連載第5回目「日本のソーシャルメディアマーケティング事例」を担当させていただきます、アジャイルメディア・ネットワークの長谷部です。
ここ数年、ソーシャルメディアの存在がより身近になり、皆さんの周りでもソーシャルメディアを活用したキャンペーンを見る機会が増えたことかと思います。今回は「日本のソーシャルメディアマーケティング事例」と題しておりますが、ソーシャルメディアマーケティングが現在のように注目される前の事例も含めて、ご紹介させていただきます。
また、今回のセレクトはあくまでも私が個人的に選ばせていただいたものである、という点をあらかじめご了承いただければと思います。それでは、一緒に楽しんでいただけると幸いです。
事例に入る前に弊社がお手本としている、「グランズウェル」(翔泳社)という、企業のソーシャルメディア活用のバイブルとでも言うべき書籍があるので、簡単に御説明させていただく。グランズウェルでは、ソーシャルメディア活用において下記の5つの戦略(5ステップ)を説いている。
この5ステップにおいて、グランズウェルでは、中長期的かつ段階的なコミュニケーションを通じて、「ファンの維持・拡大」と「マーケティング上の課題解決」を実現することが大事であるとしている。
以降、この5ステップに沿って、事例をご紹介させていただくので、まずは上記をよくご理解いただきたい。
グランズウェルで言うと傾聴にあたる。ソーシャルメディアでの顧客サポートの代表的な事例としてご紹介させていただくのは、スウェーデン発の家具、雑貨専門店「IKEA」で、商品やサービスについての質問に答えるAnna(アンナ)さん。
ユーザーがメーカーに問い合わせや質問をする際、通常であればコールセンターへ電話をすることが多いと思われるが、「IKEA」ではTwitterを活用し、ユーザーからの質問をオープンな場で受け付け、回答している。受け答えしてくれるアンナさんは、全ての質問に対してリアルタイムかつユーモアたっぷりに返事をしてくれる。
一例を挙げると下記のようなやり取りだが、こちらは第三者が読んでも、思わずにやりとしてしまう。
Q「自分は友だちが少ないです。IKEAでお友達は買えますか?」
A.「残念ながら、イケアストアではお友達は買えません。でも私でよければ、また話しかけてくださいね♪」
イケア・ジャパンのアンナさんを更に発展させたのが、アクティブサポートだ。アクティブサポートとはソーシャルメディア上に顧客が書き込んでいる不満や疑問を企業自らが検索し、彼らに直接話しかけてサポートすること。
その代表例として、ソフトバンクモバイルはとても有名。アクティブサポートの、きちんとした対話を通して、お客様の不満や疑問を解消することにより、顧客満足度とLife Time Value(LTV:生涯価値)が高められる。
アクティブサポートはとても難しく、実施している企業が少ないことも事実。ただソフトバンクモバイルのように積極的に顧客の生の声を傾聴し、会話していくことは、ソーシャルメディアマーケティングにおいて最も大事なことであり、効果的であることは間違いない。
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