総合格闘技イベント「Yogibo presents RIZIN.49」が12月31日、さいたまスーパーアリーナで開催中。「RIZIN」にとって10周年となる今回は「RIZIN DECADE」と銘打った記念大会であり、同日には「雷神番外地」も行われた。
メインカードのフェザー級タイトルマッチ「鈴木千裕 vs. クレベル・コイケ」をはじめ、フライ級の「堀口恭司 vs. エンカジムーロ・ズールー」、ライト級の「ホベルト・サトシ・ソウザ vs. ヴガール・ケラモフ」と、3つのタイトルマッチを含む全14試合(RIZIN甲子園決勝を含めると15試合)。
ほかにも、RIZIN旗揚げ時から参加するベテラン・元谷友貴選手が、18歳の新星・秋元強真選手を迎え打つバンタム級王座次期挑戦者決定戦にも注目が集まる。
この記事では、タイトルマッチを中心に注目試合の結果を随時更新していく。
目次
- 1. 第1試合/大雅 vs. 梅野源治
- 2. 第2試合/貴賢神 vs. エドポロキング
- 3. 第3試合/武田光司 vs. 新居すぐる
- 4. 第4試合/矢地祐介 vs. 桜庭大世
- 5. 第5試合/神龍誠 vs. ホセ・トーレス
- 6. 第6試合/上田幹雄 vs. キム・テイン
- 7. 第7試合/福田龍彌 vs. 芦澤竜誠
- 8. 第8試合/YA-MAN vs. カルシャガ・ダウトベック
- 9. 第9試合/久保優太 vs. ラジャブアリ・シェイドゥラエフ
- 10. 第10試合/元谷友貴 vs. 秋元強真
- 11. 第11試合/伊澤星花 vs. ルシア・アプデルガリム
- 12. 第12試合/ライト級タイトルマッチ ホベルト・サトシ・ソウザ vs. ヴガール・ケラモフ
- 13. 第13試合/フライ級タイトルマッチ 堀口恭司 vs. エンカジムーロ・ズールー
- 14. 第14試合/フェザー級タイトルマッチ 鈴木千裕 vs. クレベル・コイケ
第1試合/大雅 vs. 梅野源治
RIZIN MMAルール:5分3R(61.0kg)
結果:大雅● vs. ◯梅野源治 ※判定
立ち技からMMAに転向した大雅選手と梅野選手。2人とってMMAデビュー戦となった試合は、梅野選手が積極的にタックルを仕掛け、グラウンドの攻防に持ち込もうとする展開に。一方の大雅選手もグラウンド勝負で粘りを見せるが、最終的に終始優勢だった梅野選手が判定で勝利した。
第2試合/貴賢神 vs. エドポロキング
RIZIN MMAルール:5分3R(120.0kg)
結果:貴賢神● vs. ◯エドポロキング ※1R3分22秒KO
190cmある貴賢神選手と204cmのエドポロキング選手によるヘビー級の一戦。そのサイズ感に観客が驚く、エドポロキング選手が積極的に攻める。コーナー近くで放った左右のフックによって貴賢神選手がダウン。エドポロキング選手が、1R3分22秒KO勝利でデビュー戦を飾った。
第3試合/武田光司 vs. 新居すぐる
RIZIN MMAルール:5分3R(66.0kg)
結果:武田光司◯ vs. ●新居すぐる ※テクニカル判定
グラップラー寄りのオールラウンダー同士によるフェザー級の一戦。1Rは、新居選手が開始早々にアームロックを極めかけ、そのままの状態で両者の攻防が続く。新居選手がさらに洗濯バサミも仕掛けるも極まらない。武田選手も強靭なスタミナを見せつけた。
2Rは打って変わってスタンディングでの攻防。1Rの疲れからか、コーナーで膠着状態が続く場面も。勝負は最終3Rへ持ち越された。
元同僚であり先輩と後輩という関係の両者は、抱き合ってから最後の5分間をスタート。武田選手が先輩・新居選手にがっちりつかみかかり身動きを封じる。そのままコーナーで膝やフックなど打撃を繰り出す。
互いが高い集中力を保っていた両者だが、残り約1分を残して、武田選手が2度のローブローによって試合続行不可能に。その時点までのテクニカル判定の結果、武田選手が勝利を果たした。
第4試合/矢地祐介 vs. 桜庭大世
RIZIN MMAルール:5分3R(71.0kg)
結果:矢地祐介● vs. ◯桜庭大世 ※1R26秒TKO
プロ41戦のベテラン・矢地選手が、プロデビュー戦の桜庭選手の相手をつとめる一戦。総合格闘家である“IQレスラー”こと桜庭和志選手を父に持つ、桜庭選手の未知数の実力に注目が集まった。
まさかの展開──互いに蹴りの攻防でスタートしたかと思った瞬間、桜庭選手の左ストレートが矢地選手を直撃。
そのままマウントポジションで追い打ちを仕掛けると1R26秒でTKO勝利。プロデビュー戦を勝利で飾った。衝撃的な結末に会場は大きくどよめいた。
第5試合/神龍誠 vs. ホセ・トーレス
RIZIN MMAルール:5分3R(59.0kg)
結果:神龍誠● vs. ◯ホセ・トーレス ※判定
RIZINフライ級の若手グラップラー・神龍誠選手が、バーレーンの総合格闘技団体・BRAVE CFの元バンタム級王者であるホセ・トーレス選手を迎え撃つ一戦。
1R。グラウンドとパウンドという共通の強みを見せる両者の戦いは、神龍選手が主導権を握る。リアネイキッドチョークは回避されるも、グラウンドの攻防から背後を取りながらチャンスをうかがう。
2R。スタンディングで互いに打撃の応酬。トレース選手がカーフキっっ苦などを織り交ぜながら、神龍選手もパンチを中心に対抗する打撃戦が展開。神龍選手のタックルを再びグラウンドで攻防を繰り広げ、今度はトーレス選手が極めかけるも、神龍選手も耐え凌いだ。
3R。神龍選手が攻撃をかわしながらタックル、そしてテイクダウン。しかし、逆にトーレス選手に背後を取られてしまう。ただ神龍選手も負けじと回避。どちらがいつ極めるのか──緊張感のある時間が続くもここでゴング。
判定の結果、トーレス選手が勝利した。
第6試合/上田幹雄 vs. キム・テイン
RIZIN MMAルール:5分3R(120.0kg)
結果:上田幹雄◯ vs. ●キム・テイン ※2R2分31秒KO
共にフィッシュ率100%を誇る、ヘビー級ストライカー同士が激突した。
1R。互いに強みを持つ打撃戦で幕を開けた一戦は、キム・テイン選手が比較的有効打を放ちながら攻める展開に。一方、上田選手もハイキックを連続で当て反撃。顔面にパンチを当て、キム・テイン選手がよろめくも極まらない。
2R。それぞれが相手にダメージを与える打撃を当てながらも、どちらも倒れない。しかし、両者スタミナが切れかけたかと思った瞬間、コーナーで上田選手の膝がキム・テイン選手の顔面を直撃して勝負あり。
2R2分31秒KO勝利。上田選手が重量級の一戦で強さを見せた。
第7試合/福田龍彌 vs. 芦澤竜誠
RIZIN MMAルール:5分 3R(61.0kg)
結果:福田龍彌◯ vs. ●芦澤竜誠 ※1R54秒KO
11月の「RIZIN LANDMARK 10 in NAGOYA」で劇的な勝利を挙げた芦澤選手が大晦日の舞台で、RIZIN3度目の出場となる元修斗、現DEEP王者の福田選手と対峙した。
1R。距離感を探り合う展開。しかし、静かなスタートから一転、急激に距離を詰めた福田選手が放った左ストレートが、芦澤選手の顔面にヒット。1R54秒で圧巻のKO劇を演出した。
第8試合/YA-MAN vs. カルシャガ・ダウトベック
RIZIN MMAルール:5分3R(66.0kg)
結果:YA-MAN● vs. ◯カルシャガ・ダウトベック ※判定
RIZINの誇るフェザー級ストライカー同士が激突した一戦。YA-MAN選手はフィニッシュ率100%、ダウトベック選手は93%と高い試合決定率を持つ2人だけに、KO決着に期待がかかった。
1R。YA-MAN選手が先制パンチ。互いに的確に距離を保ちながら、自分の間合いと見るや一撃を放つ展開。互いにラッシュを繰り出すと、ダウトベック選手がタックルからテイクダウン。激しいパンチの撃ち合いで、たびたびよろめく2人。共にダメージが蓄積していく。
2R。ベストな間合いを探る勝負。YA-MAN選手が打撃を当てながら、じりじりと追い詰める。たまらずダウトベック選手はテイクダウン。ダウトベック選手に疲れが見えはじめる。それでもタフな両者は、顔面にパンチをもらいながら耐え抜く。
3R。ダウトベック選手の左を警戒しながら攻めるYA-MAN選手。YA-MAN選手がラッシュを当てると、ダウトベック選手がテイクダウン、そこからダウトベック選手の次の一手がない……という展開が続く。残り1分でも展開は変わらず決着は判定へ。
有効打の多さか、判定の結果、ダウトベック選手が勝利を獲得した。
第9試合/久保優太 vs. ラジャブアリ・シェイドゥラエフ
RIZIN MMAルール:5分3R(66.0kg)
結果:久保優太● vs. ◯ラジャブアリ・シェイドゥラエフ ※2R2分30秒TKO
連勝記録を維持して無双状態のグラップラー・シェイドゥラエフ選手に、RIZIN5連勝とストライカーとして覚醒した感のある久保選手が挑むフェザー級の一戦。
1R。久保選手のハイキックに対して、シェイドゥラエフ選手も打撃で対抗する。シェイドゥラエフ選手がテイクダウンをきめ、自分の展開に持ち込もうとする。久保選手も抵抗するが抜けられない。
パウンドを当てられるも粘る久保選手。一方的にパンチを浴びせられ続けるも、なんとか耐え抜いて第2Rへ。シェイドゥラエフ選手にとってはRIZIN初の第2Rとなった。
2R。ダメージが尾を引いている様子の久保選手に対し、シェイドゥラエフ選手はスタンディングで打撃を浴びせる。そしてテイクダウン。またパウンドを浴び続け、耐える時間が続く。
ここでレフェリーストップ。シェイドゥラエフ選手が2R2分30秒でTKO勝利を飾り、パーフェクトレコードを継続した。
第10試合/元谷友貴 vs. 秋元強真
バンタム級王座次期挑戦者決定戦
RIZIN MMAルール:5分3R(61.0kg)
結果:元谷友貴◯ vs. ●秋元強真 ※判定
RIZINバンタム級次期挑戦者決定戦として、RIZIN旗揚げ戦から参戦するベテランの元谷選手と、RIZINデビューから連勝中の18歳・秋元選手が激突した。
1R。積極的に打撃を放つのは秋元選手。パンチやカーフキックを当てながらペースを掴もうとするも、元谷選手も対抗してペースを握らせない。本谷選手がテイクダウン。しかし、こちらも極めさせない。
2R。元谷選手が早速タックルからテイクダウン。一本を狙いにかかる。背後を取られ両足で身動きを封じられた秋元選手は防戦一方に。何度も抜け出そうとするが、元谷選手がそうさせない。秋元選手はほぼ4分間同じ態勢のまま耐え切った。
3R。タックルをさせまいと膝蹴りを放つ秋元選手。その後も的確に膝を当てていたが、元谷選手のタックルが決まりテイクダウン。またもや秋元選手の動きを4の字フックがっちり封じる。ぼどけない。そのままゴング。
判定の結果、元谷選手が勝利。現RIZINバンタム級王者・井上直樹選手への挑戦権を得た。そしてその後、榊原CEOと井上選手がリングに上がると、2025年3月30日のRIZIN香川大会での決戦が決まった。
第11試合/伊澤星花 vs. ルシア・アプデルガリム
RIZIN MMAルール:5分3R(49.0kg)
結果:伊澤星花◯ vs. ●ルシア・アプデルガリム ※1R2分21秒一本
RIZIN女子スーパーアトム級の一戦として、同階級の絶対王者・伊澤選手とアルゼンチン出身のアプデルガリム選手が激突した。
ストライカーのアプデルガリム選手に対して、グラップラーの伊澤選手が仕掛ける。三角絞めからアームバーを繰り出して極める。1R2分21秒で見事一本勝ちを収めた。
第12試合/ライト級タイトルマッチ ホベルト・サトシ・ソウザ vs. ヴガール・ケラモフ
RIZIN MMAルール:5分3R(71.0kg)
結果:ホベルト・サトシ・ソウザ◯ vs. ●ヴガール・ケラモフ ※1R4分45秒一本
RIZINライト級のタイトルマッチは、サトシ選手にとって2024年3度目の防衛戦。対するは元フェザー級王者のケラモフ選手。サトシ選手がRIZIN最多4度目の王座防衛に成功するのかに注目が集まった。
1R。散発的にカーフキックや前蹴りで牽制し合う両者。ケラモフ選手の前蹴りがボディに。その直後、サトシ選手がタックルからテイクダウン。抜け出たケラモフ選手とパンチの応酬に。
スタンディングの状態からサトシ選手が再びテイクダウン。しかし、ケラモフ選手が逆にテイクダウンを決める。下になったサトシ選手だったが、そこから巧みな動きで三角絞めを極めた。1R4分45秒での一本勝ち。RIZIN最多となる4度目の王座防衛に成功した。
第13試合/フライ級タイトルマッチ 堀口恭司 vs. エンカジムーロ・ズールー
RIZIN MMAルール:5分3R(57.0kg)
結果:堀口恭司◯ vs. ●エンカジムーロ・ズールー ※判定
RIZINフライ級タイトルマッチ。RIZINが格闘技イベントとして世界からリスペクトされる要因の一端を担う現王者・堀口選手が、9月に鮮烈なRIZINデビュー戦を飾ったズールー選手を迎え撃つ。
1R。ズールー選手がリーチの長さを活かして堀口選手を間合いに入れさせない。しかし堀口選手がテイクダウン。ズールー選手を持ち上げた瞬間、会場からは歓声が上がる。
巧みに押さえ込もうとするもズールー選手がなんとか回避。逆にズールー選手がテイクダウンも、さらに堀口選手が締めにかかる。スタンディングで互いにダメージを与える一撃を放つも2Rへ。
2R。堀口選手がテイクダウン。ズールー選手も押さえ込まれながら長い手足で抵抗する。堀口選手が上、ズールー選手が下の状態のまま、グラウンドの攻防が続くもブレイク。するとスタンディングからズールー選手が有効打を放つ。
3R。積極的に打撃を放つズールー選手の動きを、堀口選手がテイクダウンで止める。スタンディングの打撃戦を経て再びグラウンドの攻防。堀口選手がパウンドの連打、ズールー選手が耐える。そのままゴング。結果は判定へ。
判定の結果、堀口選手が勝利。フライ級王座の防衛に成功した。
第14試合/フェザー級タイトルマッチ 鈴木千裕 vs. クレベル・コイケ
RIZIN MMAルール:5分 3R(66.0kg)
結果:鈴木千裕● vs. ◯クレベル・コイケ
RIZINフェザー級タイトルマッチ。鈴木選手は現王者、クレベル選手は挑戦者──両者は2023年6月の対戦時から立場を逆転させて、2024年の大晦日に再び激突した。
1R。鈴木選手がカーフキックで間合いを詰めていく。クレベル選手がタックルからテイクダウンを狙うも鈴木選手も対応してきる。鈴木選手が的確に打撃を当て、力の入ったカーフキックも炸裂。
しかしクレベル選手のテイクダウンによってグラウンドの展開に。上からパンチを顔やボディに放っていくクレベル選手。足を取ろうとするクレベル選手だったが、鈴木選手からかかと落としを繰り出され極まらない。
2R。鈴木選手をコーナーへ追い詰めるクレベル選手。動きを封じながらグラウンドの展開に持ち込む。マウントポジションのクレベル選手はパウンド、そして三角絞めを狙うも鈴木選手が見事回避。グラウンドの攻防は続き、クレベル選手が組みで鈴木選手を自由にさせず、試合の主導権を握る。
3R。最終ラウンドがはじまった時、すでに2025年を迎えていた。蹴りやパンチでクレベル選手をロープ際に追い込む鈴木選手。それでもタックルからグラウンドの展開に持ち込んだのはクレベル選手。
しかし、上となった鈴木選手がパウンドを繰り出す。対するクレベル選手も三角絞め。極まったかに思えたが抜け出た鈴木選手。マウントポジションが入れ替わったクレベル選手がパウンドを連打。まさに死闘。
クレベル選手のパウンドが止まらない、それでも鈴木選手も最後まで抵抗を続けてゴング。決着は判定へ。
判定の結果、クレベル選手が勝利。フェザー級王座へと返り咲いた。
©︎RIZIN FF
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