出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
(日本の学校で教えている筆順。韓国における筆順)
[1]
[2]
(中国における筆順)[3]
- 象形。「戈」や「戉」などの字形の刃の部分の筆画を取り除き、柄の部分のみを描いたもの(両側にある点は羨筆)。「兵器の柄」を意味する漢語{柲 /*prit/}を表す字。のち仮借して「かならず」を意味する副詞の{必 /*pit/}に用いる。[字源 1]
- 『説文解字』はこの文字を「弋」+音符「八」と分析しているが、誤りである。甲骨文字の形を見ればわかるようにこの文字は「弋」とは関係がなく、また韻が異なるため「八」は音符ではありえず、両側にある点は羨筆(装飾的な筆画)である。
- ↑ 裘錫圭 「釈“柲”」 『古文字研究』第3輯 中華書局、1980年、7-31頁。
張世超、孫凌安、金国泰、馬如森 『金文形義通解』 中文出版社、1996年、126-127頁。
季旭昇撰 『説文新証』 芸文印書館、2014年、87頁。
林志強等評注 『《文源》評注』 中国社会科学出版社、2017年、441頁。
- ↑ Axel Schuessler, ABC Etymological Dictionary of old chinese, University of Hawaii Press, 2006, p. 163。
- 第1画(上の点)の終筆ははねてもはねなくてもよい。また、筆順画像の上から2段目の書き方に従うと運筆上左側にはねることになるが、無論正しい[4]。
- 第4画(左側の点)の終筆ははねてもはねなくてもよい[4]。
字典掲載
康熙字典 |
375ページ, 2文字目 |
諸橋大漢和辞典 (修訂第2版) |
10299 |
新潮日本語漢字辞典 (2008) |
3402 |
角川大字源 (1992) |
2732 |
講談社新大字典 (1993) |
4724 |
大漢語林 (1992) |
3284 |
三星漢韓大辞典 (1988) |
701ページ, 4文字目 |
漢語大字典 (1986-1989) |
4巻, 2267ページ, 2文字目 |
- ↑ 『大きな活字の楷行草筆順・字体字典』江守賢治 三省堂 1983年、『新読本漢字研究』 糸長徳松 著 (富山房[ほか], 1910)pp.135。文部省活字の「必」はこの筆順で書かれている。
- ↑ 『用字便覧』 陸軍中央幼年学校 編 (陸軍中央幼年学校, 1915)pp.353、『新読本漢字研究』 糸長徳松 著 (富山房[ほか], 1910)pp.135
- ↑ 『大きな活字の楷行草筆順・字体字典』の24ページに「ほんとうは望ましくない」としながらもこの筆順を紹介している。
- 1 2 『漢字の○×』p.114 江守賢治(日本習字普及協会 1977年11月)