「Red Hat Enterprise Linux」、開発者向け無料サブスクリプション提供

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2016-04-04 15:40

 「Red Hat Developer Program」の参加者は、無償で「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)のライセンスを入手できるようになった。

 Linuxでの開発は、昔から敷居が低かった。ディストリビューションをダウンロードし、C言語をいくらか学ぶだけで、いつでも開発を始められる。しかし、RHEL上での開発作業を進める場合、さらに多くのものが必要だった。もちろん、RHELをベースとしたコミュニティープロジェクトによる「Fedora」や、RHELとの完全互換を目指している「CentOS」(いずれも無償)も役に立つのだが、まったく同じというわけにはいかない。

 そういった状況のなか、Red Hatは米国時間3月31日、同社のRed Hat Developer Programの一環として、RHELの無償サブスクリプション「Red Hat Enterprise Linux Developer Suite」の提供を開始したと発表した。このサブスクリプションを利用することで開発者は、エンタープライズ向けアプリケーションを開発できる安定した開発プラットフォームを使えるようになる。なお、このサブスクリプションではサポートへの問い合わせや、本番アプリケーションの構築はできない。

 また補足だが、Red Hat Developer Programの参加者は「Red Hat JBoss Middleware」ポートフォリオも無償で入手できる。

 今回新たに提供されたサブスクリプションにより、クラウドネイティブなアプリケーションおよび/あるいはマイクロサービスを開発している開発者は「Red Hat Container Development Kit」(CDK)にもアクセスできるようになる。CDKは、コンテナ開発向けとしてRed Hatが厳選した、ツールとリソースのコレクションだ。

 また、CDKのユーザーは開発目的に限り、「OpenShift Enterprise」の「Red Hat Enterprise Linux Server」とローカルデスクトップのインスタンスにアクセスできる。

 RHEL Developer Suiteには以下のものが含まれている。

  • 「RHEL 7 Server」
  • 開発ツールの長期サポート。RHELの各メジャーリリースには、PythonやPHP、Ruby、OpenJDK 7(1.7)、OpenJDK 8(1.8)といったさまざまな基本ツールが含まれており、それらはOSと同様、10年間にわたってサポートされる。
  • 開発ツールの頻繁なアップデート。オープンソース関連のさまざまなプログラミング言語やデータベース、ウェブサーバ、開発ツールが年次ベースで最新の安定版にアップデートされ、「Red Hat Software Collections」や「Red Hat Developer Toolset」として提供される。

 Red Hatの広報担当者は米ZDNetに対して、「これ(RHEL Developer Suite)はRed Hatにとって初めてのアプローチだが、2014年のRed Hat JBoss Middlewareポートフォリオでのものとよく似ていると言える。開発者は無償で利用できる。われわれが行ったのは実質的に、開発者に向けた企業向けスタックの開放だ。RHELとJBossが使えるところをスタート地点にすることで、次世代のアプリケーション開発が加速化するとともに、そうしたアプリケーションの配備も加速化するはずだ」と語っている。

 RHEL Developer Suiteはこのページからダウンロードできる。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  2. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  3. ビジネスアプリケーション

    新規アポ率が従来の20倍になった、中小企業のDX奮闘記--ツール活用と効率化がカギ

  4. ビジネスアプリケーション

    カスタマーサポート業務で生成AIはどう使えるか、代表的な活用場面を解説

  5. セキュリティ

    「どこから手を付ければよいかわからない」が約半数--セキュリティ運用の自動化導入に向けた実践ガイド

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]