消費者向けプライベートブランドのポートフォリオ拡充を図るWalmartが、ニッチな衣料品企業を新たに買収する。世界最大規模の小売企業Walmartは米国時間6月16日、高級志向の男性衣料品をオンライン販売するBonobosを3億1000万ドルで買収する計画を発表した。
買収完了後、Bonobosの創業者で最高経営責任者(CEO)のAndy Dunn氏は、Walmartの米国Eコマース部門に加わり、Jet.comの元CEOで現在Walmartのオンライン部門を統括するMarc Lore氏の直属として、同社がデジタル展開する一連の垂直ブランドを監督する。
Bonobosは今後Jet.comの独占販売ブランドとなる見通しだ。Walmartは都市部のミレニアル世代獲得を狙って、2016年にJet.comを30億ドルで買収した。
今回の買収の背景で、Walmartは興味深い進化を遂げている。ディスカウント小売企業として始まった同社は、Eコマース事業に多額の投資をしており、オンライン部門の売り上げは63%増加したと最近報じられていた。
Lore氏をEコマース責任者に迎えたWalmartは、ファッション部門を重視し、既存の枠にとらわれないオンラインショップを追求する取り組みに乗り出している。そうしたショップは、豊富に展開される同社のブランドに加えられ、新たな顧客層へのリーチを拡大しうる。
Walmartは3月、独立系オンライン小売企業ModClothを買収した。ModClothとそのウェブサイトは現在も独立した事業を展開しているが、正式にはWalmartの別のEコマースサイトを補完するブランドとして位置づけられている。
BonobosもModClothも、Walmartの豊富な資金力、物流リソース、Jet.comなどのEコマースサイトからの大規模な顧客基盤の恩恵を受けている。Walmartは、ファッション、一般衣料、家庭など多岐にわたる主要分野で基盤を築き、広範囲にわたるEコマース戦略を支えている。
今回の買収発表の直前には、AmazonがWhole Foodsを137億ドルで買収する計画を発表している。Amazonは、Walmartの主要分野の1つである食料品市場のシェア拡大を狙っており、今回の買収で小売大手2社の競争はますます過熱している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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