一部業種に在庫調整も景気回復、物価2%達成へ=黒田日銀総裁

一部業種に在庫調整も景気回復、物価2%達成へ=黒田日銀総裁
 10月17日、日銀の黒田東彦総裁は、午後に都内で開かれた全国信用組合大会で講演し、消費税引き上げで「一部業種に在庫調整の動きがみられており、生産はこのところ弱めの動き」と指摘した。写真は、黒田日銀総裁、2013年撮影(2014年 ロイター/Yuya Shino)
[東京 17日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は、17日午後に都内で開かれた全国信用組合大会で講演し、消費税引き上げで「一部業種に在庫調整の動きがみられており、生産はこのところ弱めの動き」と指摘した。
一方、量的・質的緩和(QQE)は所期の効果を発揮しており物価は2015年度にも目標とする2%程度に達するとの従来シナリオを繰り返した。
企業の業況感について「回復に一服感があるが、企業・家計で所得から支出への前向きな循環メカニズムしっかり作用している」とし、景気は「基調的に緩やかな回復を続けている」とした。
QQE運営の目安としている消費者物価指数は「2%の物価安定目標に向けた道筋を順調にたどっている」と指摘。同指数の前年比は「しばらくの間1%台の前半で推移した後、今年度後半から再び上昇傾向をたどり」、15年度ごろに「2%程度に達する可能性が高い」との従来シナリオを繰り返した。消費増税の駆け込み需要の反動の影響は「次第に和らいでいく」とした。
また「見通しに変化が生じ、物価目標実現に必要なら、ちゅうちょなく調整する」と必要ならば追加緩和を辞さない姿勢を繰り返した。
金融機関の中小企業向け貸出は伸び高まっており、業種や地域にも広がりが出ていると指摘。高齢化や人口減少に直面しても成長できる地域の産業分野は多く、「地域経済の活力向上などの課題実現に、金融機関の役割は小さくない」と強調した。

伊藤純夫 竹本能文

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