欧州で馬肉混入の波紋広がる、「国際的陰謀説」も

欧州で馬肉混入の波紋広がる、「国際的陰謀説」も
2月11日、アイルランド当局は牛肉食品の一部に馬肉が混入しているのが見つかった問題で、国内の食肉加工施設にDNA検査を命じる方針を示した。写真は馬肉が混入していた製品の回収を呼び掛けるスーパーマーケット。ロンドンで9日撮影(2013年 ロイター/Suzanne Plunkett)
[ブリュッセル/ダブリン 11日 ロイター] アイルランド当局は11日、牛肉食品の一部に馬肉が混入しているのが見つかった問題で、国内の食肉加工施設にDNA検査を命じる方針を示した。また欧州連合(EU)議長国でもある同国は、この問題を話し合うための閣僚級会合の開催も各国に呼び掛けた。
アイルランドで冷凍ビーフバーガーから馬のDNAが検出されたことが発端となった「馬肉スキャンダル」では、英小売りテスコや米バーガー・キングがアイルランドの食肉加工業者との取引を中止した一方、アイルランド当局は問題の「牛肉」は元をたどればポーランド産だと非難し、ポーランド側がこれに異議を唱えるなど、波紋が広がっている。
アイルランドのコベニー農業相は、13日にブリュッセルで開催されるEU会合で「この問題に対するEUレベルでの包括的な対策」を協議したいとしている。会合には、ボルジ欧州委員(保健・消費者保護担当)のほか、関係各国の農相らが参加する見通し。
英国では馬肉を食べるのはタブー視されており、パターソン環境・食料・農村相は、問題の背後に「国際的な犯罪的陰謀」があると指摘。英政府と仏政府は、責任者を罰する構えを示している。
自国産牛肉に馬肉混入が指摘されたルーマニアのポンタ首相は11日、記者会見で「これまでの調査の結果、ルーマニア企業や国内で欧州の規制が違反されたケースはない」と述べ、不快感をあらわにした。

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