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「iPhone 15 Pro/Pro Max」ファーストインプレッション

David Lumb Patrick Holland (CNET News) 翻訳校正: 矢倉美登里 長谷睦 佐藤卓 (ガリレオ)2023年09月14日 12時45分

 米国時間9月12日に開催された、毎年恒例のAppleの秋の新製品発表イベントが終わった後に、筆者は「iPhone 15 Pro」「iPhone 15 Pro Max」の実機に触れる機会を得た。この2つのデバイスを初めて手にしてすぐに、これまでのiPhone Proモデルと比較して、大きな改良点が1つあると感じた。新型のプレミアムモデルであるこれら2機種では、2022年の「iPhone 14 Pro」「iPhone 14 Pro Max」に用いられていたステンレススチールの代わりに、筐体の素材にチタニウムを採用しており、これによって軽量化し、持ちやすくなっていたのだ。このチタニウム製筐体が、2023年モデルで最もすぐに目に付く違いだが、iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxで目立つ新たな特徴は、ほかにもいくつかある。

iPhone 15 Pro Maxのカメラ
iPhone 15 Pro Maxのカメラ
提供:Patrick Holland/CNET

 Appleは近年、「Pro」モデルを用いて既成概念の枠を越える新たな技術を試しつつ、「Pro」がつかないスタンダードモデルでは前年度に「Pro」モデルで導入した技術を使う方針をとっている。これにはコスト削減と、高価格のプレミアムモデルへのアップグレードを促す意図があるとみられる。今回もこの方針は不変で、スタンダードモデルの「iPhone 15」「iPhone 15 Plus」では、2022年には「Pro」モデルにのみ導入されていた機能が採用されている。iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxもこの方針を踏まえている。「iPhone 15 Ultra」がリリースされるとのうわさがあったが、結局これは事実でないことが判明したため、今のところ、iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro MaxがApple製のスマートフォンでは最も先端的なモデルとなる。

 iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxは、縁が前モデルよりもやや丸みを帯びていて、手になじみやすくなっている。筆者は非常に混み合ったデモルームで約30分試用しただけだが、これまでより軽くコンパクトになったことに良い印象を持った。新型モデルは、ベゼルが細くなり、前面ディスプレイにガラスが占める割合が増えた(それでもディスプレイ自体のサイズはiPhone 15 Proが6.1インチ、iPhone 15 Pro Maxが6.7インチで前モデルと同じだ)。

 色については、従来の黒系と白系に相当するブラックチタニウムとホワイトチタニウムのほか、ブルーチタニウムと灰色がかった「ナチュラル」チタニウムという4つのメタリックカラーが用意されている。

 iPhone 15 Proの価格は999ドル(日本では税込15万9800円)から、iPhone 15 Pro Maxの価格は1199ドル(同18万9800円)からだ。後者は2022年に発売された「iPhone 14 Pro Max」の1099ドル(同16万4800円)より高くなっているが、最廉価モデルの内部ストレージの容量は256GBと、前モデルから倍増している(編集部注:iPhone 15 Pro は米国での価格は前モデルと同じだが、日本での価格は128GBモデルで1万円高くなっている)。

 事前にうわさされていたように、iPhone 15 ProとPro Maxでは「Lightning」ポートが廃止されてUSB Type-C(USB-C)ポートに変わり、最大10Gbpsのデータ転送速度を実現している(スタンダードモデルのiPhone 15と15 PlusのポートもUSB-Cに変更された)。

 さらに、もう1つ新しい機能がある。iPhoneで長年採用されてきた消音スイッチに代わるアクションボタンだ。デフォルトでは、長押しすることで消音(マナー)モードをオンオフできる。さらにこのボタンをカスタマイズして、フラッシュライト(懐中電灯)を点灯させる、ボイスメモで録音を開始する、さらにはカメラアプリを開くなど、さまざまなショートカットを起動できる。筆者はカメラアプリを開いたのち、このアクションボタンに物理シャッターボタンの機能を持たせて写真を撮ってみたが、ソニーの「Xperia 1 V」で専用の物理シャッターボタンを使っているときのような感覚を覚えた。

強化されたカメラとズーム

 iPhone 15 ProとPro Maxのメインカメラは48MPで、さらに大型化されたセンサーを搭載している。デフォルトの写真の解像度は24MPで、LiDARスキャナーが光の少ない場所での撮影や夜間の撮影をサポートする。また、2022年モデルのiPhone 14 Proに引き続き、12MPの超広角カメラを備えている。

 だが、2023年モデルの大きな特徴はズーム機能の向上だ(ただしこれはプレミアムモデルのProシリーズでも、大型のPro Max限定の機能だ)。iPhone 15 Proは3倍光学ズームカメラ(77mmレンズに相当)という、前モデルの仕様を踏襲しているが、Pro Maxは5倍光学ズームカメラ(120mmレンズに相当)を搭載している。このカメラは、光を複数回屈折させる「テトラプリズム」設計により、iPhoneの小型の筐体内でより多くのズームオプションを実現した。筆者はPro Maxの新しい望遠カメラを試してみたが、3倍ズームと5倍ズームの違いには目を見張るものがあった。さらにデジタルズームを活用して、25倍というiPhoneとは思えない倍率にまで拡大することもできた。

iPhone 15 Pro Maxの「テトラプリズム」設計
iPhone 15 Pro Maxの「テトラプリズム」設計
提供:Apple

 Appleはまた、より多くのプロ写真家にアピールしようと、カメラアプリのインターフェイスにより段階の細かいズームオプションを追加した。カメラアプリを開いて1倍ズームボタンをタップするとことで、一般的な焦点距離(24mm、28mm、35mm)を切り替えたり、そのうちの1つをアプリ起動時のデフォルトの焦点距離として設定したりできる。

 さらに、iPhone 15 ProとPro Maxのカメラでは、Logエンコードの新しいオプション追加などで動画機能が強化された。また、データ転送速度の速いUSB-Cケーブルの採用により、極めて鮮明な「Apple ProRAW」形式で撮影した写真を、即座にiPhone 15 Proから「Mac」に転送できるようになった。さらに、ProRes形式の動画を外部ストレージドライブに直接録画することも可能だ。

 iPhone 15 ProとPro Maxには、空間ビデオ撮影という、先進的な機能も搭載されている。この機能を利用すれば、複数のカメラを使って奥行きのある動画を撮影し、拡張現実(AR)/仮想現実(VR)ヘッドセットの「Apple Vision Pro」で視聴できる。だが残念ながら、この機能は2023年内の後日提供となる予定だ。

iPhone 15 Pro/Pro Max

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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