みんなのケータイ
「お手続きはオンラインで……」と言うけれど
【AQUOS R5G SH-51A】
2020年5月14日 06:00
4月7日の政府の緊急事態宣言を受け、外出自粛がスタートして、すでに1カ月以上。モバイル業界もさまざまな面で影響が出ている。
各携帯電話会社のショップは営業時間を短縮し、受付業務も故障や新規契約など、一部に限って、対応している。4月24日にアップルから発売されたiPhone SE(第2世代)も各携帯電話会社は発売日を5月11日に延期され、機種変更は各社のオンラインショップのみで受け付けている。
各キャリアショップの営業時間短縮と受付業務縮小を受け、各携帯電話会社はさまざまな手続きをオンラインでしてもらえるように、アピールしている。
本誌読者のように、慣れている人たちは、「前からオンラインでやってるよ」と言うだろうし、筆者もほとんどの手続きをオンラインで済ませているけど、意外にできないことや課題も見えてきた。
ソフトバンク回線、端末持ち込みで5Gにしようとしたら
前回、NTTドコモのメインの回線をAQUOS R5G SH-51Aに切り替えた話を書いたけど、そのときも少し触れたソフトバンクのメイン回線の5G化。
ソフトバンクによると、5G回線の持ち込み契約については、店頭での受付しかできないとのことで、久しぶりに外出した5月の連休に、隣駅のソフトバンクショップに足を運んだ。
ショップに着いて、「え?」と思ったのが店頭の『完全来店予約制』と書かれた看板。実は、筆者宅に近いソフトバンクショップは、来店予約が必須となっている。各携帯電話会社のショップが予約を受け付けていることは知っていたけど、『完全来店予約制』と踏み込んでいたのはちょっと驚いた。
ちなみに、来店予約についてはドコモショップもauショップも強く推奨しているんだけど、いざ予約しようとしても1週間先まで埋まっていることが多く、なかなか予約できないというのが実状。
そうなると、お客さんとしては、サポート窓口に電話をするか、ショップに出向くしかなくなる。筆者がソフトバンクショップを訪ねたときは、わずかな10分ほどの間に、ほかのお客さんが次々と来店し、「え? 完全予約制なの?」「予約がないとダメなの?」「簡単なことなんだけど、やってくれないの?」と不満げに話す様子を見かけた。しかたなく、筆者は翌日に予約を入れて、出直すことにした。
そして、翌日。端末を持ち込んでの5G契約について、スタッフが本社と相談しながら、いろいろ手を尽くしてくれたんだけど、結局、「素直に機種変更していただいた方が確実」という結論に至った。
ちなみに、スタッフが本社と手続きを相談しているとき、ソフトバンクがSIMフリースマートフォン向けに発行しているSIMカードに変更する手続きを試したんだけど、これによって、筆者が契約する回線はYahoo!のスマートログインが解除され、Yahoo!プレミアムも外され、一時的にYahoo!の各サービスが強制的にログアウトさせられるというトラブルも起きてしまった。
昔から書いてるけど、ソフトバンクって、いろんなサービスを連携させる割に、制約は多いし、トラブルも多い。そう言えば、今年、ヤフーとLINEが統合するんでしたっけ? 先が思いやられますな。
結局、店頭での手続きを諦め、しかたなくソフトバンクオンラインショップで5G対応端末に購入し、5G回線を手に入れることになったんだけど、この顛末がまた笑えるというか、何というか……。
オンラインでの端末購入、その支払い方法は
実は、ソフトバンクオンラインショップで機種変更し、機種代金を一括で払おうとすると、支払い方法は何と 『代引』 しか選べないのだ。しかも宅配便の配達員に 『現金』 を渡すという代引。
ちなみに、配達を担当するのは佐川急便で、同社は「e-コレクト」という代引でクレジットカードを使えるサービスを提供しているんだけど、ソフトバンクが手数料を負担したくないのか、それも利用できない。
実は、ソフトバンクオンラインショップが現金による代引でしか買えないという問題は、随分、昔に経験したことがあって、ソフトバンクの関係者にも「今どき、これはダメじゃない?」と指摘した記憶があるんだけど、あれから10年近く経っても変わっていないとは……。
まず、こういうところの『情報革命』から手をつけていただいた方が『人々は幸せ』になれるのではないでしょうか。>ソフトバンクさん
ところで、オンラインショップと言えば、昨年6月、本コーナーで「一括払いで端末が買えないau Online Shop」という記事を書いた。
その後もauの関係者に「分割払いでしか買えないのはいかがものでしょうか?」と言い続けてきたんだけど、ついに2020年2月くらいから一括払いでも購入できるようになった。
10万円以上の端末は分割払いが多いかもしれないが、「AQUOS sense3」や「Galaxy A20」といった2~3万円で購入できる端末なら、一括払いの方が簡単だし、クレジットカード払いなら、ポイントも付く。環境も整ったので、今後はもっとau Online Shopを活用したいところ。
オンラインでの手続き、充実しているキャリアは?
さて、話を手続きに戻すと、主要3社は揃って、オンライン手続きへの移行を促しているけど、結構、できないことも多い。
たとえばauは、auで購入したiPhoneの「Apple Care+」がオンラインで解約できない。
ソフトバンクも同様で、電話をかけるか、ショップに出向かないとダメなんだけど、NTTドコモはMy docomoで手続きができる。
auとソフトバンクが電話や店頭手続きに限っている理由は、誤って契約を解除してしまうことを考慮してのことらしいけど、それだったら、オンラインで申し込んで、折り返しの電話やメールで確認のうえという流れでもいいんじゃないでしょうか?
個人的にはオンラインでの手続きがもっとも充実していて、使いやすいと考えているのがNTTドコモ。My docomoは手続きできる項目は多いし、ちゃんとメニューを辿っていけば、ほとんどの情報を確認することができる。ただ、そんなNTTドコモの手続きでも個人的に困ったのが「ドコモ光」のプロバイダー変更。
今回、いろんな事情があって、プロバイダーを変えようとしたんだけど、オンラインでの手続きに対応しておらず、しかたなく、ドコモインフォメーションセンターに電話。
ところが、外出自粛の影響でコールセンターが猛烈に混雑しているようで、1時間以上、待ってもつながらない。
かける時間を変えたり、何度も掛け直したりしたけど、一度もつながらず、ギブアップ。しかたなく近所のドコモショップに通りがかったとき、話を聞いてみたところ、「今は受付業務縮小で、店頭での手続きができない。
ドコモ光サービスセンターが対応できるはずなので、問い合わせて欲しい」という回答。ところが、この「ドコモ光サービスセンター」なる窓口は、NTTドコモのWebページを見ると、ドコモ光の問い合わせ先に掲載されておらず、「ドコモ光電話」の申し込みなどに関するページに小さく掲載されているのみ。これじゃ、見つかりませんよ。>NTTドコモさん
結局、ドコモ光サービスセンターにはすぐに電話がつながり、無事にプロバイダーの変更を申し込むことができた。ただ、ドコモ光については、新規契約を獲得するWebページばかりに力がかけられていて、契約中のユーザーに対する説明は、全然、できていない感じ。特に、最近はIPv4 over IPv6対応や新サービスの10G対応などで、契約を見直す人が増えてるんだけど、実例に沿った説明が少なく、不親切な印象が残った。
とまあ、各社とも「手続きはオンラインで……」と言うけど、まだまだオンラインでは手続きができない項目が多いのも事実。前回もまったく同じことを書いたけど、こういうタイミングだからこそ、もう一度、オンライン手続きの内容やメニューを総点検した方がよろしいのではないでしょうか。>各携帯電話会社