円安なのに株安の恐怖
2009年 02月 24日
バブル後の最安値を下回る水準まで下がった。
24日の終値は7268円で、
空前の7000円割れ目前の最低ラインにまで下がっている。
しかし私が今回の株安で恐ろしいと思うのは、
円安になっているのに株安になっている点。
最近の日本の株価は、
ほぼ為替レートに連動していた。
円高ドル安、円高ユーロ安になれば、
日本の輸出企業の利益が減るからといって株価は下がり、
円安にふれると株価は上がる傾向にあった。
ところが今回の株安は為替と連動していないのである。
1ドルは94円台で、
90円を割り込んだ円高より、
ここ最近では信じがたい円安水準だ。
ユーロも120円台で、120円を割り込む円高にはなっていない。
これまでだったら円安になれば株価は上がった。
しかし、ついに為替と連動しなくなった。
もはや「輸出企業の利益が減ったから株価が下がる」
という言い訳がなくなり、
本当の不況に突入したという可能性も高い。
まあ相も変わらず、アメリカの株価とは連動していて、
今回、株安になったのも、
前日のニューヨーク市場の株価が、
11年9ヵ月ぶりの安値をつけたからだ。
アメリカの株価が下がって円高になれば、
そりゃ、日本の株価も下がるだろう。
そう納得できた1つのファクターである為替が、
連動しなくなったのは、
今後の株価の動きが読みづらくなったので、
非常に恐い感じがする。
長期的に見れば1ドル=50円なんてのも、
当たり前の時代がやってくるとは思っているのだが、
さすがに世界を牛耳る胴元アメリカだけあって、
なかなかにしぶとく95円もしているのが驚き。
円安でも株価は下がるが、
もしドルの急落に見舞われたら、
日本の株価はどうなってしまうのか。
別に日経平均株価は、日本にある企業のなかで、
上場していてかつそのなかでも一部の企業だけの平均値だから、
株価水準が日本経済の全部を表しているわけではないにせよ、
いよいよ私が昨年予想した、
日経平均5000円台という空前の安値水準に、
転落していく可能性も高い。
大きく変動する株価に一喜一憂する経済システムを、
抜本的に変えないとまずいんじゃないか。
目先の株価を上げる対策では、
不十分なのではないかという気がしている。