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電子書籍市場に課金モデルの新潮流--無料読み放題サービスの狙い

明石竹史(ドコモ・ドットコム)2014年04月17日 08時00分
特集

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 スマートフォンの普及とともに拡大を続ける電子書籍市場だが、インターネットメディア総合研究所の「電子書籍ビジネス調査報告書2013」によると、2012年度の電子書籍市場は729億円で、今後も市場拡大が進み、2017年度には2390億円に到達すると予測されている。

 その一方で、紙媒体の書籍・雑誌推定販売額は前年比3.3%減の1兆6823億円と、9年連続で前年を下回り、縮小傾向が続いている。雑誌を除いた書籍に限定しても、前年比2.0%減の7851億円で、7年連続で前年より減少しており、縮小傾向は変わらない(出典元:SankeiBiz 2014年1月24日より)。以上の数値からも、書籍市場において電子書籍の重要性が日々増していることがわかるだろう。

 今後も拡大が予測される電子書籍市場であるが、現在はさまざまなストアが展開され、ユーザーの利用が各ストアに分散している印象を受ける。「ebook Japan」「電子書店パピレス」といったPCから提供を開始した老舗の電子書籍ストア、「コミックシーモア」「めちゃコミックス」といったフィーチャーフォン向けにサービスをスタートした電子書籍ストア、スマートフォンのOS事業者が提供する「iBooks」「Google Play ブックス」、リーダー用のタブレットと共に参入した「楽天kobo」「Kindleストア」、さらにケータイキャリアや大手書店が展開するサービスなど、その背景も多様化している。

 以前は、フィーチャーフォンとPCといったデバイスの違いが大きな壁となり、その壁を超えて競争されることはほぼなかった。しかし、スマートフォンやタブレットが普及、拡大し、PCやスマートフォン、タブレットといったデバイスにこだわらないマルチデバイスのサービス提供が主流となった今、電子書籍という1つの市場を巡ってさまざまなバックグラウンドを持つ事業者が覇権争いを繰り広げている状況となっている。

 数多くの事業者が参入している電子書籍市場であるが、各ストアを見比べてみると、課金モデルはほぼ同じといえる。書籍の一部をサンプルとして無料閲覧可能にし、興味・関心を抱いてもらったうえで、本編をポイント経由か直接課金にて販売する手法である。上記のモデルは、実際の書店で立ち読みした本をユーザーが購入するというモデルをそのまま電子化したと言うことができるだろう。多くのストアがこの課金モデルで展開しているため、課金面での差別化が図れていないことから、ユーザーは作品のラインナップや、価格、書籍の読みやすさ、サービスの使いやすさといった理由でストアを選択しているように感じる。

 このような状況下にある電子書籍市場において、最近新たな課金モデルを模索するサービスが登場している。それがコミックの無料読み放題サービスである。ここではこの新しいサービス形態について、出版社が取り組む2つの事例を紹介し、その狙いを考察したい。

 まず1つ目がディー・エヌ・エー(DeNA)の提供する「マンガボックス」である。講談社や小学館といった大手出版社と提携し、「進撃の巨人」や「金田一少年の事件簿」といった知名度の高いコミックのスピンオフ作品を含む38作品を無料でアプリ配信している。課金サービスは現状提供していないが、将来的には配信されているコミックの電子書籍化や単行本化によって収益化を図りたいとしている。無料のコンテンツをフックに集客し、集めたユーザーを後々課金へ流し込むという手法は、mobageで成功した手法をそのまま電子書籍にも当てはめたと言えよう。

 また、「マンガボックスインディーズ」という一般ユーザーがオリジナルの漫画を投稿できるサービスも提供している。投稿された漫画は電子書籍化され、アプリ内で配信される仕組みだが、こういった投稿を通じて新人作家の発掘、育成することもサービスの重要な目的となっている様子だ。

 もう1つは、3月にサービスをリリースしたKADOKAWAの「ComicWalker」である。KADOKAWAは既に有料の電子書籍サービス「BookWalker」を提供しているが、「ComicWalker」はコミックに特化した無料読み放題サービスとして位置づけられ、KADOKAWAの発行する電子コミック200作品を無料で提供している。さらに読みたいというユーザーについては「BookWalker 」に誘導し、課金を促す仕組みとなっている。また、こちらも「マンガボックス」同様、一般ユーザーの投稿を募集するコーナーを設置しており、優秀な作品を表彰するコンテストを開催している。

 紹介したこの2サービスは、いずれも課金サービスの主流であるフリーミアムモデルを電子書籍サービスに対して展開した事例と言えるが、では出版社が自社の作品を無料読み放題という形で提供する狙いは何であろうか。

 1つは、知名度の高い作品をフックに誘客し、その他数多くの作品をより多くのユーザーの目に触れされることであろう。中には、掲載された雑誌の発行部数が少なく、思うように読者の目に触れさせることができなかった作品もあるはずだ。無料読み放題サービスを通じて新たな読者を獲得し、雑誌やコミックの購入につなげたいという狙いが感じられる。

 もう1つは、新人作家の発掘、育成である。両サービスとも、掲載作品の配信とは別にコンテスト形式の作品募集を実施しており、優秀な作家を発掘、育成し、自社で囲い込みたいという意図が見て取れる。オリジナル作品の募集自体は、紙媒体の雑誌でも行っているが、各誌毎に読者が固定されている雑誌とは異なり、様々なユーザーの訪問が見込まれる無料電子書籍サービスで実施することにより、より多くの応募が期待できるという訳だ。

 サービス内でヒット作を生み出すことができれば、電子コミックの売上増に留まらず、紙媒体のコミックや小説の販売、さらにはアニメ、ゲームなどの版権ビジネスへの展開も期待できる。上記の2点から、有料のコミックを一部無料で提供するマイナス分よりもプラス分の方が大きいという判断が、出版社に無料読み放題サービス提供を踏み切らせたのではないだろうか。

 前半でお伝えした通り、現在の電子書籍市場は売上拡大を続け、多くのストアが激しいシェア争いを繰り広げている。とはいえ、まだまだ紙の書籍の方が売上も大きく、電子書籍が本格的に普及したとは言い切れないのが現状である。電子書籍のフリーミアムモデルと言うべき無料読み放題サービスが、電子書籍の本格普及の起爆剤となりうるのか、今後の動向が気になるところである。

◇ドコモ・ドットコム
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