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民法第401条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法コンメンタール民法第3編 債権 (コンメンタール民法)

条文

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種類債権

第401条
  1. 債権の目的物を種類のみで指定した場合において、法律行為の性質又は当事者の意思によってその品質を定めることができないときは、債務者は、中等の品質を有する物を給付しなければならない。
  2. 前項の場合において、債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了し、又は債権者の同意を得てその給付すべき物を指定したときは、以後その物を債権の目的物とする。

解説

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第1項

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第1項は、種類債権履行に際し、債務者が債権者に対して給付すべき物の品質について定める。

  • 「債権の目的物を種類のみで指定した場合」
種類債権を意味する。
  • 債務者が債権者に対して給付すべき物の品質
種類債権の項参照

第2項

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第2項は、種類債権が特定する時期について定める。

  • 種類債権の特定
種類債権の項参照
  • 債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了したとき
  • 債権者の同意を得てその給付すべき物を指定したとき

参照条文

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  • 法律行為の性質により定まる例
民法第587条(消費貸借)、民法第666条(消費寄託)
  • 給付に必要な行為
民法第493条(弁済の提供)
  • 特定の効果
民法第534条2項(危険負担の移転)

判例

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  • 手附金請求(最高裁判決 昭和30年10月18日)
    民法第401条第2項の「債務者ガ物ノ給付ヲ為スニ必要ナル行為を完了シタルトキ」にあたらない事例
    漁業用タールの売買において、受渡の方法を、先ず買主が必要の都度引渡方を申し出で、これに対して売主が引渡場所を指定し、次いで買主が容器をその場所に持ち込み、タールを受領する旨約定した場合に売主が引渡場所を指定し、タールの引渡作業に必要な人夫を配置する等引渡の準備をなしたからと云つて、売主は「物ノ給付ヲ為スニ必要ナル行為ヲ完了シ」たことにはならない。
  • 損害賠償請求(最高裁判決 昭和35年06月24日)
    不特定物の売買における目的物所有権移転時期
    不特定物の売買においては、特段の事情のないかぎり、目的物が特定した時に買主に所有権が移転するものと解すべきである

前条:
民法第400条
(特定物の引渡しの場合の注意義務)
民法
第3編 債権

第1章 総則

第1節 債権の目的
次条:
民法第402条
(金銭債権)


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