ウクライナがNATO加盟目指す、軍事支援求める姿勢鮮明に

ウクライナがNATO加盟目指す、軍事支援求める姿勢鮮明に
 8月29日、ウクライナのヤツェニュク首相は、NATO加盟に道を開く法案を議会に提出すると表明した。写真はキエフで7月撮影(2014年 ロイター/Andrew Kravchenko/Pool)
[キエフ 29日 ロイター] - ウクライナのヤツェニュク首相は29日の政府会議で、非同盟国という同国の地位を破棄し、北大西洋条約機構(NATO)加盟に道を開く法案を議会に提出すると表明した。
正式加盟となれば米国との相互防衛協定が結ばれ、軍事支援を受けることになるが、加盟が認められる可能性は少なくとも当面は低い。
ただ、ロシア軍部隊が越境し、ウクライナ東部の戦闘に直接関与しているとされる中、ウクライナ政府はNATO加盟を目指す方針を示すことで、西側諸国の軍事支援を求める姿勢を鮮明にした。
NATOのラスムセン事務総長は、ウクライナが加盟を求める権利を尊重すると述べている。
NATOがウクライナ加盟を検討することになれば、欧州の安全保障の構造が1990年代以降で最も大きく変わることになる。
NATOは冷戦後に、ロシアの反対にもかかわらず、ポーランド、ハンガリー、ルーマニアといった旧共産圏諸国の加盟を認めた。バルト三国のエストニア、ラトビア、リトアニアも加盟したが、他の旧ソ連諸国は加盟していない。
ウクライナは2008年にNATOとの関係強化を目指そうとしたが、NATOは早期の加盟手続きを認めなかった。

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