ファッションECサイト「MAGASEEK」手掛けるマガシークは8月21日、スウェーデンのVIRTUSIZEが手掛けるバーチャル試着ソリューション「Virtusize」を導入することを明らかにした。
Virtusizeは、アパレルECサイトへの導入を想定したバーチャル試着ソリューション。ユーザーが興味を持つアイテムのページ上にある「Virtusize」のボタンを押すと、Virtusizeが起動する。そこで、そのアイテムと、あらかじめページ上の「すでに持っています」というボタンを押してバーチャルクローゼットに追加したアイテム、もしくは自分の手元で採寸したアイテムとのサイズの比較ができる。なおデータはECサイト側で用意する必要がある。
日本での導入はMAGASEEKが初めてとなる。当初はMAGASEEK上の約2万アイテムがサービスに対応。今後展開するアイテムについては順次対応を進める。
VIRTUSIZEは2011年にスウェーデンで立ち上がったスタートアップ。創業メンバーは5人で、「ファッション好き」を豪語する金融やITのバックグラウンドを持ったメンバーだという。「オンラインでショッピングをする際の一番の悩みは『試着できない』ということ。購入してもサイズが合わないのでは意味がない。ECサイトのユーザーとしても課題だと考えていた」(VIRTUSIZE代表取締役のエリック・エクストランド氏)
その後イギリスの大手ファッションECの「ASOS」と共同でリサーチを実施し、バーチャル試着ソリューションの可能性を確信。サービスの提供に至った。「本やCDは約50%がECだという数字があるが、ファッションアイテムはまだ世界規模でEC化されているのは3%ほどとも言われている。イギリスでもまだ20%程度。市場は大きい」(エクストランド氏)
マガシークへの導入までに欧州を中心に25サイト、合計4万アイテムでサービスを提供してきたVIRTUSIZE。日本市場の参入については3つの理由を挙げる。「1つ目は市場の大きさ。日本は世界で3番目の市場であり魅力的だ。2つ目は寸法。日本は欧州の各国と比べても、採寸の方法が各社でそろっているため、サービスを展開しやすい。そして3つ目は日本のユーザーが洗練されていること。ファッションECであれば最適なサイズでないと購入したがらないはずだ」(エクストランド氏)。
また、エクストランド氏の話の中で興味深かったのが、欧州と日本でのVirtusizeのニーズの違いだ。同氏によると、欧米のECにおける返品率は日本に比べて非常に高いという。そのため、導入事業者は返品率低減を目的にVirtusizeを導入するケースが多いそうだ。ドイツのあるECサイトでは、50%だった返品率が、Virtusize導入後には25%まで減少した事例もあるという。一方、日本の事業者と話をすると、「ユーザーエクスペリエンス向上のために導入したい」という反応が多いのだという。マガシークに導入の経緯を尋ねても、同様の回答を得た。
VIRTUSIZEでは、秋頃までに国内2~3社のECサイトにVirtusizeを導入する予定。今後は日本のほか、米国や韓国での導入も進めていく。
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