとBのプランを提案した」など、具体的かつ肯定的な伝え方を意識していきましょう。
また「なんとなく受け入れた」というような後ろ向きな対処法も避けるべきです。対処に向けて前向きに努力できないことが感じられ、仕事においてもなんとなくでやる気を起こさないのではと感じられてしまいます。
当時の状況を振り返るなどして、自分の正しい思考を整理してみてください。
「なんとなく苦手」に終始する
苦手な人のタイプを聞かれたとき、「なんとなく苦手」という理由だけでは面接官に納得してもらえず、面接での評価も上がりません。
面接官は苦手な人のタイプを聞くことで、苦手な人ともうまく仕事をやっていけるのか確かめようとしているため、「なぜ苦手なのか」「どこが合わないのか」を明確にしておく必要があります。
たとえば、ただ単に「時間を守らない人が苦手」と話すのではなく、過去の自分の経験談や、なぜ時間を守らないことが嫌なのかを合わせて話すようにすれば、具体的な話の内容になります。
また、苦手な理由やどこが自分の性格と合わないのかをきちんと理解しておけば、苦手な人とうまく付き合っていくための対応も考えやすいでしょう。
苦手な人のタイプを聞かれた際は、「なぜ苦手なのか」「どこが合わないのか」「どのように付き合っていくのか」を具体的に述べることを意識しましょう。
「苦手なタイプ」は答え方次第で自分のアピールへと変えられる!
苦手なタイプを聞かれることに、どのように回答すればいいのか困惑している人も多いでしょう。しかし企業は苦手な人がいることそのものをネガティブにはとらえません。苦手な人との向き合い方や対処をポジティブにできていることが伝えられていたら大丈夫です。
また苦手な人の傾向から企業にマッチしているなど、答え方次第で自分をアピールすることもできます。この記事で紹介した例を参考にしながら、価値観を整理したり、過去を思い返したりして、自分だけの回答を作っていきましょう。
【39点以下は危険度MAX】
本番前に、面接偏差値を診断しておこう
今年はweb面接をおこなう企業も増えていますが、自分の弱点を把握し適切に対策しなければ、どんな形式であれ面接を突破することはできません。
そこで活用したいのが、面接偏差値診断ツールの、「面接力診断」です。
24の質問に答えるだけで、自分の強みと弱みをグラフで見える化できます。
診断であらわになった自分の弱点を効率的に対策し、志望企業の面接を突破しましょう。