Fire Phoneが持っている1280×720pのHDスクリーンは、1080pのHDやクアッドHDの画面を持つ機種に比べるとそれほど解像度は高くないが、ピクセル密度は315ppiであり、かなりのものだ。実際、Fire PhoneとHTCのOne M8で4Kの壁紙や拡大した文字を比べたときも、目を凝らさないと違いが分からなかった。
ボディには、前面の下端に小さな細長いホームボタンがあり、左側面には音量ボタン、SIMカードスロット、汎用キーが配置されている。ホームボタンをダブルクリックすると最近使用したアプリが表示され、長押しすると通話やメッセージの送信などの簡単なボイスコマンドが使える。同様に、汎用キーを1回押すとカメラが起動し(その後は、左側面のどのボタンを押してもシャッターが切れる)、長押しすれば組み込みのスキャニングアプリ「Firefly」が使える(これについては後述)。残念ながら、サムスンの「GALAXY S5 Active」のように、汎用ボタンの使い方をカスタマイズして、他の機能を持たせることはできない。
上側面には画面ロックボタンがあり、下側面には充電用のMicro-USBが置かれている。スピーカーグリルの右側にあるレンズは自分撮り用であり、背面のカメラには横にLEDフラッシュがある。このデバイスは密封されており、背面カバーを開けることはできないが、32Gバイトの内蔵ストレージを持っているため(足りなければ750ドルで64Gバイトモデルが用意されている)、たいていの場合はそれで間に合うはずだ。
これを3Dと呼ぶ人もいるだろうが、AmazonはDynamic Perspectiveという名前を付けた。この難しい言葉は、このスマートフォンの視覚効果を指すもので、スマートフォンの傾け方によって画面に表示されるものの角度が変わる。
Dynamic Perspectiveが使われているのは、角度によって見え方が変わるロック画面(一部のものは、ジオラマのように見える)や、ホーム画面のウィジェットやアプリトレイアイコン、メニューバーに畳み込まれた2番目以降の行、検索結果などだ。マップや一部のゲーム(「To-Fu Fury」や「Saber's Edge」など)にも本体の角度で変化するグラフィックが使われているし、ブラウザのページもスマートフォンを傾けることで上下にスクロールできる。もし邪魔になるようなら、この機能を完全にオフにすることもできるので、心配は無用だ。
カメラの操作では、「レンズ状」カメラモードでDynamic Perspectiveが利用されており、あるシーンの複数の写真を1つにまとめることで、ホログラムやGIFアニメのようなぎくしゃくと動く画像になる。
では、Dynamic Perspectiveは単なるギミックなのだろうか?そうとも言える。この機能がどうしても必要な場面はないからだ。だが、この機能が見せてくれるものの一部はとてもクールに見える。Amazonは、新しいハードウェアのトレンドを作ろうと試み、それを単に3Dのロック画面で終わらせず、OSのさまざまな場所に組み込もうとしている点で賞賛に値する。ただ、一目見たときから、スマートフォンの使い方を変えるような重要なものではなく、パーティでの話のタネのように感じられてしまうことも確かだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力