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sik

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』

アイヌ語

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カナ表記 シㇰ

異表記・別形

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  • sis (シㇱ) (樺太)
  • shiki (シキ?) (千島) (鳥居龍蔵)

発音

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  • IPA(?): /sík/, [sík̚]

語源

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本来語。カムチャツカ、千島、樺太をふくむ、アイヌ語の非常に広い範囲(おそらくすべて)の方言にみられる[1]。初出は『松前の言』(1627―28頃)〈シキ〉[2]

オーストリック大語族の文脈では、次の単語と比較される[3]

アルタイ語族の文脈では、次の単語と比較される[4]

名詞

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sik (所属形短形 siki, 所属形長形 sikihi)

  1. (解剖学)

格変化

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普通名詞(譲渡不可能)の所属変化
人称 単数形 複数形
一人称 k(u)=siki c(i)=siki
二人称 e=siki eci=siki
三人称 siki siki
不定称 a=siki a=siki
人称 単数形 複数形
一人称 k(u)=sikihi c(i)=sikihi
二人称 e=sikihi eci=sikihi
三人称 sikihi sikihi
不定称 a=sikihi a=sikihi

※ 沙流方言ではku=及びci=がa、u、e、oの母音で始まる語の前にそれぞれk=c=になる

派生語

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  • sikkap (シㇰカㇷ゚)
    • sikkapturiri (シㇰカㇷ゚ト゚リリ)一重瞼 (沙流)
    • ukamúsikkap (ウカシㇰカㇷ゚)二重瞼 (八雲)
    • sikkap ukai (シㇰカㇷ゚ ウカイ)二重瞼 (沙流)
    • cinayesis (チナイェシㇱ)二重瞼 (樺太)
  • sikkes (シㇰケㇱ)目尻
  • siknak (シㇰナㇰ)盲目の
  • siknum (シㇰヌㇺ)目玉
  • sikpuy (シㇰプィ)
  • sikrap (シㇰラㇷ゚)睫毛 (北海道)
    • siknuma (シㇰヌマ)睫毛 (美幌)
    • sisrap (シㇱラㇷ゚)睫毛 (樺太)
  • siktum (シㇰト゚ㇺ)目付き

関連語

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  • nukar (ヌカㇻ)見る
  • yayanis (ヤヤニㇱ)一重瞼 (樺太)
  • tukapuhu (ト゚カプフ)二重瞼 (旭川)

類義語

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  • kerup (ケルㇷ゚) (バチェラー辞典)

参考文献

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  1. 服部四郎, ed. (1964), “目”, アイヌ語方言辞典, 岩波書店 
  2. 平山裕人 (2013), “シキ”, アイヌ語古語辞典, 明石書店 
  3. Bengtson, John D., “Ainu and Austric: Evidence of Genetic Relationship”, https://www.jolr.ru/files/jlr2009-2(1-24).pdf 2024年11月20日閲覧。 
  4. Patrie, James (1982), The Genetic Relationship of the Ainu Language, University of Hawai'i Press, p. 35 
  5. 平賀さだも (1969), “12-2 ユカㇻ「アペサㇰスクㇷ゚ ワッカサㇰスクㇷ゚ 」続き(火なしに育った、水なしに育った(続き ))”, 第2年次調査研究報告書2/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月