Spectre x360の設計では、バッテリ持続時間を最大限に引き延ばすことが目標となっており、HPによると同社は稼働時間を最大化するためにMicrosoftと緊密に連携し、ドライバや設定を調整し、さらには物理的な設計もチューニングしたという。HPは例として、PCに昔から装備されているハードディスク動作インジケータの除去を挙げた。これは省電力にはほんの少ししか貢献しないとはいえ、バッテリ持続時間を無駄に縮めているのだ。
HPから提供されたSpectre x360を用いた予備テストでは、動画の連続再生で12時間のバッテリ運用という素晴らしい成績を残し、「MacBook Air」といったトップクラスの製品群と肩を並べた。ちなみに、ほとんど似たようなシステム構成である2台のDellの「XPS 13」システム(プロセッサも同じIntelの第5世代Core i5)では、高解像度のタッチスクリーンモデルは約7時間、タッチスクリーン非搭載で解像度が1920×1080ピクセルのモデルはSpectre x360と同等の約12時間という結果になっており、システム構成によってバッテリ持続時間は大きく左右される可能性が示されている。
手に持ってみるとSpectre x360はプロフェッショナル向けのPCのような洗練された手触りになっているが、3.26ポンド(約1.45kg)という重量はDellのXPS 13やLenovoの「Yoga 3 Pro」がいずれも約2.6ポンド(約1.19kg)、MacBook Airが2.96ポンド(約1.35kg)である点を考えると、想像以上の重さを感じた。ヒンジ部分はスムーズに回転し、固定に必要なだけの十分な剛性もあった。HPによると、内部のメカニズムにはヒンジ1つあたり3枚のギアがかみ合う新たな設計を採用しているのだという。
バックライト付きのキーボードでは、キーボードトレイ部分が沈み込んでおり、ゆったりしたキー配列のアイランドスタイルが採用され、その四隅が丸められているという点でHPの他のシリーズ製品とよく似たスタイルとなっている。タッチパッドは、HPのこれまでのハイエンド製品のいくつかで採用されていた幅広のものだが、「Windows 8」のチャームバーを起動するために確保されていた端部のWindows 8コントロールゾーンは用意されていない。つまり本製品ではうれしいことに、全面がタップやスワイプ可能なスペースとして利用可能となっている。
現在米CNETでテストしているSpectre x360のシステム構成は、13.3インチで解像度が1920×1080ピクセルのタッチスクリーンを搭載し、プロセッサはIntelの「Core i5-5200U」、ストレージは256GバイトのSSD、RAMは8Gバイトであり、このモデルは米国では999.99ドルで販売されている。ストレージ容量とRAMを半分にした899.99ドルのモデルも用意されている一方、3200×1800ピクセルという高解像度ディスプレイと512GバイトのSSD、より高速なCore i7プロセッサを搭載したモデルもこの春に登場するはずだ。このモデルは米国では1399.99ドルで販売される予定になっている。
テストした999.99ドルのモデルはDellのXPS 13や、AppleのMacBook Air、Lenovoの「Yoga 3」と勝負できる仕様となっている。これらの製品はすべて、スリムで洗練されたデザインとなっており、100ドル以内の差で似たようなシステム構成となっているものの、タッチスクリーンやハイブリッド機能の搭載有無、OSなどが異なっている。
ビデオ | Mini DisplayPort(1基)、 HDMIポート(1基) |
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オーディオ | ステレオスピーカー、 ヘッドフォン/マイク兼用ジャック |
データ | USB 3.0(3基)、 SDカードリーダー |
ネットワーク | 802.11ac Wi-Fi、 Bluetooth 4.0 |
光学ドライブ | 非搭載 |
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