富士通は12月6日、垂直統合型データベース(DB)システム「FUJITSU Integrated System HA Database Ready」の販売を開始した。税別価格は6730万円。1月下旬から出荷する。ハードウェアとソフトウェアを一体化した垂直統合型プラットフォーム「Dynamic Integrated Systems」の第1弾になる。
Integrated System HA Database Readyは、IAサーバ「PRIMERGY」やストレージ「ETERNUS」(容量は9Tバイト)、ネットワーク機器「SR-X」、OSに「Red Hat Enterprise Linux」、中核となるDBにオープンソースソフトウェア(OSS)の「PostgreSQL」を搭載している。
富士通のDBソフトウェア「Symfoware」独自のミラーリングでシステムを完全二重化し、データをETERNUSに自動バックアップする三重化構成で提供。これで万一のトラブルでも業務を継続できるという。I/Oボトルネック解消策として、1.2TバイトのPCIe SSDにDB全体を搭載している。富士通の従来のDBシステムの最大20倍の性能でトランザクションを処理できると説明している。
Integrated System HA Database Ready SX1
今回の製品では、リソースを最大限に活かすためにチューニングされた状態で提供される。複雑な導入や設定の作業が不要となり、誰でもすぐにシステムを利用できるという。
導入後の運用では、システム全体の稼働状況が一目で分かるように、同社の統合運用管理ソフトウェア「Systemwalker」の技術を活用した監視機能を搭載している。富士通のシステム構築実績から型決めしたリカバリパターンに基づくバックアップとリカバリ機能も搭載し、日々のバックアップも自動的に運用される。
ハードウェアやソフトウェアの状況を自ら判断し、最適化を図るという富士通独自の技術「スマートソフトウェアテクノロジー」を活用して、ハードウェア故障からの復旧時でもワンクリックでDBを回復する。正サーバと副サーバを交互に切り替えて、修正のためのパッチファイルなどを自動適用することから、業務を止めることなくメンテナンスを展開できる。
今回のシステムでは、PostgreSQL互換のインターフェースを提供しており、既存のソフトウェアとの接続性や親和性を高められると説明。PostgreSQLのバージョン間の互換保証も行い、ユーザー企業のこれまでのソフトウェア資産を継承できるとメリットを強調している。
今後はOSSを中心としたミドルウェアや開発ツールとの連携を検証していく。同社のアプリケーションサーバ「Interstage Application Server」との接続に加え、アプリケーションサーバ「Red Hat JBoss Enterprise Application Platform」との接続検証を米Red Hatと共同で進めていく。
Integrated System HA Database Readyは、導入と運用に最適な構成で提供するDynamic Integrated Systemsの第1弾として、DBシステムに最適化された垂直統合型の製品。現在、提供しているプライベートクラウド向け統合パッケージ製品「Cloud Ready Blocks」も、Dynamic Integrated Systemsのひとつとして強化していくことを明らかにしている。