直近でいうと8月にフォロワー数が大きく伸びたんですが、それは夏フェスで会場からライブツイートしていたのが影響しています。また町山さんの映画塾!でおもしろいツイートがあるとそれに大きく反応が出ます。フォロワー数の増加やリツイート数を見ていくと、ユーザーの方がどんなコンテンツに興味を持っているのかが明確に見えてきます。
もちろんWOWOWとして一押しのコンテンツもありますが、Twitterの世界で支持されているものとズレが生じている場合もある。逆にそういう“気づき”をフィードバックすることで、社内でも役立てています。
コンテンツの中には10人中9人があまり興味を示さなくても、残りの1人がものすごくハマるものもあります。WOWOWは月額有料放送なので、実はそういったコンテンツやユーザーに支えられているんです。数値的には現れにくいですが、Twitterではそういったお客様の気持ちを汲み取ってフィードバックすることができる。Twitterから上がってくるお客様の声は、番組編成やコンテンツ制作などいろんな基準で使っていきたいです。
米田:加入者の中には、とあるアーティストのライブだけが見たいと思って加入される方もいます。そういうお客様に対してはほかの番組も見て欲しいですし、新しいコンテンツに出会って欲しい。そうした思いも込めて最近アクティブサポートをはじめました。
WOWOWに関連するツイートをされているお客様に、Twitter上でこちらから話しかけていくのですが、予想以上に好評をいただいています。最初はやはり突然話しかけて嫌がられたりしないだろうか、驚かれたりしないだろうかなどの懸念もありましたが、実際やってみるとみなさん思った以上に喜んでいただけているかなと。
ただこちら側の姿勢は、あくまで出すぎてはいけない。私はこれを「片想い」と言っています(笑)。映画なら映画をひたすら好きという姿勢を見せて、お客様に理解してもらうしかない。ゴールはないけれど映画を愛しているという姿勢を見せることで、お客様もフォローしてくれたりリツイートしてくれたりするのだと思います。
アクティブサポートがいい例なのですが、実際TwitterやFacebookを通してのコミュニケーションでは、お褒めの言葉ををいただくことが多いですね。そういう意味ではいままでコールセンターしかなかったお客様との接点がSNSで新たに増えたという印象です。
米田:WOWOWでは現在映画、洋楽、邦楽、テニス、ゴルフとコンテンツごとに16個のTwitterアカウントを持っています。映画が好きな人、テニスが好きな人、それぞれに必要な情報を届けるには、アカウントは分かれていたほうがいい。これだけ多くのコンテンツがある中で、すべてのコンテンツを届けたい人に届くようにSNSを使っていきたいと思います。
一方Facebookは、利用されている7割以上の方がWOWOWの加入者で、Twitterとは違うメディアだという認識があります。番組の情報や新しいサービスのお知らせなどをする場として、棲み分けています。
荒井:即時性ですね。リツイートが多い番組には、番組オフィシャルサイトの情報を厚くしたり手立てを打ちやすい。お客様が欲している情報が即時に目に見えてわかるのが、一番大きいと思います。
米田:WOWOWの場合は、テレビCMを打っても加入促進や企業イメージ広告など、打ち出せる内容に制約がある。そういう時にもSNSを使うことで、情報を上手く拡散させています。各アカウントの運営は我々デジタルリレーション部のメンバーが中心となって取り組んでいて、アカウントが多い分手間もかかりますが、相応の効果は上がっていると感じています。
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