総務省は6月30日、2005年8月より開催された「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する研究会」において、プロバイダーや掲示板などの管理者に対する、違法情報や有害情報に関する自主的対応や支援策などをまとめた最終報告書案を公表した。
研究会では、管理者による違法情報の放置や送信防止措置に対する民事および刑事上の責任や、プロバイダ責任制限法における発信者情報開示の運用など、6項目に関する検討を行った。
違法および有害情報の送受信について、管理者による対応の限界を認めた上で、違法情報の送信者を取り締るとともに、掲示板などを利用するユーザーに対し、フィルタリングの導入を積極的に推進する必要があるとしている。
主な検討結果は、違法情報の管理に関する刑事責任に関しては、今後の裁判例の動向を注視するとし、管理側に違法情報の例示および判断基準を提示する。また、警察など法令の専門的機関から、送信防止措置の依頼があった場合に、対応手順を参照できるガイドラインも提供する。
発信者情報開示制度にも、権利を侵害された者が発信者情報の開示を受けるため手続をわかりやすく説明したガイドラインを策定するほか、海外に設置されたサーバから発信された情報については、2006年6月から運用を開始した「インターネット・ホットラインセンター」を通じ、国際連携することなどを挙げている。
また、総務省では最終報告書案の公表に合わせてパブリックコメントを7月21日まで募集する。パブリックコメントの内容をふまえ、8月上旬をめどに最終報告書を公表する予定だ。
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