やる気、つまりモチベーションは、脳の「側坐核」という場所でつくられます。側坐核とはとても小さな脳部位で、脳の中心近くに存在しています。実は、この側坐核の性質がやっかいなのです。側坐核を活動させるためには、ある程度の刺激が必要です。刺激がこないと十分な活動を起こしてくれません。
ですから、何もせずして「やる気が出ない」というのはもっともなことです。刺激を与えなければ側坐核は活動しないので、やる気の出ようがないのです。ですから、やる気が出ない時には、まずはなにより机に向かって勉強を始めてみましょう。とにかく、側坐核を刺激するのです。そうすると、次第にやる気が生じて勉強に集中できるようになっていきます。まさに、案ずるより産むが易しですね。たとえば、皆さんにも、嫌々ながら掃除を始めたにもかかわらず、そのうちに興にノッて、部屋をきれいにすっかり片付けてしまったという経験があるでしょう。
こうした現象は、心理学者クレペリンによって発見され、「作業興奮」と名づけられています。何事でも、始めてからしばらく経つと、少しずつ調子にノッて集中できるようになる。これが作業興奮です。側坐核が目を覚ますのには時間がかかります。とにかく、勉強を始める。そして始めたらしばらくは中断しないことが肝心です。
(東進 「池谷先生のカガクテキ学習法」Volo.1 作業興奮 より。太字は原文のまま)
(ずいぶん前にブックマークした記事だけれど、トップページを見ないまま「vol.1」のページをブックマークしていたので、「池谷先生」というのが脳科学者の池谷裕二氏だということに今日まで気付かなかった。てっきりここの予備校の「先生」だと思っていた。)
で、たばこのニコチンはこの側坐核を刺激するので、本来は作業を始めてから出始める「やる気」を、何もせずにただ座ってたばこを吸うだけ「よし!やるぞ」という気分に導いてくれる。でもニコチンが生む即席の「やる気」は一瞬しか持続しないのですぐに切れて、またすぐにたばこに手が伸びてしまう。
取り掛かれない時こそ、まずタバコ、じゃなくて、体を動かして取り掛かってみること。やる気は後から付いてくる。仕事も掃除も片付けも。
いや、わかってはいるんだけれど、掃除はともかく、物事の整理ができない私の場合、片付けは「いったいどうすれば…」と思考停止してしまって体が動き出せるところまでなかなか行かないので、いっこうにモチベーションが上がらず腰も上がらない。
そう言えば、片付けをあきらめて単純な掃除から取り掛かった時は、気が付いたらいつの間にか片付けに移行していてなんとかそれなりに仕上がることが多いような気がする。
いきなり「片付け」から取り掛かろうと思わず、まず掃除から手を付けてみよう。
(自分用覚え書き)