アイデンティティについて、すでに問題になっている点がある。人々のハンドルネームは出生証明書に記載されていないが、多くの場合それは現実の人格になっており、そこには評判なども伴っていることだ。「Second Life」という仮想世界では、たとえ希望したとしても現実世界の名前を使うことは難しく、仮名のキャラクターが使われている。しかし、そうした仮名のいくつかはGoogleに受け入れられなかった。
Thinq_の状況説明によれば、Googleは、「Opensource Obscure」として知られるSecond LifeユーザーのGoogle+アカウントを一時停止したという。Googleは、「あなたのプロフィールを審査した結果、あなたの名前はGoogleのコミュニティー規約に違反していると判断した」と通知してきた。
Googleは、公開設定になっていないGoogleプロフィールを7月末にすべて削除する予定だが、Second Lifeユーザーのこのアカウント停止についてはコメントしておらず、アイデンティティについての一般的な立場を述べるにとどめている。
もう1つの例は、Rowan Thunder氏に起こった問題だ。Thunder氏のその名前は、友人や家族との間、そしてオンライン上では使われているが、法的文書に記載されている名前ではない。このケースでは、GoogleはThunder氏のアカウントを復活させたが、それはあいまいな状況のままで行われた。
Thunder氏は米国時間7月12日付けのGoogle+の投稿で、次のように書いている。「その過程で一番神経質になったのは、この件について正式な連絡が全くなかったことだ。まだ未処理だという確認もなければ、この件について対応しているという確認もなかった。Googleは審査に24時間かかると何度か発表しているが、わたしはそれ以上待たされた。実際に自分のプロフィールが復活しているのを知ったのは、誰かほかの人がそこを見に行って、元通りになっていると気づいたからだ」(Thunder氏)
米国電気電子学会(IEEE)のVirtual World Standards Workgroupでオブジェクト相互運用性を担当し、Second Life上ではAeonix Aeonという名前で知られているWilliam Burns氏はGoogleへの書簡で、Googleがアバターや、そのほかの仮名によるオンライン上のアイデンティティを除外していることに反対している。Burns氏は同時に、一部の人がオンラインで実名を公開しないことを選んだ主な理由として、プライバシー上の問題をあげている。
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