スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」
AI連携ボイスレコーダー「PLAUD NOTE」はワンストップで自動書き起こしに要約、マインドマップまで作ってくれるゾ!
2024年12月2日 00:00
え〜っ!? ナニソレ!!! マジでそんなコトできちゃうの? と急激に興味津々となったのがPLAUD.AIの「PLAUD NOTE (プラウド ノート)」という製品&サービスだ。ChatGPTと連携するAIボイスレコーダーで、録音した声の文字起こし〜内容の要約までをAIに行わせることができる。
別連載「Apple野郎」で「最新iOSを使うとiPhoneで通話録音やライブ留守番電話ができて便利」的な記事を書いた。また、この先にApple Intelligenceが日本語で使用可能になると、通話録音をAIが文字起こししてくれたり、要約してくれたりするのかニャ〜的に妄想したりもしていた。
そしたら知り合いが「そういうのができる製品があるんですよ! 使ってますけど、凄いんですよ」と。その凄いらしいヤツがPLAUD NOTEなのであった。その知り合いは、PLAUD NOTEで会議を録音し、それがAIにより自動文字起こししされ、さらに会議の要約(議事録)まで作ってくれて、驚きつつ超役立てているらし。
実際のAIによる会議の要約を見せてくれたが、あらま、ちゃんとしてる。その内容はお見せできないが、ここまでAIが自動的に処理してくれると……もう人間が録音を聞いて文字起こしする必要ないかも〜。また、文字起こしを読んで端的にまとめる必要もなさそう〜。
驚いていたらその知り合いが「じゃあモノは試しに」ということで、PLAUD NOTEを試用する機会を得た! そして使ってみたらあーら便利、だし、すご〜い! ということで、今回はPLAUD NOTEをレビューしてゆきたいッ!!!
なにができる? どうやって使う?
PLAUD NOTEはAI連携ボイスレコーダー。できるコトは、通話や会話や会議などの音声録音と、AIによるそれら音声の自動テキスト化(文字起こし)と、音声の内容の自動要約、それからマインドマップの自動作成だ。
こういうコトは、PLAUD NOTEじゃなくても、これまでにデキていた。たとえばGoogle Pixelスマートフォンを使えば、レコーダーアプリで録音した会話などをAIにより自動で文字起こしさせることができた。そうして文字起こしさせたテキストをChatGPTなどに読み込ませて要約することも可能だった。
しかし、そういったこれまでの方法とPLAUD NOTEを使い比べると、明らかにPLAUD NOTEのほうがスムーズに使えて効率がいいと感じる。使い勝手はシンプルなボイスレコーダーという感じで単純明快。文字起こしや要約などは専用スマートフォンアプリ/Webアプリで行うが、録音データの転送は自動だし、文字起こし・要約・マインドマップの作成も高速で容易。ひとつのアプリ内ですべての処理がワンストップで行えるのがイイ。
また、スマートフォンに装着した状態で通話を録音することも、机上などに置いたり胸ポケットに入れたりした状態で会話を録音することもできる。容易に使えて使う場面も選ばないという利便が感じられる。
ちなみに、PLAUD NOTEの直販価格は2万7500円。本体を購入すると、自動でスタータープラン(無料)に加入し、毎月音声300分ぶんまでの文字起こしができ、その要約(AI種類を変更しての再要約可能)は無制限に行える。本体を購入するだけで、これら機能を永年無料で使える。
ただ、毎月300分(5時間)だと、会議などでPLAUD NOTEを使ったらすぐに録音時間が上限に達してしまうだろう。その場合は、1万3000円の「PLAUD AI文字起こしパッケージ (追加合計6000分)」を追加購入したり、1万2000円の「PLAUD AI年間プロプラン (毎月1200分)」を購入したりする必要が出るだろう。
なお、年間プロプランを追加購入した場合、無料のスタータープランの機能に加え、プロプランだけの限定機能が使えるようになる。具体的には以下のとおり。
どんな感じで使えるのか?
PLAUD NOTEについて、まず通話録音のために使ってみた。通話中に話が横に逸れたりしてメモを取るのを忘れがちな俺だが、PLAUD NOTEならそういうミスを防げるかな、と。
PLAUD NOTEは付属のMagSafe対応ケースに入れればMagSafe対応iPhoneの背面に吸着させて通話を録音することができる。丸いスチールリングも付属するので、それを使用中のスマートフォンに貼っても、吸着させての通話録音ができる。
実際に病院の外来予約時と人間ドック申し込みに使ってみたら、通話の音声もその文字起こしも要約も十分実用的なレベルでできた。音声自体も十分高音質で、会話内容がよく聞こえる。
なのだが、「そっかーこういう個人情報はちょっと記事に掲載できないなあ」と。そこでNTTドコモの案内音声を文字起こしさせたものを掲載してみる。
ほか、以前にインタビュー取材をしたときの音声も、PLAUD NOTEで処理してみた。PLAUD NOTEアプリ/Webアプリでは、既にある音声をインポートしてのAI文字起こしや要約なども可能。この場合も、音声ファイルの長さ(時間)によって月内に使える録音時間の分数が減少していく。
プライバシーの観点から、インタビュー取材時の音声も文字起こしもここではお見せできないが、「あのときにPLAUD NOTEがあったら!」と強く思った。じつはそのとき、Google Pixel端末もしくはレコーダーアプリの不具合で、スマートフォン上の一部インタビュー音声が消えてしまっていたのだ。なので、バックアップとして撮影していた動画を、再度レコーダーアプリで録音して、文字起こしをした。
文字起こしをした後、それを読みながら記事にまとめたわけだが、Google Pixelスマートフォンとバックアップ用のビデオカメラ(GoPro)、モバイルバッテリーといた機材を用意し、それらを使ってできたのは、AI自動文字起こしまで。その頃はChatGPT公開直前だったので、要約は人力で行った。
そのときと同じ音声をPLAUD NOTEに(動画から抜き出した音声を)インポートしたら、文字起こしや要約に十数分かかったものの、人間はなにもせず「かなりイイ感じの要約」までが自動化できた。非常に効率がイイ!
てゅーか、インタビュー取材の文字起こしってスゲくタイヘンなんスよ。長い会議の議事録作り並みにタイヘンかも。インタビュアーから質問がどんどん出て、インタビュイー(インタビューされる側)もノリノリで話したりすると、録音時間が長くなりがち。あとでその音声を聞きながらテキストにしていき、それが終わったところでようやく記事作成に取りかかる。疲れるし時間がかかる作業なのだ。
だが、PLAUD NOTEだと録音〜文字起こし〜要約まで全部やってくれる。しかもその精度は十分高い。会話に参加していた人間なら「あーあの件をこうまとめたのね、ちょっと手直しすれば使えるな」というレベルなのだ。
ちなみにPLAUD NOTEで使えるAIはGPT-4oまたはClaude 3.5 Sonnet。これらから好みのAIを使って会話の要約などを生成できる。また、プロプランで試用した場合は26種類の要約テンプレートから「要約するスタイル」を選べるので、AI処理後の手直しなども少なくて済む。要約は、.doc、.pdfなど主要なファイル形式で出力することができる。
ユーザーは、最終的に使いたいスタイルのテンプレートを選ぶだけでいい。あとは全部がAI任せ。なにこのラクさ! インタビュー取材とかでいちばんメンドくさいところをAIがやってくれる! AIサイコー! ってホントに思う。
まあでも、場合によっては、「要約内にあの話が欠けてない?」ってことも。ただその場合、プロプランで使える全データベース検索機能「Ask AI」を使えばいい。
たとえば「Ask AI」に「電動アシスト自転車のバッテリーの保ちの話がなかった?」と訊けば、「はい、ありました。電動アシスト自転車のバッテリーの保ちは体重によって変化し……」などと会話内容から見つけてきてくれてその場で要約してくれる。またその要約を最初の要約に追加することもできる。
ともあれ、人間が「あの話、どこで出たんだっけな?」なんて思い返したり探したり必要もないのである。PLAUD NOTEで録れば、AIがしっかり検索してくれるのだ。
こういうコト、PLAUD NOTEでデキるのか?
以前に手動で書き起こしをしてメンドくさかったことがある。楽曲の歌詞の書き起こしだ。CDのライナーノーツをスキャンしてOCRして、という手順での書き起こしだが、ライナーノーツの印刷(デザイン)によっては全部目視して手動で書き起こしという作業になりがちだった。
歌詞を書き起こした理由は、Apple Musicの歌詞未登録の曲に歌詞を入れたい(再生中に表示させたい)と思ったからだ。でも書き起こしを始めてみたら「すごーく面倒」と痛感した。
それを思い出して「PLAUD NOTEだと、歌を聴かせたら歌詞を書き起こしてくれたりしない?」と考えた。で、やってみた。
あらまあけっこうデキるんだねぇ……曲からヴォーカルだけを抜き出すAIアプリなんてのも最近はあるので、一工夫すればPLAUD NOTEを「楽曲歌詞書き起こし用」にも使えるかもしれない。また、近未来のPLAUD NOTE自体が、そういう機能を搭載してくる……かもしれない?
もうひとつ、YouTubeのトーク動画から、トーク内容を文字を書き起こさせてみた。対象は「スタパビジョン」の「スタパビジョン /ハクキンカイロ/092/2012年3月19日公開」。
ちなみに、動画の音声をPLAUD NOTEに聞かせた方法は、PLAUD NOTEをiPhoneにMagSafe吸着させて、iPhoneで動画を再生し、PLAUD NOTEの通話録音モードで録っただけ。動画の音が出ているスピーカーの前に、会議録音モードのPLAUD NOTEを置いて録ってもいいかもしれない。動画から文字起こしする場合も、PLAUD NOTEはかなり役立つのだと思う。
てな感じで使えたPLAUD NOTE。記者会見とかの取材をする記者は、もうリアルタイム話を聞きつつでノートPCにテキスト入力……しなくてもいいのかもしれない。まあ記者は会見内容を速攻で本社に知らせるなり記事化するなりっていう仕事があるわけだが、PLAUD NOTEを使えば会見に集中して、文字起こしはPLAUD NOTEのアプリで、っていう流れが効率的かもしれない。
学生にもいいかも。PLAUD NOTEを使えば、講義のメモ取りに集中せずに、講義の理解に集中できるし。
ともあれ、PLAUD NOTEに文字起こしや要約をやらせて、人間はクリエイティブなことをもっとできる時間を獲得できる。AIの非常に正しいし有意義な使い方だと思うので、興味があればぜひPLAUD NOTEに触れてみてほしいッ!!!
なお現在、PLAUD NOTEはブラックフライデーセールで最大20%オフで販売されている。通常価格は2万7500円なので、けっこー大きめの値引き。セールは12月6日までとなっている。