コロナ禍におけるイベント開催のガイドラインが廃止されたことを受け、今回は1日あたりの来場者数の上限を撤廃。かつての熱狂を取り戻すかの如く、初日だけでも13万人が訪れた。
そんな中、特に異様な熱気を放っていたのが、Yostarの運営するソーシャルゲーム『ブルーアーカイブ』の同人誌を頒布するサークルが集まったエリアだ。
急増したサークル数、日本だけでなく世界から訪れたオタクたち──エリアの様子やサークル出展者の声を元に、会場の様子をレポートする。
アニメ化も決定、人気ゲーム『ブルーアーカイブ』
2023年1月から3月にかけて更新された、メインストーリーの1つの到達点となるエピソード「あまねく奇跡の始発点編」が高い評価を獲得。
さらに、BGMの「Unwelcome School」がミーム的人気を集めている。
『ブルーアーカイブ』サークル、島ならぬ大陸に
「コミックマーケット102」では、『ブルーアーカイブ』を扱うサークルは「ゲーム(ネット・ソーシャル)」ジャンルの一部として1日目の西ホールに配置。人気の高まりもあって、コミケの会場となっている東・西・南ホールのうち、西ホールの半数近くを『ブルーアーカイブ』サークルが占めることとなった。 西ホールは、2日目には「創作(少年)」「創作(少女)」「同人ソフト」「学漫」「コスプレ」という5つのジャンルが分け合っている会場。それを1つのタイトルが半分近く占領しているというのは相当な勢いだと言える。
コミケでは、同ジャンルのサークルが固まった1区画を「島」と表現することが多いが、これだけの規模となると、もはや「大陸」と呼びたくなってくるレベルだ。
壁サークルに聞くブルアカの勢い「想像もつかないくらいの急成長」
今回、壁サークル(混雑が予想されるため、列を形成しやすいよう壁際に配置される人気サークル)の一角であるりんごくらぶ(@000apple)さんに、サークル出展者側から見た『ブルーアーカイブ』の勢いを聞いた。。前回の「コミックマーケット101」でも『ブルーアーカイブ』の同人誌を頒布しているりんごくらぶさんは、前回と今回の勢いを比べて「サークルの数が尋常じゃなく増えてる。去年からは想像もつかないくらいの急成長を遂げてると思います」と語る。
その勢いによって、次回の「コミックマーケット103」からは「ゲーム(ネット・ソーシャル)」の一部ではなく、『ブルーアーカイブ』単体としてジャンルが独立することが発表されている。
韓国から同人誌を買いに来る人も数多く存在する
筆者自身が『ブルーアーカイブ』サークルのエリアを回っていると、日本語だけでなく随所で韓国語も飛び交っていた。「カタコトだけどちゃんと日本語で注文してくれて、やり取りもできる。日本語の本を買いにここまで来てくれるってすごいですよね」 韓国からの来場者といえば、前回の冬コミに続き、今回もゲームの統括プロデューサーとしてプレイヤーから絶大な人気を誇るキム・ヨンハさんが来日。
SNS上では、「『ぼっち・ざ・ろっく!』の作者・はまじあき先生の待機列に並んでいた」といった目撃報告も相次いだ。
同人誌のトレンドを象徴するタイトルに
りんごくらぶさんは、「僕自身、韓国のイラストレーターや作家さんをフォローしているんですが、韓国のイベントに参加されているのを見て、初めて韓国の方なんだと知ることも多くて。みんなそれくらい日本語も自然に使っています」と話す。「前回は、公式の4コマ漫画を描いている純粋な不純物さんが出展されていて、うちにも通訳さんと挨拶に来てくれました。動揺しすぎてちゃんと挨拶できなかったです(笑)」
次回からジャンルとして独立が決まった『ブルーアーカイブ』は、同人誌におけるトレンドの移り変わりという意味でも注目すべきタイトルだろう。
加えて、夏コミでの盛り上がりは、コロナ禍を経てより国際色豊かになるコミケを象徴する出来事の一つになりそうだ。
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連載
2023年8月12日(土)・13日(日)の2日間にわたって東京ビッグサイトの東・西・南展示棟(サークル・企業ブース)で開催される「コミックマーケット102」(C102)を特集。 近年はコロナ禍の影響で、来場者数の上限をはじめ様々な制限を設けてきたコミケ/コミケット。しかし、今回の夏コミではそれらを大幅に緩和。 各種のガイドラインが廃止されたことを受け、1日あたりの来場者数の上限を撤廃し、さらに当日午後からの入場が可能になるなど、かつての熱狂を取り戻す準備が整いつつある。
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