ヒトラーの毒味役だった独女性「常に死の恐怖におびえていた」

[ベルリン 1日 ロイター] - ドイツのベルリンに住む96歳の女性が、第2次世界大戦中にナチス・ドイツ指導者ヒトラーの毒味役をしていたと明らかにし、当時の生活の詳細を語った。
マルゴット・ウェルクさんは、現在のポーランド北東部にあった司令部で、20代の女性14人とともに約2年半にわたり毒味役を務めた。毎日昼前に毒味し、ウェルクさんの体調に問題がなければ、料理は箱に詰められてヒトラーに出されたという。
ウェルクさんは「ヒトラーは菜食主義者だったので、野菜を沢山食べた」とし、料理は素晴らしかったが、常に死の恐怖におびえていたという。他の毒味役の女性と「明日は生きていられるだろうか」と語り合ったと述べた。また、毒見をさせられるようになった経緯については、「偶然が重なりあって」と説明した。
1945年4月にヒトラーが自殺するとベルリンに戻って身を隠した。残った他の毒味役の女性たちは殺害された。実際にヒトラーを見たことはないという。
現在でも当時の悪夢を見るというウェルクさんは、これまでヒトラーの毒味役だった過去について語ることはなかった。

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