サンフランシスコ発--Mark Zuckerberg氏は1年前、サンフランシスコで壇上に立ち、Facebookとアプリ開発者のさらに良好な関係を約束した。同氏は米国時間3月25日、その約束を果たした。
世界最大のソーシャルネットワークFacebookの最高経営責任者(CEO)であるZuckerberg氏は、Facebookを世界のアプリ開発者に利用される人気サービスにするという取り組みを大々的にアピールした。同氏は当地で開催の開発者会議F8の冒頭で講演し、堅実でバグの少ないソフトウェアの提供という点で、自社の進歩に満足していると述べた。また、Facebookの「Messenger」コミュニケーションツールを使って動画の送信を可能にするテクノロジなど、新しいツールも発表している。
「人々が必要としているのは、自分にとって重要なすべてのことを、自分の大切なコミュニティーすべてに表現できることだ」。Zuckerberg氏は会場を埋め尽くす開発者と報道関係者に対して、このように述べた。
Facebookにとって表現という概念は、Appleにとっての製品デザインと同じくらい重要なものになっている。Zuckerberg氏によれば、ユーザーが自分自身を表現できるという点こそが、Facebookとシリコンバレーにある他の大手テクノロジ企業の違いだという。一般の人々のFacebookに対する信頼も、同サービスの継続的な利用を促進するだろう。Zuckerberg氏はインターネットアクセスをインド、ガーナ、コロンビアといった発展途上国に拡大するFacebookの取り組みについて語るとき、同氏はよく、Facebookによって人々がよりオープンな形でコミュニケーションを取れるようになると喧伝する。
アプリ開発者はTeam Zuckerbergに反応しているようだ。トップ100アプリのうち80がFacebookのサービスを利用しており、Facebookの広告ツールや開発ツールと連携するアプリも増えている。これはFacebookにとって重要なことである。なぜなら、写真のアップロード、ゲームのプレイ、記事の共有など、同ソーシャルネットワーク上でできることが増えれば増えるほど、Facebookは日々の生活により深く浸透するからだ。それによって、広告主にとっての魅力も増すことになる。
Facebookには、主に開発者の関心を引きつけておくために、新しいアイデアを発表し続けなければならない、というプレッシャーもある。GartnerのアナリストであるBrian Blau氏は次のように述べた。「Facebookには、何もせずに傍観し、極めて大規模なユーザーベースの好意を当てにする余裕はない。常に改善を進め、ユーザーベースに十分な機能を提供し、アプリエコシステムを拡大させなければ、すぐに時代遅れのサービスに成り下がるだろう」
Facebookは、大いに力を入れているMessengerとは別に、明らかに競合他社を標的にした新しい取り組みもいくつか発表した。たとえば、アプリ開発者のプログラムが消費者にどう使われるかをテストし、詳細に追跡する新しいツールだ。同様のサービスは、Yahooの「Flurry」や、App Annie、Twitterなども提供している。
競合を意識した取り組みとしては、他にも新しい動画機能があり、ウェブサイトにFacebook上の動画を簡単に組み込めるようになった。この機能はGoogleのYouTubeの重要なテクノロジだ。業界調査会社のAlexaによると、YouTubeは現在、FacebookとGoogle本体に次いで、訪問者数世界第3位のサイトだという。
Facebookはテクノロジツールスイートを継続的に拡大することで、アプリ開発者が利益を得るのを支援し、ユーザーに同サービスをもっと長時間利用する理由を示す必要がある。今回のすべての発表は、Zuckerberg氏がそれをはっきりと認識していることを示していた。
「基本的に、われわれは開発者と話をして、彼らのニーズを理解したいと考えている」。Facebookのエンジニアリングと開発者ツールの部門を統括するMike Vernal氏はこのように述べた。「開発者が必要としているものは、当社が現在提供しているものよりはるかに多い」(Vernal氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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