最後通告の期限迫るエジプト、大統領と軍双方が「命懸ける」と強硬姿勢

最後通告の期限迫るエジプト、大統領と軍双方が「命懸ける」と強硬姿勢
7月3日、エジプト軍部がモルシ大統領に対し48時間以内に政治的混乱を解決するよう求めた最後通告の期限が迫る中、軍部と大統領がそれぞれ「命を懸ける」と表明するなど、双方の対決色が強まる展開となっている。写真はタハリール広場に集まった反大統領派の市民ら(2013年 ロイター/Mohamed Abd El Ghany)
[カイロ 3日 ロイター] - エジプト軍部がモルシ大統領に対し48時間以内に政治的混乱を解決するよう求めた最後通告の期限が迫る中、軍部と大統領がそれぞれ「命を懸ける」と表明するなど、双方の対決色が強まる展開となっている。
モルシ大統領は3日未明の演説で、退陣をあらためて拒否し、「正統性を守ることの代償はわたしの命だ」と述べた。自身が選挙で選ばれた正統な大統領だと主張し、法にのっとった命令に対抗する勢力を拒否するよう促した。
また、軍だけでなく大統領を支持する過激派にも向けた警告として、「(イスラム教の)「ジハード」は互いを攻撃するものでなく、敵のみを対象とするものだ」と強調した。
大統領による演説の数時間後、エジプト軍はフェイスブックで声明を発表。「国民をテロリストや過激派、愚か者から守るため、命を犠牲にする覚悟ができている」と表明した。
軍部は1日、48時間以内に国民の要望を実現するための包括的ロードマップで合意するよう求めたが、モルシ大統領は混乱を招くリスクがあるとして、国内の和解に向けた自らの計画を堅持する意向を表明している。
軍関係筋によると、期限までにモルシ大統領が事態を収拾できない場合、軍が憲法を停止し大統領の権限を剥奪する計画がある。同筋はロイターに対し、3日午後5時(日本時間4日午前0時)までに政治勢力による事態打開ができなければ、軍は独自のロードマップを実行する用意があると述べた。ただ、協力する意向のある政党と協議した上で細部を修正する可能性があるという。
軍のロードマップによると、様々な勢力の代表者や有識者を中心とする暫定評議会を設置し、数カ月以内に憲法修正案がまとまるまで国家の運営を行う。その後、大統領選挙を行うが、議会選挙は候補者を選ぶ厳格な条件を決めるまで先送りされるとしている。モルシ大統領が権力の委譲に同意しない場合の対応は明らかにしていない。
同国では3日、カイロ大学近くで大統領支持派が関係する衝突が発生し、16人が死亡、負傷者は約200人に達したという。

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