Mozilla Foundationは5年前、ブラウザ戦争はまだ終わっていなかったということを明確にした。
「Netscape」は1990年代、Microsoftの「Internet Explorer(IE)」によってブラウザ市場の支配的な地位を失い、Netscapeから生まれた「Mozilla」と呼ばれるオープンソースプロジェクトは、世に広まることなく埋もれていた。Microsoftを同社のブラウザと「Windows」による反競争的慣行で告発した米国の独占禁止訴訟でさえも、市場の形勢を変えるには至らなかった。
しかし、2004年11月9日、「Firefox 1.0」が登場し、再び戦いが始まった。
もともと、Netscapeの灰から再生したことを象徴して「Phoenix」と名付けられた同プロジェクトは、現在、ブラウザ使用のほぼ4分の1を占めるまでになった。Microsoftは、逃走しているわけではないかもしれないが、防戦を強いられており、徐々にブラウザ開発の取り組みを戦闘態勢に戻しているところだ。
これは、現在Mozillaのエンジニアリング担当バイスプレジデントであるMike Shaver氏が、1997年にNetscapeに入社して以来、直接目にしてきた歴史である。
当時Shaver氏は若いプログラマーで、Linuxに取り組んでいたためオープンソースに傾倒していた。同氏は「Netscape Communicator」内でウェブベースのJavaScriptプログラムを実行するエンジンをオープンソースでリリースすることを提唱していたが、1998年にNetscapeがソフトウェアパッケージ全体をオープンソースにすると発表したことに、驚かされた。
Shaver氏は、「わたしにとってそれは、適切なときに適切な場にいたことと、多くの人と連絡を取り合っていたこととの合流点だった」と語る。同氏は、大規模な営利プロジェクトをオープンで協力的に開発されるプロジェクトにするという難しい問題に積極的に取り組んだ。ライセンス、商標、パッチのレビュー、スケジュール、管理といった問題だ。
このオープンソースへの動きは、ブラウザにおけるMicrosoftの勢力拡大に対抗することを目的としていた。当初は失敗したが、このオープンソースへの動きは、最終的には「Firefox」の成功への種を植えつけた。それは、プログラムの基礎をなすソースコードを誰もが見ることができ、修正でき、配布できるというオープンソースの特性によって、肥大化し競争力がないと見られることもあったMozilla製品を、無駄のない素晴らしいものに変えることができたからだ。
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