Googleは2007年秋、出版社と協力して同社データベースにある書籍の完全デジタル版を有料で公開し始めることを計画している。The New York Timesが、米国時間9月6日に報じた(同記事の閲覧には登録が必要)。Googleは現在、出版社との合意により、書籍の抜粋のみをオンラインで公開している。同記事は計画に詳しい匿名の消息筋の話を引用しているが、この計画についてのGoogleのコメントはない。
これが事実だとすれば、Googleのデジタルブックプロジェクトである「Google Book Search」の方針転換を意味し、出版社と再交渉して新たな契約を締結することになるだろう。Googleは図書館に所蔵されている書籍のデジタル化を進めているが、これが一部出版社による訴訟を引き起こしていることから、困難な取り組みになりそうだ(同記事は協力の可能性のある出版社を明示していない)。
同記事によると、出版社が書籍の価格(表示価格の一定割合と思われる)を設定し、Googleと利益を分配する。もしそうなら、出版界を挙げて書籍のデジタル化に取り組む時代が来るだろう。Amazon、Google、Internet Archiveは、多数の大学および欧州の団体と協力して、一般公開のための膨大なデータベースの構築を目指し、書籍のスキャンを精力的に進めている。これが印刷物への関心の低下を招くかどうかはわからない。
もっとも、Googleが書籍販売の拡大につながっていることは疑いない。同社は2年前からGoogle Book Search Partner Programを実施しており、売り上げの分配を前提に小規模出版社にデジタル版を制作してGoogleに登録するよう奨励してきた。
その一方で、Googleは自社の書籍サービスを改良している。同社のプロダクトマネージャーであるAdam Mathes氏は同社ブログで、書籍を抜粋して個人的なコレクションを作り友人と共有することのできる新機能を説明している。「われわれが立ち上げた機能を使えば、パブリックドメインの書籍の一部を選び、コピーして埋め込むことができる。どのウェブページでもだ。書籍からも、ウェブページからの引用と同じように、ブログに簡単に引用できるようにしたい」(Mathes氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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