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ブログを核にリストラしたライブドアのポータル戦略

インタビュー: 別井貴志(編集部)
文: 永井美智子(編集部)
2006年07月03日 11時00分

 時代の寵児であった堀江貴文前社長の逮捕で、大きな打撃を受けたライブドア。しかし堀江容疑者の逮捕後も次々と新サービスを発表するなど、そのエネルギーは健在だ。6月14日には経営の新体制もスタートし、新しいライブドアへと生まれ変ろうとしている。

 その決意を示すかのように、ライブドアは7月3日、ポータルサイトのトップページを大幅にリニューアルした。トップページにライブドアが提供するコンテンツとツール群を分けて配置し使い勝手を向上させたほか、新たにニュースに特化したニュースポータルページと、ブログなどのConsumer Generated Media(CGM)サービスを集約させたページを用意した。どこにも似ていない独自の存在を目指す考えだ。

 USENとの協力関係を築いた今、どのように出直しを図るのか。ネットサービス事業本部 執行役員副社長で、ポータルサイトの責任者を務める伊地知晋一氏に聞いた。

トラフィックの半分を稼ぐブログ

--ポータルサイトのリニューアルは、どういった戦略にもとづくものなのでしょう。

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 今までは「ヤフーに追いつけ、追い越せ!」というところがあって、カテゴリーやメニューを充実させた上で網羅性を持ち、ライブドア側で編集したコンテンツを一方的に配信するということを強化してきました。

 その理由は、編集された情報を掲載する場所の媒体価値が高く、単価の高いブランディング広告が取れるためです。そこはやはりしっかり押さえておこうということがありました。

 ただ、(堀江前社長など経営幹部が逮捕される)事件があり、経営体制も変わって、そろそろライブドアのポータルをどういう方向にしていくのか見直す時期に来ていると考え、戦略の見直しと変更を図りました。

 それで至った結論というのは、ライブドアが強みを持つブログを強化していくということです。ライブドアはポータル全体のトラフィックのうち、約半分がブログなんです。そのほかのCGMサービスがさらに15%〜20%ぐらいを占めていて、CGMサービスとニュースを合わせると、全体のトラフィックの70〜80%になる。それ以外の貢献度はすごく低いんです。

 逆の言い方をすると、そうしたライブドアへの貢献度が低いコンテンツやサービスは、ヤフーが強くて高い広告価値を持っている分野ということです。このような状況で我々がこのまま戦っていけるかというと、実は広告もあまり取れていなかったですし、効率のいいことではないという結論になりました。つまり、ヤフー型を捨てたということです。

--CGMサービスというのはブログのほかにどのようなものがありますか。

 ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の「フレパ」や、最近人気が出てきている「livedoor PICS」というFlickrのような写真共有サービス、「livedoor knowledge」という名前のQ&Aサービスなどがあります。

 こういったCGMサービスを連携していこうと考えています。私の考えではブログとSNSもだんだん垣根がなくなって、統合型サービスに近づいていきます。ただ、現状はまだ個別にサービスが存在しているので、まずはそれらが連携する仕組みが必要だと考えています。具体的にはタグという概念を横串に通していく予定です。

 写真であってもブログであっても、すべてタグをつけて投稿できるようにする。例えば、「ホリエモン」というタグをクリックすると、ホリエモンに関するブログ、写真、Q&A、キーワードといったものをユーザーが一覧で見られるようにします。

--新デザインではサイトが大きく3つに分かれています。

 今回、わかりやすく言えばトップページが3つになったんです。ホーム、ニュース、ブログですね。今はデフォルトがホームになっていますが、将来的にはクッキーを使って、最後に表示させたページがブログであれば、ブログのトップページが表示されるようにしたいと考えています。

 ちなみにブログのトップページはブログだけでなく、CGMサービスすべての情報が見られるページにしようと思っています。

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