Imagine Cupから学んでほしい、将来必要な3つの力とは?
日本チームがプレゼンテーションを行う前に、筆者は米Microsoftのゼネラルマネージャーで、長年Imagine Cupに関わってきたKurt Steck氏に話を聞くことができた。Steck氏には、Imagine Cupに出場する学生や、今の若者に対して、将来どのような力を求めたいのか質問を投げかけた。
米Microsoft デベロッパーエバンジェリズム統括本部 オーディエンス&プラットフォーム推進部門 ゼネラルマネージャー Kurt Steck氏
Steck氏は、筆者の問いかけに対して「3つのレベルがあると考えている」と返答した。まずは、基礎的なレベルとして、プログラミングやテクノロジに関するスキルが必要だと強調する。今の時代、テクノロジはコミュニケーションツールや、アイデアを形に変えるためのツールとして広く浸透していることから、最低限の能力として求めたいというのだ。
2つ目のレベルとしては、多様な人間が集まってチームとして働く機会が増えていることから「チームで協力し合うことや、さまざまな人とコラボレーションができる能力を求めたい」と語った。3つ目のレベルとして、「自分のアイデアを伝える能力が重要だ」と語った。プレゼンテーションのスキルや話し方など技術的な要素もさることながら、アイデアの落とし込みや自分のパッションを表現すること、人を納得させるためのプランなど、あらゆる方法で自分のアイデアを伝えることができる能力が重要だとした。
Steck氏は「Imagine Cupのプロセスを通して、このような3つ力を身に付けてほしい」と述べ、Imagine Cupが学生を成長させるために導ける存在でありたいと述べた。
今回、初めて世界大会に出場した筑波大学の学生もプレゼンテーションを終えた感想として同様のことを述べた。「自分を成長させる刺激的な経験になった」「大学では1人で研究に取り組んでいたが、今回チームで取り組みを進めて学ぶことが多かった」「もっと他の人の仕事を手伝えたかもしれない。自分の仕事でいっぱいだった」など、Imagine Cupにおける一連の取り組みを振り返った。一方で、学生たちから感じられるのは、未だかつてないほど夢中になったImagine Cupへの熱意。これほど舞台が大きいからこそ、逆に目の前のチャレンジを楽しめた感触が伝わってくる。
プレゼンテーションの結果は、現地時間7月28日発表された。筑波大学Biomachine Industrialチームの結果はいかにーー。後編をお楽しみに。