今週のメルマガ前半部の紹介です。
コロナ禍でなし崩し的に広まったリモートワークですが、ここにきて見直す動きが出てきています。


【参考リンク】テレワークを縮小・廃止する企業が増えたのはなぜ?


【参考リンク】「テレワークはサボりやすい」という調査結果

【おまけ】





実際、企業の偉い人で「リモートワークではサボりたい放題なので見直したい」と言っている人は結構多い印象がありますね。

一方で、リモートワークに確たる手ごたえを感じ、対象者の拡大や制度の恒久化を進める企業も存在します。


【参考リンク】ヤフー、130人が飛行機・新幹線通勤圏に転居 新リモートワーク制度で

同じ日本企業でも対応に差が出る理由はなんでしょうか。
そもそも、仕事をサボる人ってどういうメカニズムで発生するんでしょうか。非常に重要なテーマなのでまとめておきましょう。


日本企業のテレワークがサボり放題になるわけ


日本(と韓国)以外の国で一般的なジョブ型雇用では、従業員は担当する業務内容が明確化されています。

なので少なくともホワイトカラー職については、いつどこで働くかについては割とおおらかになれるんですね。

担当する業務範囲が決まっている以上、それに対する成果評価さえやればいいわけですから。

午前中だろうが午後からだろうが、家で働こうがカフェでくつろぎながらだろうが、やることやってるかどうかはきっちり評価できるわけです。

フレックス勤務や裁量労働というのは、こういう環境を前提としてデザインされているので、そうした組織と相性がいいわけです。リモートワークもそうですね。

一方、日本の場合はジョブ型ではなく、担当する業務範囲が決まっていないまま入社するメンバーシップ型雇用が一般的です(職能給とも)。

営業かSEか人事か経理かすら決まらないまま入社後に配属先が通知され、配属後は大部屋で机並べてなんとなく割り振られる仕事をこなしていく、みたいなのが一般的でしょう。

ちなみに、この「大部屋で皆で一緒に仕事して、手が空いたものがどんどん次の仕事をこなしていく」スタイルを、筆者は“文化祭方式”と名付けています。

学校の文化祭で行う出し物を、クラス全員で同じ空間で取り組み(早く終わっても早く帰れるわけではないから)夜遅くまでだらだら作業して、でも終わってみればなんだか不思議と達成感と一体感が残ってるアレですね(苦笑)

さて、この文化祭方式だと、当然ながら成果評価なんてできるわけがありません。だって個人の業務範囲なんて決まってないんだから。

評価は、実際に目の届く範囲で、働く時間を決めた上で、生の働きぶりをチェックして行う以外にありえません。

だから、そもそも日本企業というのはリモートワークみたいなジョブ型を前提とした柔軟な働き方とはメチャクチャ相性が悪いんですね。サボろうと思えばいくらでもサボれちゃうわけです。

筆者の知人にもいますね。コロナの際の在宅勤務時にネットフリックス見まくりながらchatやメールで適当にやり取りだけしてた奴。

ちなみにコロナ禍後に労組が実施したリモートワークに関するアンケートには「大いに評価する」と回答し、理由として「ありのままの自分でいられるから」と書いたそうです(苦笑)

まあそういう意味では、確かに「リモートワークなんてサボりたい奴の言い訳にすぎん!全員出社して俺の目の前で汗をかき歯を食いしばって働く姿を見せろ!」という日本企業の偉い人は、間違ってはいませんね。

日本型組織には合わないものなわけで。

ただ、ここでちょっと立ち止まって冷静に考えてください。

在宅勤務でこれ幸いとばかりにお家でサボってるような人を、無理やり出社させてオフィスに縛り付けて、それで問題が解決するんですかね?

いや、そりゃ一生懸命働いてるようには見えるでしょ。でもそれってホントに組織にとって必要なことを遂行してるんですかね。

ちょっと上司が目を離しただけで手を抜くような人間が、出勤させただけでバリバリ働くようになるとは、筆者にはとても思えないですね。

例えば、先に紹介した筆者の知人のA氏ですが、今はもうフルタイムで出勤してバリバリ残業もしてます。

でもたぶん「頑張って働いてるふり」してるだけで、本質的にはリモートワークでネトフリ見てた頃と変わってないし当然アウトプットなんかも同じレベルだと思いますね。

まとめると、リモート時にサボりまくって最低限のことしかやらない人間も、オフィスで頑張って汗かいて働いてる(ように見える)人間も、本質的にやってることは大して変わらないだろうということです。

問題の本質は「サボらせないためにどうすべきか」ではなく「そもそもなぜサボろうとするのか」という点にあるからですね。




以降、
人はなぜサボるのか
個人はどう働くべきか







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