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米ZDNet編集長Larryの独り言

エンタープライズストレージ市場はいかに変わる?--クラウドの活用状況など

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2015-07-31 06:30

 EMCの第2四半期の決算と修正された2015年通年の業績見通しは、従来のストレージ市場の転換点と解釈し得るものを示していた。

 「ITの変革を計画している顧客が、従来のインフラストラクチャの刷新に関して、一層保守的になっているようだ」。EMCの最高経営責任者(CEO)であるJoe Tucci氏はこう語った。

 保守的になる理由は十分にある。あらゆるグローバル企業にとって、通貨の変動や地政学的な混乱は重要な問題だ。しかし、Tucci氏の発言が意味することは、企業がデジタルに移行しているという現実だ。そしてそうした企業は、自前のインフラストラクチャではなく、クラウドやソフトウェア定義の資産でデジタルに移行するかもしれない。

 競合のNetAppもここ数四半期は苦戦している。データセンターを構成する要素(サーバ、ネットワーク機器、ストレージ)に目を向けると、どれも、ハードウェアからより多くを引き出すソフトウェアかクラウドの脅威にさらされていることが分かる。

 ストレージは、バックアップから顧客データ、アナリティクスまで、さまざまな用途に使われる極めて重要なハードウェアであり、しばらくの間、クラウドによるディスラプションから守られてきた。ストレージがオンプレミスで運用されてきた理由は、ガバナンスと規制、そしてデータの移動に伴うコストだった。

 しかし、クラウドが関連するすべてのものがそうであるように、最初の需要は小さくても、後で拡大していく。

 エンタープライズストレージに関して、Tech Pro Researchはいくつかの変動要素に注目した。その調査で判明した重要な点は、意思決定者は今もローカルストレージを好むが、クラウドのオプションに目を向けることが増えている、ということだ。下の表を見てほしい。Tech Pro ResearchがIT分野の意思決定者126人を対象に実施した調査を元にしたものだ。

figure_1

 クラウドに目を向けている回答者が好むベンダーは以下のとおりだ。

figure_2

 オンプレミスのストレージを選ぶIT顧客には、以下のようなベンダーが好まれている。

figure_3

 企業のストレージは当面、クラウドとオンプレミスの共存状態が続くようだ。時間がたつにつれて、ストレージのクラウドへの移行が加速していくだろう。現在はビッグデータのために、ストレージをSSDシステムにアップグレードする必要が生じている。そのサイクルが終われば、クラウドはさらに有力な選択肢になるだろう。

figure_4

 データがなくなることはない。収集するデータの量は増える一方だ。その結果、事実上のハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)システムを検討する企業が増えるだろう。気をつけなければならないのは、それらのHPCのようなシステムは高価だということだ。いずれ、企業はクラウドのキャパシティをレンタルして、計算処理を行うようになるだろう。

 ストレージは時間とともにゆっくりと比較的静かにクラウドに移行していくのではないか、と筆者は考える。ソフトウェア定義のインフラストラクチャの登場によって、データは最も効率の良い場所に移動するだろう。ストレージは、ある程度は自前のデータセンター内に残るはずだが、多くはクラウドに移るだろう。Tech Proの調査結果は数年後には大きく様変わりすると筆者は予想している。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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