Microsoftは、自社の優先順位の置き方を弁護している。IE担当シニアディレクターAmy Barzdukas氏は、「ほかのブラウザが何をやっているかはもちろん認識している。ブラウザを作る会社は、最先端のテクノロジだけでなく、ウェブを使う人々にも配慮する必要がある」と述べる。
Microsoftは、高度なウェブアプリケーションの構築を望む人々に対して別の答えも用意している。同社が3月18日にバージョン3の詳細を発表した「Silverlight」ソフトウェアだ。Silverlightが最も直接的に競合するのは、ダイナミックに動くアプリケーションの提供に使用されるブラウザのプラグインとして優勢となっている、Adobe Systemsの「Flash」だ。
現在JavaScriptが描いている軌道は、JavaScriptが、Microsoftのプログラミング言語C#を使用するSilverlightと、ActionScriptと呼ばれるJavaScriptの関連テクノロジを使用するFlashの守備範囲に、より深く入り込もうとしていることを意味している。
「Ball Pool」と「Google Gravity」というChrome Experimentsを作成したプログラマーであるDoob氏は、これらについて語った先週のブログ記事の中で、「ChromeでのJavaScriptの速度は、ほとんどFlashのレベルに達している」と述べている。
Chrome ExperimentsのためだけにJavaScriptを習得したFlashプログラマーであるDoob氏(本名を明かさないことを希望している)は、インタビューの中で、JavaScriptの速度はFlashの4分の3程度だと述べた。ただし弱点はある。まず、同氏はJavaScriptの開発者用ツールが原始的なものであるとしている。また、JavaScriptはブラウザによって異なるという点がある。
Doob氏は「ActionScriptの主な利点は、どのブラウザでも、どのバージョンでも、IE 6上でさえも、まったく同じように表示されることだ。JavaScriptでは、ブラウザがどの機能をサポートしているかによって表示が異なるため、実際のプロジェクト開発作業よりも、すべてのブラウザで適切に表示されることを確認する作業により多くの時間を費やすことになる」と言う。Doob氏のChrome Experimentsを別のブラウザで動作させるには、「いくつか手直しを加えなければならない。その結果パフォーマンスが低下し、ユーザーエクスペリエンスに大きな影響が及ぶだろう」としている。
とはいえプログラミング技術というものは通常、成熟するにつれて、規格となって定着し、より洗練されたツールが提供されるようになっていく。当面の最優先事項は、少なくともJavaScriptの速度が十分に向上してほかの問題が前面に出てくるまでの間は、パフォーマンスだ。
「それが必要としたのは、他社をこの問題に注力させるための小さな競争だけだった。(やがてある時点に達したら)突如としてこの問題はもはや問題ではなくなり、次の問題に移ることができるようになるだろう」(Fisher氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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