サンフランシスコ発--手を振るという動作は、挨拶をしたり人の注意を引いたりする上で、世界で最も一般的な手段の1つだ。だが、誰もが理解できるジェスチャー言語を丸々1つ作り出して、それを特別なカメラシステムと連携させ、世界中でうまく機能させるにはどうすればいいだろうか。
Microsoftがこの問題に直面したのは「Kinect」を開発しているときだった。同社は米国時間2月28日、当地で開催のGame Developers Conference(GDC)2011のセッションで、その問題について話した。GDC 2011は3月2日から本格的に始まっている。
セッションに出席したのは、Englobeの地球文化コンテンツストラテジストであるKate Edwards氏だ。Englobeは地政学や地図製作のコンサルティングを手がける企業である。Edwards氏が手短に説明したところでは、Microsoftが抱えていた課題は、Kinectのゲームが発売される可能性のある地域でその文化を辱めることがないようにするというものだった。
同じことを表現する方法は数多くあるが、それぞれの文化に固有のニュアンスがあり、ゲームメーカーが図らずも一線を越えてしまった場合、問題になる可能性があるとEdwards氏は述べる。そのような事態を避けるため、同社はユーザーがまねるゲーム動作のキャプチャ画像を分析し、ゲームが発売される地域に基づいて、問題のある動作を見つけ出した。
問題が特定されると、そのジェスチャーの代わりとして適しているものを見つけ出す。この作業は、Kinectのローンチタイトルで、ユーザーがさまざまなダンスの動きをつなげて行う「Dance Central」で必要だった。Edwards氏によると、変更が最も簡単だったものの1つは手を使う動作で、最も困難だったのは全身を使う動作だったという。全身を使う動作は特定のダンスや、ダンスの一連の流れに必要なことが多い。
GDCのセッションでは、ゲームをさまざまな言語にローカライズすることについても論じられた。ローカライゼーションは決して些末な作業ではない。Microsoftの国際プログラムマネージャーであるYumiko Murphy氏が同じセッションの中で説明したところによると、同社はそれぞれの音声コマンドに対応する代用語を考え出し、ユーザーがわざわざ新しいコマンドを覚えなくてもいいように、それらの代用語をゲームにプログラムしなければならなかったという。この作業は、手振りや声でバーチャルのジャングルキャットを手なずけるゲーム「Kinectimals」では非常に大変な作業となった。
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