Adobeとサムスンが、スマートフォンで高画質な写真を扱う際に直面する悩みの1つを軽減するために手を結んだ。具体的には、サムスンがこのほど発表したスマートフォンの新モデル「Galaxy S23」「Galaxy S23+」「Galaxy S23 Ultra」で「Adobe Lightroom」が、写真のプロや愛好家が好むRAW形式の写真を処理する唯一のデフォルトソフトウェアとして採用された。
ほとんどの人にとっては、スマートフォンに写真を保存するために以前から使われてきた、プレーンなJPEGあるいはHEIC形式で十分だろう。しかし、Adobeが開発したDigital Negative(DNG)形式で保存されたRAW写真なら、画質が高いうえに、露出、カラーバランス、シャープネスなどを調整する際により柔軟な編集が可能になる。
問題は、RAWファイルの扱いづらさだ。そのため、サムスンとAdobeの提携は注目に値する。両社によると、サムスンのカメラアプリ「Expert RAW」で写真を撮れば、1回タップするだけでその写真を直接Lightroomで開けるようになるという。
LightroomはS23シリーズのスマートフォンにプリインストールこそされないが、ユーザーに対してはインストールを促すメッセージが表示され、インストール後はLightroomがデフォルトのRAW写真エディターになると、Adobeで写真マーケティング責任者を務めるStephen Baloglu氏は述べた。スマートフォン版のLightroomは無料で利用できるが、月額9.99ドル(日本では税込1078円)のサブスクリプションプランに加入すれば、複数ある有料機能が利用でき、ノートPCとの写真の同期も可能になる。
Baloglu氏によると、Lightroomには特定のレンズで歪みが生じるといった光学的な問題を修正できる機能があり、Adobeはサムスンの協力のもと、Galaxy S23シリーズの前面カメラと背面カメラすべてにレンズ補正機能を提供したという。Adobeは過去にも、サムスンの以前のモデル、さらには「iPhone」などの他のスマートフォンでも同様の対応をしたことがある。
Lightroomには写真の同期機能も備わっているため、S23シリーズのユーザーは、「Galaxy Book3 Ultra」や「Galaxy Book3 Pro」など、サムスンの新しいノートPCにもRAW写真を取り込むことが可能になる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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