電子書籍端末もスパムの標的にされるようになった。大規模スパムの最初の標的となったのは、Amazonの「Kindle」向けセルフパブリッシングサービスだ。
Reutersの報道によると、スパムがセルフパブリッシングプラットフォーム上に発生していることには、いくつかの理由があるという。その理由とは、非常に低コストかつ容易に出版済みの別の書籍を再出版したり、全く新しい書籍を作り上げたりできることだ。
今回のニュースはそれほど意外なものではない。米ZDNetはKindleのスパムを発見し、偽物の書籍をダウンロードしたDavid Chernicoff記者が4月にこの問題を指摘している。Amazonは当時、その作家による書籍を全て削除したが、そうしたアプローチは場当たり的な対応のように思われた。Amazonがより広範な取り締まりを実施する必要があるのは明白だ。
インターネットマーケティングの専門家であるPaul Wolfe氏はReutersに対し、Kindleスパムはこの6カ月で急増していると述べた。
よく売れ始めた電子書籍をコピーして、それを新しいタイトルと表紙で再出版し、若干異なるユーザー層に訴求するという手法が存在する、とWolfe氏は説明した。
これまでのところ、Amazonが行った本格的なスパム対策は、一般的に文字数の少ない書籍を販売する「Kindle Singles」のローンチだけのようだ。しかし、それでは不十分だ。
Amazonは今よりも監視を強め、スパマーを根絶できる強固なシステムを設ける必要がある。さもなければ、Amazonは、自分たちの作品が盗作や改ざんの標的になることを避けたいと考える本物のセルフパブリッシャーや作家を失うことになる。また、電子書籍ストアを閲覧中に繰り返しスパムに遭遇することによって、まずは顧客が離れていくことになるだろう。
「Google eBooks」やBarnes & Nobleの電子書籍ストアなど、ほかの電子書籍ストアはまだスパムの被害に遭っていないようだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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