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スパムメールの収益性が明らかに

文:Adam O'Donnell(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:石橋啓一郎

2008-11-12 23:41

 カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究者が、Stormボットネットによって生成されているスパムメールの投下資本収益率を明らかにした。1通のメッセージに対する応答率は驚くほど低いにも関わらず、この率はスパム業者が収益を上げるには十分なものだった。

 2008年のACM Conference on Computer and Communication Securityで、Stefan Savage氏、Vern Paxson氏とそのチームは、スパムメールの換算率、すなわち製品販売における広告効果を計測した結果を示す論文を発表した。同チームは、データの収集にあたり、かなり攻撃的な手法を用いている。同チームはこのために、Stormボットネットの一部を乗っ取り、彼らがコントロールしているドメインと店舗へのリンクを含むスパムメールを挿入した。

 同チームのデータと分析は、さまざまな「男性機能強化」製品の平均支払額100ドル前後の販売を28件行うのに、3億5000万通のスパムメールが必要だったことを示している。この比率から推測すると、Stormボットネットによる医薬品の年間販売額は約350万ドルとなる。

 私がこの論文の内容でもっとも興味深いと思ったことは、アンチスパム技術の品質を地理によって直接的に計測していることだ。スパムの応答率がもっとも低い国には、米国と日本が含まれている。このどちらも、アンチスパム技術に多くの投資を行っている国だ。2008年初めの時点で、アンチスパム技術の水準が低かったのは、インド、パキスタン、ブルガリアだったように見える。

 この研究者グループは、スパム業者の利益幅はアンチスパム技術によって敏感に変わるように思われると述べている。私は、もし世界の全員が効果的なアンチスパムソフトウェアを使うようになったら、スパムの収益性はどうなるだろうかと考えている。

編集部注:本記事において、「さまざまな「男性機能強化」製品の平均支払額100ドル前後の販売を28件行うのに、350万通のスパムメールが必要」としておりましたが、必要なスパムメール数は3億5000万通でした。お詫びして訂正致します。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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