ロス山火事、保険損失200億ドル超も JPモルガンが試算2倍に

[9日] - 米JPモルガンは9日、カリフォルニア州ロサンゼルス近郊の山火事による保険損失額が200億ドルを超える可能性があるとの見方を示し、当初の試算から2倍に引き上げた。過去24時間で被害が拡大したことを受けた。
火災が収束しなければ、さらに増加する可能性があるという。最新の試算は経済損失が500億ドル前後になるとの想定に基づいている。
JPモルガンによると、住宅所有者向け保険が損失の大部分を占める見通し。
 1月9日、米JPモルガンは、カリフォルニア州ロサンゼルス近郊の山火事による保険損失額が200億ドルを超える可能性があるとの見方を示し、当初の試算から2倍に引き上げた。写真はパサデナで8日撮影(2025年 ロイター/Zaydee Sanchez)
カリフォルニア州の山火事で過去最も損失額が大きかったのは2018年に発生したビュート郡の火災だ。15万エーカー以上の土地と1万8000棟を超える建物に被害が及び、保険会社の損失は約100億ドルに上った。
今回の火災は当時ほど範囲は広くないが、JPモルガンによると、被害が深刻なパシフィックパリセーズ地区の住宅価値(中央値300万ドル)はビュート郡(同50万ドル)を大幅に上回る。
格付け会社ムーディーズのシニアクレジットオフィサー、ジャスパー・クーパー氏も、被害地域の住宅やビジネスの価値が高いことを踏まえると、数十億ドル規模の保険損失が見込まれると指摘。
モーニングスターDBRSは保険損失が80億ドルを超える可能性があると予想した。

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