ITRは7月9日、エンドポイントマルウェア対策、ディスク暗号化、DLP(Data Loss Prevention)、IRM(Information Rights Management)など全8分野を対象として、国内28ベンダーへの調査に基づく市場動向と分析をまとめた市場調査レポート「ITR Market View:エンドポイントセキュリティ市場2014」を発刊した。
レポートの主なトピックは以下の通り。
- エンドポイントマルウェア対策:2013年度もモバイル向けと仮想環境向けのマルウェア対策、アプリケーション制御が高成長を維持
- ディスク暗号化:2013年度ウインマジックの躍進で市場は21.2%の大幅増、2014年度も高成長を維持する見込み
- DLP:2013年度はシマンテックの大幅な売上減で市場は18.6%減と大幅な縮小
- IRM:大口案件の増加で、2013年度の市場は23.6%増と大幅に拡大
今回のレポートで大きな動きを見せたのはIRM製品。機密性の高いデジタルコンテンツを保護するための技術として数年前から注目を集めており、大手製造業中心に導入が進んできた。同市場のプレーヤーとしては、Officeとシームレスに利用できる点が強みのMicrosoftと、大手製造業で豊富な導入実績を持つ日立ソリューションズが激しいシェア争いを展開しており、市場の伸びを牽引している。
2013年度には金融業や公共部門での新規導入が進んだことにより、同市場の2013年度の売上金額は17億3000万円、前年度比23.6%増の大幅な伸びとなった。グローバル化を志向する製造業において、CADファイルの保護などで注目度が高まっていることから、2014年度も引き続き同21.4%増の大きな伸びを見込んでいる。2013年度から2018年度までの年平均成長率(CAGR)は15.1%と、高い伸びを予測している。