『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』がIGN USのレビューで10点満点を獲得!「ブレワイ」が小規模な作品に思えてしまうほど作り込まれている!?
傑作を新しい傑作で塗り替えた
IGN本家が『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム(以下、TotK)』のレビューを掲載しており、10点満点のスコアを与えている。本作はIGN JAPANでも独自にレビューを進める予定だが、本稿ではトム・マークスが担当したIGN本家のレビューの内容を詳しく紹介していきたい。まずは判定部分の引用から始めよう。
「TotK」はゲームの史上最高傑作のひとつである「ブレス オブ ザ ワイルド(以下、BotW)」の計り知れないほど素晴らしい続編である。実用的な改善点から、よりワクワクするストーリーや可能性が遥かに広がるクリエイティブなビルディングメカニクスまで、ほとんどすべてにおいてさらなる飛躍をみせている。前作のマップをさらに魅力的にし、「BotW」が小規模な作品に思えてしまうほど膨大な新エリアをいくつも導入し、心配になるほどたくさんのクエストをプレイヤーに与え、多くの発見を提供し、自分が向かっていたはずの目的地にいつまでもたどり着かないだけの寄り道を用意している。任天堂は傑作を新しい傑作で塗り替え、ただでさえ想像を超えていた世界のスタンダードをさらに上――それこそ遥か雲の上――まで引き上げている。
これだけでも、マークスの絶賛ぶりは十分に伝わるだろう。
「あなたは『BotW』の続編に何を求めている? より優れたダンジョン? 敵タイプの増加? 予想もできなかったような新しいアイディア? それとも単純により膨大なハイラルを探索したい? 心配するな。どれかを選ぶ必要はない。なぜなら、任天堂はそうしたすべての需要にまんべんなく答えているからだ」とマーク氏はレビューの冒頭に書いている。
「『BotW』が完成されていないゲームに思えたわけではない。しかし、『TotK』をプレイするとまるでファーストドラフト(初稿)のようなものに思えてくる」という発言も印象的だ。
「TotK」は革新的な要素で「BotW」の魅力を根本的に変えているというよりも、その魅力を何十倍にも拡張する作品であるとマークスは言う。
すでに本作をプレイすると決めているユーザーには「これ以上は読まずに、クリア後にまた読みにきてほしい」と推奨している。「TotK」はあまりにも多くの魅力的な秘密があり、できることならそのすべてをゲーム内で味わってほしいとのこと。マークスのレビューはストーリーのネタバレを全面的に避けているが、一部ゲームの序盤で判明する衝撃的な発見はどうしてもレビューに書かないわけにはいかない。なぜなら、本作の説明および評価において必要不可欠であるからだ。以下に書かれた内容の一部は、ネタバレと捉え得るので注意して読んでほしい。
マークスは、「BotW」が好きだったユーザーならほぼ確実に今作も大好きになるだろうと書いている。新しいメカニクスへの導入として機能する素晴らしいチュートリアルが今回もあり、その後は「BotW」と同様に自由な冒険が待っている。「BotW」ほどわかりやすくないとはいえ、いきなりストーリーの最後の場面に向かうことも理論上は可能だ。
物語に関しても、「BotW」と同じように世界各地に点在する特定のスポットへ行くことでカットシーンを見ることができる。ストーリーはガノンドルフからゼルダ姫を救出するというオーソドックスなものでありながら、驚くほど大胆なものもあり、他のゼルダ作品と比べると突出した出来であるとマークスは主張している。
ハイラルの大地は「BotW」と同じマップを採用しているが、そのせいで冗長に感じられるところはまったくないそうだ。厄災ガノンを倒してから数年が経っており、人々は復興を始めている。ハイラル城には大きな街が誕生しており、本作のメインの街として機能している。その他のロケーションやキャラクターも、どのように変わったのかを確認するだけでも楽しい。スケールの大きい変化も多く、一部のエリアは根本的に変わっており、天気が異常になり膨大な数の宝箱や祠が増えている。「BotW」でほとんど役割のなかったウオトリー村もストーリーの序盤で海賊に襲われ、リンクが助けなければならない。ほかにも無数の洞窟、井戸、空島が存在し、大妖精から珍しい防具まで様々な発見に満ちている。
発売前に判明していなかった最大のサプライズについても、マークスは言及している。知りたくなればここで読むのをやめよう。
発売前から「地下の世界が存在するのかもしれない」と推測されていたが、実際に存在していた。しかも、マークスによると地下世界のマップはハイラル地上と同等のサイズらしい。地下の世界は暗闇に包まれており、危険に満ちている。マークスは「TotK」をすでに100時間以上プレイしているが、地下世界はまだ半分程度しか探検できていないそうだ。地上のようにクエストやメインストーリーが展開することはあまりないが、ここも刺激的な発見で溢れているという。
メインダンジョンは「BotW」の四つの神獣のようにパターン化されていない。コンパスやマップ、それから特定の新アイテムをゲットする伝統的なゼルダのダンジョンのようなプレイループではないが、ダンジョンはそれぞれ独自のテーマやビジュアルを有している。各ダンジョンに潜むボスもより個性的で、その一部はシリーズでもトップクラスのボスデザインになっているとのこと。フィールド上に出現するボスも種類が増えている。
武器を組み合わせるスクラビルドや乗り物をクラフトするウルトラハンドは予想通りに自由度が高くおもしろいとのこと。とはいえ、「TotK」がクラフティングを主体にしたゲームになっているわけではなく、謎解きにうまく活用されているし、一度作ったものを保存できるので、クラフティングが苦手なユーザーでも楽しめるはずだ。
洞窟がたくさんあるので、天井をすり抜けるトーレルーフも想像以上に使い道が多い。マークスは「TotK」をプレイしている間、前作のアビリティが恋しくなったことは一度もなかったと書いている。
フレームレートは「BotW」と同程度のパフォーマンスで、一部密度の濃いエリアでは低下することもあるそうだ。NPCのモンスターハンターと対戦して敵の拠点を襲うレイドというチャーミングな新イベントでは少し気になったし、スカイダイビングを行うときはたまに一瞬だけ画面がフリーズすることもあるらしい。だが、全体的に「TotK」の体験を損なうほどのものはなく、100時間以上プレイしても一度もバグは発生していないらしい。
「本作はより新しいハードだったらもっときれいに見えただろうか? それは間違いない。任天堂が早いうちにそのようなハードを提供すると信じたいが、だからといってこの新しいハイラルを探索し尽すまでPS5やXboxに手を出すかといえば、まず出さない」とマークスは書いている。
「あなたが――ゲームプレイも含めて――何よりもフレームレートを重視するプレイヤーでない限り、気にすることはない」とマークスは主張している。
並みならぬ期待を寄せていた「TotK」だが、本レビューからすれば任天堂はそれらを遥かに乗り越えた。それこそ、雲の上まで乗り越えている。IGN JAPAN独自のレビューも楽しみにしてほしい。