実にまっとうで、胸のすくような閣僚答弁を、ほとんど15年ぶりくらいでしょうか、耳にしたように思います。
12月3日の参院本会議での、村上誠一郎総務大臣の「ネット選挙」乱脈に対する「正気の一刀両断」答弁。
村上総務相はかつて、憲政の本義がゆがめられていた状況下、正論を貫き、約20年間冷や飯を食わされ続けながら「国賊」発言など、民主主義が「有終の美を為すの途(みち)」(吉野作造)を説く、具眼の士と認識しています。
村上さんの今回の答弁をあえて反語的に表現するなら「普通に大学を卒業した学識を背景とする」かなり久しぶりに耳にする「ごく常識的な閣僚答弁」に、ホッと安堵の胸を撫で下ろす「閣僚の本懐」を目にしたように思います。
一応補っておきますと、これは「大正デモクラシー」の代表的論客であった吉野作造(1878-1933)の「憲政の本義を説いて、その有終の美を為すの途を論ず」(1916)を踏まえて書いているものです。
吉野教授と同じく、東京大学で教鞭を執ってきた一教官としても明記するものです。
昨今は東大も、低劣なリテラシーのOBOG(端的には兵庫県知事の記者会見が代表的な低見識)が跋扈する末期的な状況、そのなかで村上誠一郎さんの「正気」は、まさに一服の清涼剤とみます。
具体的な内容を確認してみましょう。
「村上答弁」は立憲民主党、辻本清美参院議員の代表質問に答えたもので、3つのポイントから成っています。具体的に確認してみましょう。