「Chromebook」でLinuxを公式サポートへ

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2018-05-11 12:34

 Googleの年次イベント「Google I/O」で、「Chrome OS」でLinuxが利用できるようになると発表された。

 Chrome OSは「Ubuntu Linux」のスピンオフとして始まった。その後ベースとなるOSが変更されるなどの動きがあった。しかし現在も、インターフェースはウェブブラウザ「Chrome」のUIのままだ。

 確かに、オープンソースソフトウェアの「Crouton」を使えば、chrootしたコンテナの内部で「Debian」やUbuntu、「Kali Linux」を実行することはできる。あるいは、Chromebook専用に作られた「Xubuntu」ベースのサードパーティー製Linuxである、「Gallium OS」を使う手もある。しかし、どちらも技術に詳しくない人には向かないかもしれない。

 Chrome OSではすでに、「Android」用のプログラムが動作するようになっている。ただし、多くのAndroidアプリはChromebookで動作するものの、すべてのアプリが必ず動くわけではない。また、Chromebookでプロフェッショナル向けのアプリケーションをネイティブに開発することも難しい。今回発表されたものはこれらの弱点を解消する。

 Googleによれば、近い将来、Chromebook用に一から設計された仮想マシンでLinuxを動かせるようになるという。これは、そのLinuxが数秒で起動でき、Chromebookの機能とも完全に統合されていることを意味する。

 つまり、CroutonやGallium OSとは違って、Chrome OSのアイコンをクリックしてLinuxアプリケーションを起動できるようになるわけだ。LinuxとChrome OSのウィンドウを自由に動かすこともできるし、Linuxアプリケーションからファイルを開くこともできる。

 このLinux対応機能が追加されれば、1台のChromebookで、スマートフォン用、タブレット用、ノートPC用のあらゆるAndroidアプリやウェブアプリを作成し、テストし、実行できるようになる。好きなエディタを使えるし、好きな言語でコーディングすることもできる。つまり、あらゆるものがChromebook上で直接動くようになる。

 最初にサポートされるLinuxは、2017年版のDebian Stretchだという。アルファ版のサポートは、「PixelBook」に合わせてChrome OSバージョン68で提供される見込みだ。

 Chromeの製品管理担当ディレクターKan Liu氏によれば、現在出回っているChromebookの半分以上は、このLinuxを動せるだけのハードウェア性能を備えているという。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  2. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  3. ビジネスアプリケーション

    新規アポ率が従来の20倍になった、中小企業のDX奮闘記--ツール活用と効率化がカギ

  4. ビジネスアプリケーション

    カスタマーサポート業務で生成AIはどう使えるか、代表的な活用場面を解説

  5. ビジネスアプリケーション

    改めて知っておきたい、生成AI活用が期待される業務と3つのリスク

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]