Googleの年次イベント「Google I/O」で、「Chrome OS」でLinuxが利用できるようになると発表された。
Chrome OSは「Ubuntu Linux」のスピンオフとして始まった。その後ベースとなるOSが変更されるなどの動きがあった。しかし現在も、インターフェースはウェブブラウザ「Chrome」のUIのままだ。
確かに、オープンソースソフトウェアの「Crouton」を使えば、chrootしたコンテナの内部で「Debian」やUbuntu、「Kali Linux」を実行することはできる。あるいは、Chromebook専用に作られた「Xubuntu」ベースのサードパーティー製Linuxである、「Gallium OS」を使う手もある。しかし、どちらも技術に詳しくない人には向かないかもしれない。
Chrome OSではすでに、「Android」用のプログラムが動作するようになっている。ただし、多くのAndroidアプリはChromebookで動作するものの、すべてのアプリが必ず動くわけではない。また、Chromebookでプロフェッショナル向けのアプリケーションをネイティブに開発することも難しい。今回発表されたものはこれらの弱点を解消する。
Googleによれば、近い将来、Chromebook用に一から設計された仮想マシンでLinuxを動かせるようになるという。これは、そのLinuxが数秒で起動でき、Chromebookの機能とも完全に統合されていることを意味する。
つまり、CroutonやGallium OSとは違って、Chrome OSのアイコンをクリックしてLinuxアプリケーションを起動できるようになるわけだ。LinuxとChrome OSのウィンドウを自由に動かすこともできるし、Linuxアプリケーションからファイルを開くこともできる。
このLinux対応機能が追加されれば、1台のChromebookで、スマートフォン用、タブレット用、ノートPC用のあらゆるAndroidアプリやウェブアプリを作成し、テストし、実行できるようになる。好きなエディタを使えるし、好きな言語でコーディングすることもできる。つまり、あらゆるものがChromebook上で直接動くようになる。
最初にサポートされるLinuxは、2017年版のDebian Stretchだという。アルファ版のサポートは、「PixelBook」に合わせてChrome OSバージョン68で提供される見込みだ。
Chromeの製品管理担当ディレクターKan Liu氏によれば、現在出回っているChromebookの半分以上は、このLinuxを動せるだけのハードウェア性能を備えているという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。