豪ドルは「大幅に」下落する可能性、交易条件の悪化で=中銀総裁

豪ドルは「大幅に」下落する可能性、交易条件の悪化で=中銀総裁
10月29日、豪中銀のスティーブンス総裁(写真)は、交易条件の悪化を考えると、豪ドルは将来のいずれかの時点で「大幅に」下落する可能性が高いとの見解を明らかにした。写真は7月、シドニーで撮影(2013年 ロイター/Daniel Munoz)
[シドニー 29日 ロイター] -豪準備銀行(RBA)のスティーブンス総裁は29日、交易条件の悪化を考えると、豪ドルは将来のいずれかの時点で「大幅に」下落する可能性が高いとの見解を明らかにした。投資関連の会合で講演した。
総裁は住宅価格について、バブルの可能性を懸念するには当たらないと述べたが、借り手と貸し手双方に対して慎重な行動を促した。
総裁は、豪ドルが下落すれば、輸出関連セクターが恩恵を受けるとの認識も示した。
総裁は、豪ドル相場が「異例の高さ」に上昇していると発言。「国内のコスト・生産性の相対的な水準をみると、そうした為替レートには裏付けがない」と述べた。
さらに「交易条件は今後改善ではなく悪化する公算が大きい。このため、将来のある時点で豪ドルが今のレートから大幅に下落する可能性が極めて高い」と述べた。
総裁の発言を受け、豪ドルは一時1豪ドル=0.9541米ドルまで下落。豪ドルは、米量的緩和の縮小見送りなどの影響で過去2カ月で約8%上昇している。
総裁は、FRBが量的緩和の縮小を開始すれば、RBAが直面する政策上の課題が一部軽減されるとも発言。
オーストラリアでは鉱山投資が減速しており、RBAは以前から景気支援のため、豪ドル安が望ましいとの立場を示している。
設備投資全般の見通しについては、低迷が続いており、流れが変わるまで「まだしばらく」時間がかかるのではないかと指摘。
過去数カ月の株価や住宅価格の上昇で、企業や家計の心理は上向いたが、これが消費や投資の拡大につながるかは現時点で判断できないとも述べた。
政策金利は現在、過去最低の2.5%となっているが、市場では追加利下げが必要になるとの見方が多い。
*内容をさらに追加して再送します。

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