ばね

はね も参照。

日本語

語源

「跳ねる」「跳ね」から転じ、音変化した言葉。ただし諸説あり。

発音

• (東京式) ば​ね [báꜜnè] (頭高型 – [1])
• IPA^(?): [ba̠ne̞]
• (京阪式) ば​ね

名詞

ばね【発条・弾機・発軌・撥条】

圧縮コイルばね（ばねの一種）

1. 力が加わると変形し、力を取り除くと元に戻るという、物体の弾性という性質を利用する部品。スプリング。
   • 木の板の上に鉄のばねを取り付けた捕鼠器もいくつか買って来て仕掛けた。（寺田寅彦「ねずみと猫」1921年）
   • 生徒たちは仕事机の下にバネじかけでしまってある腰かけを引き出し、一斉に腰かけて、作業をつづけている。（宮本百合子「明るい工場」1932年）
   • 自動車には、地面からの衝撃に対して十分な許容量を有し、かつ、安全な走行を確保できるばねその他の適切な緩衝装置が設けられていること。（「鉱業上使用する工作物等の技術基準を定める省令」2016年）
2. 身体の動きにおける弾力的な性質。
   • 今日はこのハガキを終ったら、敷蒲団を取代えて、ついでに又少し膝のバネの訓練を致します。（坂口安吾「獄中への手紙」1942年）
   • ジャムプなどゝいう足のバネに依存するスポーツとなると、足の毛が一本ぬけたぐらいの重量の変化がしつこく感じられるぐらい、コンディションに敏感になりすぎてしまうのである。（坂口安吾「世界新記録病」1950年）
3. （比喩として）成長に繋げたり、新たな行動を起こすための経験や感情。
   • 過去の歴史から明らかなように、フロンティア領域、すなわち、人間の知的好奇心をバネとした宇宙や生命の起源、物質の本質等の未知な領域の開拓は、人間に新しい知識を与え、新しい世界観や生命観をもたらし、歴史発展の原動力の一つとして作用してきた。（科学技術庁「平成2年版科学技術白書」1990年）
   • 不満とは、行動のバネになる。不安とは、人をしてうつむかせ、立ちすくませる。実に忌むべきは、不安であります。（麻生太郎「第170回国会における麻生内閣総理大臣所信表明演説」2008年）

用法

平仮名表記ではわかりにくいときは、片仮名で「バネ」と表記することもある。

上位語

• （語義1）機械要素、機素

下位語

• （語義1）ぜんまい、ひげぜんまい、いたばね、コイルばね、さらばね

類義語

• （語義3）踏み台、糧、教訓

翻訳

弾性という性質を利用する部品

• インドネシア語: pegas ^(id)
• 英語: spring ^(en)
• タイ語: สปริง ^(th)
• 中国語: 弹簧 ^(zh)
• 朝鮮語: 스프링 ^(ko) (seupeuring)
• ドイツ語: Feder ^(de) 女性
• フランス語: ressort ^(fr)
• ポルトガル語: mola ^(pt) 女性