三井公一の「スマホカメラでブラブラ」
シャープ「AQUOS R9 pro」、ライカ監修のトリプルカメラの実力は?
2024年12月25日 00:00
今回紹介するのは、シャープから新たに発売された「AQUOS R9 pro」だ。このスマートフォン最大の魅力は何といってもライカ監修のトリプルカメラである。前モデルのシングルカメラから進化して、広角、標準、望遠の3つのカメラを自在に操り、表現の幅を大きく広げることが可能になったのだ。
特にメインカメラは、1型の大きなセンサーを歴代に渡って採用しているので写りに要注目である。詳しいスペックなどは本誌別記事を参照いただきたい。
シングルカメラを捨ててトリプルカメラに
前モデル「AQUOS R8 pro」では、1型センサーとライカ監修のズミクロンレンズで得られた約4700万画素の画像を、各画角でクロップして使うスタイルであった(レンズ本来の画角で撮影するには超広角の「0.7x」で撮影する必要があった)。
それがこの「AQUOS R9 pro」では他社のハイエンドスマートフォンと同様にトリプルカメラ化されたのである。
カメラをそれぞれ見てみよう。
項目 | 内容 |
標準カメラ | 約5030万画素 大型1/0.98インチセンサー F値1.8、23mm相当、OIS |
広角カメラ | 約5030万画素 1/2.5インチセンサー F値2.2、13mm相当 |
望遠カメラ | 約5030万画素 1/1.56インチセンサー F値2.6、65mm相当、OIS |
カメラ部のルックスは迫力がある。レンズマウントのような円形部に3つのカメラと14chスペクトルセンサーを配し、放熱に優れたアルミニウムフレームと、シボがある端末表面の処理でグリップ感を高める工夫が施されている。高級感あふれるデザインは「AQUOS R9」「AQUOS sense9」を手がけたmiyake designによるもの。
さらに独立した物理的シャッターキーを搭載し「写真機」感を演出している。長押しでカメラが起動できるのもうれしい。
実際に試すことはかなわなかったが、アクセサリーとして「AQUOS R9 pro
ハイブリッドケース」も用意されている。ストラップホールを備えたこのケースは、アタッチメントを使って62mm径の円形フィルターを装着できるので、NDフィルターや円偏光フィルターなどを用いての映像表現が可能になる。
「AQUOS R9 pro」画角比較カット
各カメラの画角と写りはこんな感じだ。
1xの標準カメラの写りはさすがである。建物の外装、窓の質感と立体感が好ましい。1型センサーの懐深さを感じさせてくれる。新たに搭載された広角と望遠カメラもまずまずで、シングルカメラ時代より使い勝手と画質の両方をようやく入手した印象である。これがきっと次の「LEITZ PHONE」になるのであろうか・・・?
カメラの操作も一般的で使いやすい。メニュー画面もこなれており、シャープ製端末という安心感がある。音量キーに「明るさ」や「ズーム」を割り当てられるので、シャッターキーを使った横位置撮影がとてもやりやすい。またおなじみ「ライカ」のウォーターマーク表示も可能だ。
「AQUOS R9 pro」でブラブラ実写スナップ
3眼化されたAQUOSのフラッグシップ機「AQUOS R9 pro」の写りを試しに、ブラブラと師走の街を徘徊してみた。一番いいなと思ったのはシャッターキーによるカメラ起動の楽さだ。
スナップ撮影でカメラをサッと起動でき、そのまま記録できるのがよかった。同じようなシャッター機能を備えるスマートフォンもいくつかあるが、この「AQUOS R9 pro」はトップレベルの使いやすさではないだろうか?
「AQUOS R9 pro」まとめ
3眼化を果たしたAQUOSのフラッグシップ機だが、1型センサーに代表される写りは素晴らしく、シャッターキー搭載による使用感も実によかった。
ディスプレイも見やすく、バッテリーの保ちもまずまずで、十分にコンパクトデジタルカメラの代わりになるのではないかと感じさせてくれた。もっともっと使い込んでみたいスマートフォンだと感じた一台である。