よう

日本語

動詞

よう【酔う】

1. アルコールなどの摂取によって精神や身体が通常とは異なる状態になる。程度が進むと「酩酊」と言う。
   • その男は酒に酔うと浮かれて唄など謳い出した。（徳田秋声『足迹』）
2. 乗り物に乗って気分が悪くなる。
   • 雨が降って小さな汽船に揺られて、船に酔い、頭の底はしんしんと痛み、傘がないので衣は濡れ、まっくらなこの漁村に昨夜おそく着きました。（倉田百三『青春の息の痕』）
3. 特殊な効果を狙った画像や焦点が一定しない動画などを見て気分が悪くなる。
4. (すばらしいことなどに) うっとりとした状態になる。語義1から派生。
   • この町のこうした情調に酔いつつある間に俥（くるま）は姉の家へ這入るべき路地口へついた。（富田木歩『小さな旅』）

活用

活用と結合例

よ-う 動詞活用表（日本語の活用）

ワ行五段活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	仮定形	命令形
よ	わ お	い っ	う	う	え	え

各活用形の基礎的な結合例

意味	語形	結合
否定	よわない	未然形 + ない
意志・勧誘	よおう	未然形音便 + う
丁寧	よいます	連用形 + ます
過去・完了・状態	よった	連用形音便 + た
言い切り	よう	終止形のみ
名詞化	ようこと	連体形 + こと
仮定条件	よえば	仮定形 + ば
命令	よえ	命令形のみ

発音

• (東京式) よ​う [yóꜜù] (頭高型 – [1])
• IPA^(?): [jo̞ɯ̟ᵝ]

関連語

第1義

• 泥酔、酩酊

第2義

• 車酔い、船酔い

第3義

• 陶酔、酔い痴れる

翻訳: 動詞

アルコールなどの摂取によって精神や身体が通常とは異なる状態になる

• 英語: to get drunk
• 朝鮮語: 취하다 ^(ko) <醉 -> (chwi.ha.da)
• ポーランド語: 〔不完了体〕 upijać się ^(pl) / 〔完了体〕 upić się ^(pl)

乗り物に乗って気分が悪くなる

• 英語: to feel sick
• 朝鮮語: 멀미하다 ^(ko) (mŏl.mi.ha.da), 멀미 ^(ko) (mŏl.mi)（名詞）

（すばらしいことなどに）うっとりとした状態になる

• 英語: to be ecstatically happy
• 朝鮮語: 도취되다 ^(ko) <陶醉 -> (to.ch'wi.dwe.da)
• ポーランド語: 〔不完了体〕 upajać się ^(pl) / 〔完了体〕 upoić się ^(pl)

形容詞

よう【良う・善う・佳う・好う】（形容詞「よい」の連用形「よく」のウ音便）

1. 「よく」に同じ。
   • 「きれいな吹井戸が下にありますが、見て来てもようございますか。」 （小金井喜美子『鴎外の思い出』）

発音

• (東京式) よ​ー [yóꜜò] (頭高型 – [1])
• IPA^(?): [jo̞ː]

翻訳

• 英語: good ^(en), well ^(en)

副詞

よう

1. (方言。打ち消しの語を後ろに伴って) どうにも…できない。
   • 「うちはなア、気が弱いよってに、そないなこと、ようできん」（坂口安吾『古都』）
2. (方言) …できる。
3. (方言) 「よく」に同じ。

用法

(語義1、2)

個人の能力の上で可能/不可能なことがらについて用いる。個人の能力を超えた外部的事情によって可能/不可能なことがらには用いない。

こんな上手な字は自分にはよう書かん。(「自分には書けん」も可)

このボールペンはインクが切れて書けん。(「よう書かん」とは言わない)

感動詞

よう

1. 呼び掛けや、それに応える言葉。「おう」に同じ。
   • 「よお、だいぶ景気がよさそうですね」（原民喜『永遠のみどり』）
2. 賞賛を表す。

発音

• (東京式) よ​ー [yóꜜò] (頭高型 – [1])
• IPA^(?): [jo̞ː]

翻訳

呼び掛けや、それに応える言葉

• 英語: yo ^(en), howdy ^(en), hello ^(en), hey ^(en), hi ^(en)

賞賛

• 英語: well done ^(en), bravo ^(en)

助動詞1

よう

1. 主体の意志を表す。
   • 「どんな願いかね？　僕で出来ることなら何でもしてあげよう」（小酒井不木『肉腫』）
2. 推測を表す。「するだろう」に比べ硬い表現。
   • これは不朽の逸品といえよう。（正岡容『随筆 寄席囃子』）
3. 「どうして」「誰が」「か（終助詞）」など、疑問を表す語を伴って）疑問や反語の語気をやわらげる。「するだろう」に比べ硬い表現。
   • 今さら何を言えよう。（坂口安吾『夜長姫と耳男』）
   • これがどうして黙っていられようか。（海野十三『放送された遺言』）
4. 勧誘、催促を表す。
   • 「先生、旅にでようよ」 三平^{（さんぺい）}は、しきりに私を旅に誘った。（坂口安吾『死と影』）
   • 早くしようよ
5. 仮定、仮想を表す
   • どこで何を食べようがかまわない
6. (「ようとする」の形で) ある動作がもうすぐ起こることを表す。
   • 時を隔てて見なければ判らぬほど、大いなる変革が、しかも二、三年の間に、行なわれようとしている。（中井正一『国立国会図書館について』）

用法

下記の未然形に付く。

• 下一段活用の動詞
• 上一段活用の動詞
• 変格活用の動詞
• 動詞型活用の助動詞

これら以外の未然形には「う」が付く。

活用

未然形	連用形	終止形	連体形	仮定形	命令形	活用型
○	○	よう	（よう）	○	○	無変化型

発音

• (東京式) よ​ー [yóꜜò] (頭高型 – [1])
• IPA^(?): [jo̞ː]

類義語

• う

翻訳

• 英語: will ^(en), would ^(en), shall ^(en)

助動詞2

よう 推量の助動詞ようだの語幹。

1. 目的や目標、依頼内容などを表すのに用いられることがある。ように。
   • 優勝できるよう頑張りたい。
   • ご参加下さいますようお願いします。
2. 終止形で（助動詞「だ」と同様に）「だ」が脱落する。終助詞ね、よ、さなどがつくことがある。
   • まるで夢を見ているようね。（女性的。「ようだね」は男性的または通性的）
   • ほんとに夢のようさ。（男性的。「*ようださ」とは言わない）
   • 右が最近の写真。以前と比べ別人のよう。
3. (古用法) 〜することには。
   • 孔子様がおっしゃるよう、「だめじゃのう。わしはまだ、自分で自分の過ちを発見して自分で自分を責める者を見たことがない。」（穂積重遠『新訳論語』）

終助詞

よう

1. 終助詞「よ」の長音形。
   • 田圃（たんぼ）へ蓮の咲くのを見に行こうよう、おばあさん。（長谷川時雨『チンコッきり』）

発音

• (東京式) よ​ー [yóꜜò] (頭高型 – [1])
• IPA^(?): [jo̞ː]

接尾辞

よう

1. (動詞連用形に続けて) 方法、手段、可能性。様を参照。

漢字

Wiktionary:漢字索引 音訓 よ参照